鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

行き過ぎではなかろうか、石川遼フィーバー

2009-01-29 | Weblog
 ゴルフ界を中心に石川遼現象なるものが起きている。一昨年にわずか15歳でアマながら国内ツアーで並みいるプロゴルファーを押しのけて優勝し、一躍スターの座に躍り出た。すると、昨年はじめには高校生ながらプロ転向を表明し、当初は大した成績を上げられずにいたが、後半になってめきめき力を発揮、遂に11月にはマイナビABCチャンピオンシップで優勝したうえ、年間獲得賞金も1億円を突破し、一流プロとしての地位を確立したかのように見えてきた。
 昨年末からマスコミ各社とも石川遼をスターのように取り上げ、毎日のように石川遼の名前が紙面に躍るようになった。17歳という無限の可能性を感じさせる若さと映画スター並みのルックスもあって、スポーツ関係誌だけでなく一般の新聞・雑誌もこぞって取り上げた。どこのメディアか定かではないが、酒年に最も活躍したプロスポーツ選手として石川遼を表彰しているところも出た。
 年明けとなって、アスコムとかいう出版社が石川遼オフィシャル応援マガジンとして「月刊石川遼」なる雑誌を創刊するに及んで驚いた。文学の世界で単一の作家の名前を冠した月刊誌が出るのは松本清張や司馬遼太郎など年期を積んで相当な実績を上げたうえでのことで、芥川賞を受賞したばかりの作家の月刊誌が発行されるのは聞いたことがない。
 と思っていたら、先日、日本プロゴルフ協会(JPGA)が石川遼を理事にするという記事がでた。JPGAなる組織がどういうことを決めていて、理事にだれが成っているのか、よく知らないがいかにも新設の何もよく知らない業界団体が世間で名が通っているから、といって有名人を理事に迎えるようなもので、しかも石川遼は子飼いの選手であるのがおかしい。17歳の高校生がNPGAの組織運営について一家言を持っているとはとても思えないし、若い選手には練習に専念してもらって技を磨くように指導するのがJPGAの行うべきことではなかろうか。JPGAが石川遼の人気に便乗して内部に取り込んで、よからぬことを企んでいるとしか思えない決定である。
 果たして、その数日後に石川遼に米国から米ツアーのゴルフ選手権に主催者推薦で招待状が届いた、との発表があり、さらに世界4大大会の1つである米マスターズ・トナメントにも招待されることが発表になった。出場すれば、日本人最年少となるとして、いまにも優勝しそうな大フィーバーとなって、日本のマスコミは大騒ぎをしているが、どうもこの背景にはJPGAのいだれかが裏で画策したような気がしてならない。
 世界金融危機でトヨタ自動車はじめJPGAの国内ゴルフツアーのスポンサーとなっている大手企業が軒並み下りることが十分に考えられるので、石川遼人気をあおって、なんとか踏みとどまってもらおう、と躍起になっている。そのひとつの表れがこの石川遼現象ではなかろうか。
 確かに石川遼は15歳にして国内ツアープロを優勝するのは並みはずれた能力で、10年に1人いるかいないかの選手で、順調に育ってほしい選手である。しかし、JPGAの組織の存立など他のよからぬ政争の具にされるようなことがあると、貴重な人材が消滅してしまうことはよくあることで、そうならないことを祈りたい。
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