ふうわり食堂

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2010年10月21日のカタチ 前篇

2010年10月21日 | カタチ日記

オレ

趣味が

“遭難”

なもんで、一度

“神がかった遭難”

という奴を経験したいと思い

出雲の山ん中を

わくわく胸躍らせ

さまよっていたら、

岩の割れ目(今思えば“神がかった”感のある岩だった。)に

DNAのかけらが

突き刺さってたんだよ。

誰のDNAだろって、家でどろろんっと再生させたら、なんと

“ヤマタノオロチ”だっていうじゃん。

聞いてる話と全然違う。まるで凶悪じゃない。イメージ違いすぎ。

ほんとかぁって問い詰めたら、

“あの話はでっち上げだ! 私はスサノオくんにはめられた!! 親友だと思っていたのに!!!”
と号泣。

そのあと、
のたうち&絶叫で事の次第を語るオロチの目は凶赤色に血走り、
口角泡を飛ばすその勢いは凄絶、恐怖をおぼえるほどで、
神話に伝わるオロチそのものだったよ。

その時の話を要約すると、
当時スサノオは下品×乱暴者として名高く、女子に全然モテなかった。
びみょ~に可愛いクシナダヒメ(辻希美似と思われる。)に一目惚れしたものの、全く相手にしてもらえない。
そこで、例の凶悪事件を計画、オロチをその犯人にしたてあげ、
芝居がかった仕掛け(酒を使った超有名なアレですな。)を用意し、
これ見よがしに八つ裂きにして捨てたというのだ。
この一件で英雄となったスサノオは、
クシナダヒメとまんまと結婚、ぬくぬくと余生を送ったんだと。
オロチと親しい間柄になったのも、
どうやらこの計画を完遂させるためだったらしい。

(後編につづく)
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2010年10月21日のカタチ 後篇

2010年10月21日 | カタチ日記
話を終えると、オロチの目は澄んだ虚ろな瑠璃色となり、
ふぅ~と大きく静かなため息をひとつ、
まもなく穏やかなキラキラに変わって、
消えて無くなった。
たまっていた、もやもやを全部吐きだして、すっきりしたんだろね。
長い間お疲れさん。

それにしても、
どこまで汚いんだ! スサノオ!!!!!!!!!!
遭難が趣味だからって “そうなんですか。” と
聞き流せる話じゃないだろ!! 許せねぇ!!

っていうんで、
オレは、この真実を伝える旅に出た。もう8年になる。
いまではこんなに大勢の同士と旅をしている。

オレは、この旅こそが

“神がかった遭難”

なのだと確信する!!  

イェィ!!


 + + + + + + + + + + + + + + + + + + 


おもいっきり蛇足だが、

彼の言う “DNAのかけら” から始まる “スサノオ” “オロチ” のくだりは多分

彼の勘違いと思い込みからなる虚像である。

“勘違いや思い込みに呑み込まれ→我を失い→常軌を逸した行動に出る。”

これが本当の

“神がかった遭難”

なのだ!!

勘違いや思い込みは、時に、

おどろくほどのパワーを

人に与える。

たまには、

勘違いや思い込みに身を委ね、

“神がかった遭難”

をするのも

悪くない

かも

ねぇ。
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