この日も午前6時前から収穫作業。
開店前に収穫物の梱包と値付け、販売レイアウト、品出しの順番を決めて、あとはお並びのお客様への商品説明。
商品説明は、今日の販売品目と数量のご紹介です。
そろそろ早生種が終了するので、今後の販売予定をご紹介することの方が多くなりました。
今年は何度も「暑さで果樹が負けちゃって…」と言い続けたことやら。
夏の暑さだけじゃあなくて、本当は冬の暖かさにも負けているンです。
冬の休眠期に果樹が休めないと、寝不足のまま労働するのと同じで、うまくいかないンです。
だから冬はキッチリ寒くなってくれないと。
今年はサクランボ、梅が不作で、沖縄のパイナップルやマンゴーもあまりよろしくないとのこと。
さらに千葉の梨も微妙との報道も。
そりゃあ、日本はもう温帯の気候とは言い難いものね、仕方がありません。
だがしかし、私の兄は悩めるオトコ。
今年の収穫が少ないことに気を揉んでいます。
おそらくこれまでは父がある程度「大丈夫、心配するな」と声をかけていたのでしょう。
その父が今年は入院中で果樹園の様子を知りません。
いくら母、義姉、私が声をかけてもダメなんですよねぇ。
そして、本人の病気もよろしくないンです。
進行性の病気ですから、結果的に今の治療方法では進行は止められず。
かと言って、次の治療方法も一か八か状態。
サッサと次の治療をすればいいものを、農作業の都合で先延ばしにしようとする兄。
農業経営者の兄の苦悩なんて私には分からないです。
私はそんな責任を負う気もなければ、なんなら農地なんて処分すればいいものを…と思うだけです。
それが兄にはできないよです。
うちはすでに失われた本家から分家して兄が13代目。
どうせ8代目までしか名前を遡れないし、しがない農家なのに。
父はたいそうな農業関連の栄誉を受章してけれど、兄は面倒くさがって全部辞退しているから無冠です。
だからもう全部無しでも構わないのに。
兄には治療に専念してもらっても一向に構わない…それは私の勝手なんでしょうね。
さて。
この日は父のお見舞いに行ったところ、一見して調子が悪そうでした。
額を触ると、これまでで一番熱がある感じ。
焦る気持ちを抑えて、父に声をかけましたが反応が薄いです。
かけているメガネのレンズが汚れていたので、キレイに拭いていたところ、看護師さんが登場。
熱が出てしまったことを告げられました。
たぶん父はこれからずっと、いい日と悪い日を繰り返して次第に弱るのでしょう。
終末期とはそういうもの、と冷静に受け止めています。
この日は
ただ兄にはどうにもならない焦りがあって、私よりもずっとつらいはず。
誰の目にも父の最期が近いことが分かるし、兄自身の病気は進行が止まらない、農作物が不調気味、後継者がいない、家族の問題…そりゃあ焦るよね?という感じです。
兄自身のV字回復も、ほぼ無さそうです。
私は奇跡を信じないし、神頼みをしません。
淡々と状況を観察して、シミュレーションをするだけです。
これからも悔いなく実家の農作業をお手伝いして、何も悔いを残さない、これが私の目標です。
次回も楽しくお手伝いしたいです。