ボランティア「猊下の椅子」

お早うございます！
雨上がりの温気ありの「桜日和」に。

津波はＶ字のリアス式海岸を容赦なく登りはじめました。「溺れ谷」とは容赦なくの命名。ドンドン、養殖筏を、船を、そして車・家々も押し上げてゆきました。結局、最奥のお寺までも。本堂は波が、ご本尊も仏具も全て揉みくちゃに、幸い村人すべて75人避難していて助かりました。でも小さなお堂は、全てを巻き込んだ波に洗われてしまいま半壊。不思議なコトに、そのお堂に納められていた聖が坐した謂われのある「猊下の椅子」が、お堂の屋根上にチョコンと乗っていたのです。
みなみな明日を願い、後片付けを始めました。
誰ともなく、猊下の椅子の波被りお堂にゆけば、それぞれの「大事」のものが見つかると。ご先祖さまの位牌とか、卒業アルバム、印鑑とか、口づてに「あそこに行けば、見付かる」と。
避難所に大事に降ろされた「猊下の椅子」、「嘆き憂う」ヒトたちに一夜そこに眠ればとも…温かき掌の中に。