鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

お粗末なみずほフィナンシャルグループの株主総会、形骸化した株主総会なんて要らない

2010-06-23 | Weblog
 22日は東京・有楽町の国際フォーラムで開かれたみずほフィナンシャルグループの株主総会に出かけた。開始時間の午前10時より10分くらい前に5000人収容するAホールへ行ってみると、入口は大勢の人が列をなしている。ここ1、2年大幅な増資をして株主が増えたため、大規模な会場を使うことにしたものの、慣れない会場整理で、入場がスムーズに行ってない印象を受けた。案の上、午前10時になってもまだ入口周辺には数百人の人が列を成している状態だった。なんとか、会場内に入ったら、すでに株主総会は始まっていたが、今度は座る席が見つからない。どう見ても入口の混雑ぶりは主宰者側には伝わっていないようだった。
 議長の塚本隆史社長が総株主69万350人、株式1億5482万株で、出席株主20万5044人で、議決権株式数は1億185万株余と説明し、まずビデオによる事業報告、ならびに連結計算書類などの報告があった。そして塚本社長が経営方針を説明した後、決議事項の内容説明をし、質疑応答に入った。広い会場から大勢の株主が立ち、増資のうわさや、グループ経営の方針、役員報酬のカット状況、不良債権の金額の推移などについて次から次へと質問が出た。これに対し、みずほ側の回答は紋切り型のものが多く、納得できるようなものでもなかった。
 決議事項のなかに株主提案として廉価MBOに対して融資しないように定款の変更を求めるものと、役員報酬の個別開示を求める定款変更の2つの議案があり、山口という提案者の説明をさせたうえ、合わせて質疑に入った。会社側は第4号議案のMBO融資禁止に対しては「融資は資金用途、返済原資、担保などを総合的判断して決められるべきもの」を理由し、第5号議案の役員報酬の開示についても「役員報酬の決定手続きおよび開示は適切に行われている」としていずれも定款を変更するには至らないと反対の意向である旨を宣言しての討議で、株主からは賛成するとの意見も寄せられた。
 質疑応答は1時間半ばかりに及んだところで、議長は「あと2つの質問で打ち切る」と宣言して質問を受け付け、それが終わった段階で、採決に入った。注目の株主提案に対し、どう処理すのだろうかと思っていたら、なんと塚本議長は「この第4号議案に賛成の方は拍手を願います」と言い、それまでの剰余金処分、取締役3人選任の議案に賛成するより多くの拍手が出た。これに対し、塚本議長は「反対多数とみて、否決します」とあっさりと宣言した。続く5号議案についても同じで事前に寄せられた書面、およびインターネットによる議決権行使の内容になんら触れることなく、高圧的に否決を宣言したのは横暴といわれても仕方のない専決ぶりだった。
 これに対して会場からは「ええっ」という異論を思わせる声が上がったきりで、そのまま株主総会は終了が宣言されてしまった。新たに選任された新任取締役の紹介もなく、閉会が宣言されてしまった。
 国際フォーラムAホールという馬鹿でかい会場をあとにしながら、70万人もの株主を擁する株式会社の株主総会は運営の面でも、討議の内容の面でももう限界にきている、と思わざるを得なかった。かつて株主総会を食い物にしていた総会屋のような存在はなくなり、会社のめざすヴィジョンを提示できるものにはなったのだろうが、このみずほフィナンシャルグループの株主総会を見る限り、単に開催したという事実だけを積み重ねたものとしか思えなかった。
 そんな形骸化した株主総会なんか要らない。選別方法が難しいだろうが、真の株主だけを対象とした経営ヴィジョンを提示する株主総会を開いてほしいものだ。 

追記 株主総会の翌々日の24日の新聞各紙にみずほフィナンシャルグループの首脳6人の役員の役員報酬が1億円を超えていた、と報じられた。今年から有価証券報告書に1億円以上の報酬を得ている役員は明記することが義務付けられたためで、22日の株主総会で、株主から役員報酬について開示を求める質問が数々出たにも拘わらず、隠し続けた結果がこれだったとはまさに開いた口がふさがらない。総会の直前に辞めた役員4人を含め6人もの役員が報酬1億円を超えていた。議長を務めた塚本隆史社長も超えていたのだから、怪しからぬことおびただしい。総会の運営のまずさも含め、みずほフィナンシャルグループにますます不信の念が募った。
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