「烈しい風と嵐を避け/急いで身を隠すことができるのに。」
詩編 55編 9節
ここには、人生の重荷が耐えがたくなった時の逃避心が、絵のように歌い上げられています。
「とにかく人の世は住みにくい。住みにくさが高じると住みやすい所へ引越ししたくなる」というのは、
夏目漱石の「草枕」の冒頭の有名な句ですが、どこに引越ししたとしても、自分が変わらない限り、
変わらないのが人生ではないでしょうか。しかし、自分が変わるなら、周りまで変わるのが人生ではないでしょうか。
あるとき友人から、「今すぐやめてしまいたいと思うとき、逃げ出したら負けだ、辞めたくも変わりたくもないとき、
いや人から惜しまれ、引き留められる時こそ辞め時だ」と言われたことがありました。
振り返ってみますと知恵のことばだと思います。今すぐ遠くへ逃げ出したいと思うときは、今すぐ、神の愛と真実、
神の遠大なご計画の中に深くとどまって、そこに自分と神とを見出す時ではないでしょうか。
イエス・キリストも「すべて疲れた人、重荷を負った人はわたしのもとに来なさい。わたしがあなたがたを休ませてあげよう」
と言われましたが、「休ませる」ということばは、単なる身体の休息というよりも、たましいの休息、心の安息、
安心を意味し、究極的には神にある生存の保障を意味することばです。
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