国際蘇生連絡委員会(ILCOR)という組織があり、5年毎にユニバーサルガイドライン
を発表しています。最新版は、2010年。
それに基づき、各国がその国のガイドラインをつくり発表しています。
アメリカではAHA(アメリカ心臓病学会)、日本は日本蘇生協議会(JRC)と
日本救急医療財団日本版ガイドライン策定小委員会が共同作成しています。
皆さん、もうすでに講習会等でご存知だと思いますが
心肺蘇生の新しい考え方は
1. 意識を確認
従来の見て、聞いて、感じて-ではなく、「肩などをたたき呼びかけるだけ」で良い、
に変更。とにかく早く実際の措置行うためだそうです。
2. 119番通報 (さらに周りの人を巻き込み、AED等もとってきてもらう)
3. 呼吸の確認
見た範囲で、規則正しいた呼吸をしているかを10秒以内で判断、しゃっくりとか不規則な
呼吸は呼吸なしと判断する。
4. 胸骨圧迫(心臓マッサージ)
1分間に100回以上、5cm以上沈むように、見た目で胸の真ん中を押す
以前は左右の乳頭を結んだ線とか言っていたが、とにかく真ん中に・・・
5. 気道確保、人工呼吸は、一般市民はしなくて良いことになり、それよりは
早く救急車を呼び、AEDをセットする、そしてAEDのセットも素早くやり
とにかく、切らすことなく胸骨圧迫を継続することが大切との事。
人は心臓停止の直前まで、血液中や肺には酸素があるため、人工呼吸は二の次で
とにかく、心臓を動かして、酸素が血液を通じていきわたるようにすることが
必須との事。
アメリカのAHAの推奨は、もっと簡単で、①119番通報をする ②胸骨圧迫をおこなう
だけになっています。とにかくシンプルで、もし間違っていたら痛がって起き上がるので
意識や呼吸の確認などは必要ないというものです。
「Stayin' Alive」という曲のテンポが合っているそうです。
AHA:http://www.heart.org/HEARTORG/CPRAndECC/HandsOnlyCPR/Hands-Only-CPR_UCM_440559_SubHomePage.jsp
ただ、乳児や幼児、溺水者などには、従来の人口呼吸併用型が有効とされていて
(もちろん、胸骨圧迫だけでも良い)
この場合は、気道を確保して、先ず1秒間に2回、対象者の胸がふくらむ位息を送り込みます。
その後は、直ぐ胸骨圧迫しながら1分間に10回くらい人工呼吸を繰り返す。
AEDは、子どもには子供用パッドを使用することになっていますが、
無い場合は大人用の物でも構わない、又乳児への使用もOKとなっています。
子どもは、異物をのどに詰まらせて息ができなくなることが多いですが
見つけたらすぐ、背後から両腕を回しみ、ぞおちあたりを強く引き押し上げる。
小さい赤ちゃんの場合、膝の上にうつぶせにして背中をたたく。
などで、異物を吐き出させる。
心臓が止まっていたら、胸骨圧迫優先です。
口の中に指を入れてかき出すのは、異物をのど奥に
押し込む可能性もあるので慎重に。