鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

異常な円高がもたらしたLCC(ロー・コスト・クルーズ)

2012-09-19 | Weblog
 18日テレビ朝日の「モーニンウバード」を見ていたら、LCC、ロー・コスト・キャリアー(低価格航空会社)ならぬロー・コスト・クルーズ(低価格航海)のことを報じていた。海外のクルーズ会社が日本の富裕層をねらって日本近海での低価格クルーズを大々的に売り出しているというもので、ついこの間ピースボートで世界一周してきた身にとって見逃せない番組だった。なかにいるとついつい低成長と少子化で日本経済の先行きに対し悲観的になってしまうのだが、外からみるとなかなか日本は豊かで成長しているように見えるものなのだろうか、と気になった。
 番組によると、低価格クルーズは米国のロイヤル・カリビアン・インターナショナル社が運航しているレジェンド・オブ・ザ・シーズ号で日本近海を9泊10日で航海し、価格は1人9万9800円、もうひとつはイタリアのコスタ・ビクトリア号で福岡から上海、韓国の済州島をめぐる5泊6日の航海で1人3万7800円といずれも1日1万円を切っている。ただし、いすれもが窓のない部屋のようで、それでも3回の食事はもちろん毎夜のプールやエクササイズの設備は整っているし、毎夜のエンターテインメントも含めれていて、豪華な船旅を満喫できる、と紹介していた。いずれも日本の富裕層にまずは船旅を知ってもらおう、と新規市場開拓をねらい低価格を打ち出したもので、申し込みが殺到している、とも伝えていた。
 番組ではもうひとつ大阪ー釜山を1泊2日1人2万7100円で行けるパンスター・ドリーム号も紹介していたが、こちらはダンサーがウエイトレス兼客室係りをしていたり、受付嬢がショーの司会をしていたり、コンテナも混載していたりして、あまりお勧めの内容のものではなさそうだった。もともとフェリー船だったのを客船に仕立てたもので、やっつけ仕事のような感じがした。
 ピースボートの旅は自身で豪華客船の飛鳥に比べると、帝国ホテルに泊まるのと東横インに泊まるくらいの差がある、とよく表現していたが、それでもピースボートの航海は1泊1万5000円くらいになり、この他に寄港地でのオプショナルツアー代金や入港料など諸雑費を足すと1泊2万円くらいになってしまう。もちろん、レジェンド・オブ・ザ・シーズ号やコスタ・ビクトリア号もツアー代金や諸雑費を足せば1泊1万円以下には収まらないだろう。
 それでも海外の豪華客船に乗船しての航海が1日1万円前後で体験できる、というのはかなりの魅力であるのは間違いない。1万円というのは1ドル80円としても125ドルで、海外に行けば決して安い価格ではない。海外でyソッピングしてひとつの商品が100ドルを超えれば、とっさに「高い」と思うが、日本円に換算すれば8000円で、「それほど高くはない」と思い直す。だから1泊1万円の料金は海外の人から見れば十分に高い。LCCといっても異常な円高のもたらした砂上の楼閣で、いつかは調整されてほどほどの水準に収まる、いや収まってほしいものだ。
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