鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

専門家筋からダメ出しされた安倍首相

2006-12-26 | Weblog
 安倍晋三内閣の支持率低下傾向が止まらない。昨25日の夕刊紙には「安倍5月退陣」の大きな見出しが踊っていた。鳴り物入りで発足した安倍内閣ではあるが、麻生太郎外相、中川昭一政調会長の核保有論議にも見られたように閣内不一致の動きが本間正明政府税調会長辞任の際にも起きた。安倍首相の指導力の欠如に他ならず、安倍総裁誕生の時に御しやすいと思って支持した党員が多かったことと一脈通じるところがある。しばらく走らせてみて、どうもいけない、と判断を下すいわゆる専門家筋も×の印を押したような気がしてならない。
 数日前の毎日新聞が安倍内閣支持率の世論調査の分析記事を載せていた。それによると、今月6、10日の調査で安倍内閣の支持率は46%と発足時から21ポイントも下落した。小泉内閣時代は北朝鮮電撃訪問などいくつかのサプライズで、下がった支持率を持ち直すことに成功したが、それ以前の内閣ではそうしたことはなく、一度下がった支持率が再び上がることはなかった。しかも小泉内閣時代は各年代まんべんなく支持を集めているのに安倍内閣は20代の38%を最低に70代以上の63%まで差があり、高年齢層ほど支持率が高いかつての自民党内閣に似た構造となっている。
 安倍首相は最近よく「古い自民党には戻らない」と宣うが、支持構造は古い自民党に戻っている。そうした発言をする、ということが古い自民党に戻っていることをなによりもよく表している。
 テレビに登場する安倍首相の発言を聞いていると、ふとこの人は一体、本当に自らに頭で考えているのだろうか、と頭をかしげたくなるような局面に出くわす。確かに言葉は発してはいるが、実がない、単なる言葉の羅列に過ぎない、と思わせるようなことがよくある。最近、都銀の政治献金の受け取り拒否やら、政府系外部団体の基金返上など一見、ヒットと思えるような施策、方針を打ち出してはいるが、これとて安倍首相が本当に考え、決めたことかどうか疑わしい。世論調査で安倍首相が不評な理由として「適切な説明がない」ことが指摘されている。首相のぶら下がり会見でもだらだらと話してはいるが、一体何を言っているのかよくわからないところがある。本間会長が辞任した際も「一身上の都合」を11回も繰り返したことでもわかるように説明責任の何たるか、少しもわかっていないようだ。
 4年前の官房副長官時代に当時の小泉首相とともに北朝鮮に行き、強硬な姿勢で交渉に臨んだことで、一辺に安倍株が上昇し、総理大臣への座を登りつめるきっかけとなったが、これは補佐という立場だったからこそ本領を発揮できたので、自らがトップに立って判断し、決断しなかればならない立場だったら、恐らく”男”を上げることはできなかったことだろう。人にはトップに立って光る人と補佐の立場で光る人があいる。安倍首相はどうやら補佐で光る人だったのだろう。
就任前から憲法改正を声高々の宣言し、就任早速教育基本法を59年ぶりに改正したが、そのお膝元のいじめ問題については効果的な手を打てなくて、鳴り物入りで発足させた内閣の教育再生会議も意見の対立ばかり目立って、功を上げるに至ってない。5人もつくった首相補佐官もなんら機能していなくて首相官邸も無能をさらけ出している始末である。
 先ほどの内閣支持率調査によると、安倍内閣の支持率では各年代とも女性の支持率が男性のそれを7-8ポイント上回っている、という。甘いルックスが幸いしているのだろう。それもAPEC首脳会議から帰国した際だったと思うが、昭恵夫人と手をつないでタラップを降りてくる姿を見せ付けられて、数ポイントは落ちることだろう。幼稚園の園児であるまいにいい大人が公衆の面前で”お手々つないで”は止めてほしい。
 来夏の参院選まで保つか、怪しくなってきた。
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