ダーリン三浦の愛の花園

音楽や映画など徒然なるままに書いてゆきます。

明日のためにその185-映画「セッション」

2015年12月15日 | アメリカ映画
音楽の果てしなる道。

音楽の道は長く、深い。
作詞家、作曲家、編曲者、演奏者、様々なジャンルで皆生みの苦しみを持ち、闘い続けている。
音楽の世界とは、まさに樹海に迷い込んだごとくである。
本日紹介する映画は「セッション」青年ドラム演奏者を扱った映画である。

ストーリーを紹介しておこう。
19歳の若いドラマー、アンドリューはアメリカで最高峰の音楽学院に通っている。
ある日、彼は指導の厳しさで有名なフレッチャー教授に見いだされ、彼の楽団に加わる。
その指導の厳しさは、一線を越えるもので、しかし彼はそれに耐えひたすらドラムを叩いていた。
彼は徐々に時分をささげるかのように、ドラムスの練習を厳しくしてゆく。
折角、彼がアプローチして付き合い始めた彼女にも別れを告げることになる。
そんなおり、彼にチャンスが舞い込んで来る。コンテストでドラムを叩くことになったのだ。
そのコンテストには、全米から音楽業界のスカウトが集まるもので、彼にとっても自分を売り出す絶好の機会である。
しかし当日、彼はトラブルに巻き込まれ、交通事故を起こしてしまう。
満身創痍で会場に向かい、ドラムの前に座ったアンドリューだったが.........

凄い映画である、特にフレッチャー訳のJ・Kシモンズは厳しく、完ぺき主義者の役を、大仰にならずしっかり演じきっている。
因みに彼はこの役で、昨年のアカデミー賞助演男優賞を受賞している。
そして不思議なことに、私にはこの映画から「臭い」を感じ取れた。
それは冒頭部分様々なの演奏者が、楽器をとりだしているシーンである。
昔懐かしい、スタジオの臭いが私の臭覚を刺激した、当然テレビからは臭いは出ないのに何故か。
映画の作りもしっかりして、申し分なし。脚本もしっかり作りこんである。
ラスト一旦音楽の道を諦めたアンドリューだったが、再度ドラムを叩くことになる。
その鬼気迫ったドラム演奏のシークエンスは圧巻であり、演奏を終えた彼はついに産みの苦しみを克服する。
彼は自分自身に勝ったのだ。
最近の映画では文句なく傑作に入る作品である。
是非観ることをお勧めする。

2014年、アメリカ製作、2015年日本公開、カラー106分、監督:デミアン・チャゼル

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