詩の現場

小林万利子/Arim 「詩のブログ」 詩をいつも目の前に
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言の葉つづり 小篇(18)

2017-04-16 | 言の葉つづり 小篇
17-65)
”まろい”かたちは
むすばれた約束
まろい種を
心にしまい込み
歩きだす
影のように
ついてくる悔恨は
黒いベールに包み
祈りのまろい種に
変貌させる
時間は
川の流れのように
尖った痛みを
転がし転がし
その先の
まろい海の奥に
眠らせる


17-66)
まるくまるく
なるのです
水玉のように
落下しながら
転がりながら
両の掌に
窪みを作り
まるみを作り
受取るのです
大切な貴方に手渡す
貝殻に詰めた記憶
その言葉はやがて
笑い出す球体のように
静寂から解かれて
ころころ転がり
まるくまるく
辺りを包みだすのです


17-67)
花の下に
お茶会を開くのは
なにも人間ばかりではあるまいに

ドウダンツツジが
ティーカップに注ぐ
”春の光りの夢”の
ドリンクを
真っ先にもらいに行く鳥
羽のある住人が
後からつづき

雨が降り
傘をさして通りかかる
こんな日に
寄ってみたいね
光の夢をもらいに


17-68)
子供がキャンディーを
好きな謎が
ちょっと解けた
虹の橋を
ころがってころがって
子供の舌にとどく
まるい夢

チュッパチャプスを知ってる?
ダリがデージーの花の
ロゴデザインをした
キャンディ
あれから大人の夢も
終わらない
子供も大人も
歌いたくなるまるい夢


17-69)
きみには白い花
あなたには赤い花
その子には黄色い花
彼には青い花
街頭で花を配るアルバイトが
あって
毎朝、私は一輪の花を
通りかかる人に手渡した
夢の夢
その一輪をどうするの
風に吹かれながら
今日の短い命は
大切な人と会えるように
優しい夢を見るのだった


17-70)
深い深い森の泉に
水を汲みにいく
深い深い森の奥に
精霊を訪ねる
曾祖父の曾祖父から聞いた話を
思い出しました
預けてある私たちの音を
1つまた1つと返してほしいのです
森の空気を大きな風呂敷のようにひろげ

精霊の歩く音を合図に
街の時計が息を始めるように



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