鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

嫌な国家、北朝鮮

2006-06-30 | Weblog
 韓国の拉致被害者であるはずの金英男さんが昨29日、記者会見した。日本の記者は入れずに韓国の報道機関だけを対象として、予め用意した文書を読み上げる一方的な内容で、明らかに対日本向けのものであった。後で考えれば、言いたい相手はもう日本しかなく、肝心の横田めぐみさんは19994年に死亡した、と従来からの主張を繰り返したに過ぎず、拉致問題解決へ向けて前進を期待した向きに冷や水を浴びせかけた。
 記者会見というより、北朝鮮の宣伝といった感じで、自らの拉致についても船で遭難している時に北朝鮮船に助けられた、とあたかも自ら希望して北朝鮮に来た、とおよそ話にならぬ内容で、隣に座っていた母親も唖然として金英男氏を見ていたし、韓国の拉致被害者家族も怒りを露にしていた。母親にしてみれば、折角28年ぶりの喜びの再会を果たしたのに愛する息子の頭は金正日の洗脳され、ロボットと化しているのを如実に見せ付けられた思いで、愛情どころか、異星人を見る思いであったことだろう。
 横田めぐみさんについては結婚はしたけれど、子供を生んでから精神に異常を来たし、病院に入り、最後は自殺した、と語り、3年前にか、日本の代表団に公にしないとの約束で遺骨を家族に渡すよう託したのにその約束を破り、あまつさえ遺骨は偽物である、とするのは北朝鮮を陥れようとしている、に違いない、と日本敵視の姿勢を示した。偽の遺骨を渡したことは棚上げしての非難で、どこに真実があるのか全く定かでない。
 恐らく、周りにいる北朝鮮政府の関係者が監視していて、台本にないことを少しでも言うことがあれば、即刻止めさせることにしていたのであろう。その意味では何か、めぐみさんに関する新事実が出てくることを期待する方が無理なのだろう。
 28年ぶりの再会を果たした韓国に対してはもういい、あとは日本に対するメッセージの発信だけであることを考えれば、今回の記者会見のねらいは日本であることは明らかだった。そこで、横田めぐみさんの死亡を改めて表明するならいは一体何だろうか。
 北朝鮮ウオッチャーは「日本から援助を引き出すこと」と言う。一旦、死んだと言った人が生きている、と言うわけがない。国家に威信をかけても言わないだろう。仮に今後追求の手を深めると、本当に横田めぐみさんを殺してしまいかねない。援助することで、裏交渉で横田めぐみさんの生存情報を引き出し、日本へ連れてくるしかないのだろう。
 肝心の小泉首相は暢気に米国で国賓級の待遇を受けて、ブッシュ大統領とどうでもいいことをしゃべりあっている。もう、安倍官房長官が総理大臣のようである。なら、小泉は放っておいて、安倍次期首相の出番である。いまや拉致問題の解決なくして日本の外交はありえませんよ。
 
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