ダーリン三浦の愛の花園

音楽や映画など徒然なるままに書いてゆきます。

明日のためにその417-エンジェルサイン

2019年12月11日 | 邦画
生きる人たちとの絆。

人間、動物。生きとし生ける者同士には絆が生まれる。
そして、死などによって、その絆も断ち切られる。
一度絆を経験したものにとっては、別離は果てしの無い悲しみだろう。
しかし、それを乗り越え、人は前進していかねばならない。
今回紹介する映画は「エンジェルサイン」。
絆、別離を描いたサイレント映画である。
通常ストーリーを紹介するのだが、サイレント映画である故、登場人物等全く分からない。
よって、ウィキペディアから、簡単なストーリーを引用させていただく。
この映画はオムニバス形式になっており、全6話で構成されている。

・プロローグ&エピローグ
 チェリストのアイカとピアニストのタカヤは恋人同士。2人の共通の夢は自分たちで創作した音楽を世界中の人々に届けて感動させることだった。アルバイトをしながら音楽に励むタカヤ、そしてそんな恋人を温かく見守るアイカ。しかし、その幸せは長くは続かなかった。チェロとピアノの二重奏曲「エンジェルサイン」を完成させた直後、タカヤが病気でこの世を去ってしまったのだ。アイカはタカヤが命を懸けて遺してくれた「エンジェルサイン」を世界中の人々に届けることを誓う。

・別れと始まり
 鉄道運転士の夫と彼の妻は幼少期よりずっと一緒だった。しかし、突然に訪れた別れの時、妻が病気でこの世から去ってしまったのだ。生きる希望を失ってしまった鉄道運転士を何とか元気づけようと、ずっと夫婦のそばで見守ってきた愛犬が頑張ってみるのだが……。

・空へ
 ある日、ずっと可愛がってきた愛犬を失い、言葉を失ってしまった娘。意気消沈の娘に父親は「愛犬は天国で元気に暮らしているんだよ」と諭す。その話を聞いた娘は天国にいる愛犬に向けて手紙を飛ばす。しかし、返事はいつまで経っても来ない。そんな中、不安になった娘の前に蝶が姿を現す。

・30分30秒
 ある日、今まさに出産目前で命を失おうとしている女性のもとに死神が姿を見せる。そして、死神が女性の命を奪おうとしたその瞬間にタカヤの創った曲が流れ始め、それに呼応したかのように蝶が空を舞い始める。死神は女性に30分30秒の時間を与える。つまり30分30秒以内に女性は子どもを産まなければならない。果たして女性はまだ見ぬ我が子と対面することが叶うのか。
 
・父の贈り物
 幼少の頃、まだ物心つく前に母親を失った娘。不憫に思った父親は娘に母親代わりとなるロボットをプレゼントする。しかし、そんな父親もある日、娘の前からいなくなってしまった。生きる希望を失ってしまった娘を何とか元気づけようと、人間の心を宿したロボットがある行動に出る。

・故郷へ
 戦争に参加するために戦地に赴くことになった父親は娘に「必ず生きて戻る」と約束した。やがて戦争は終結し、父親は戻ってきたのだが、それは生きた身体としてではなく魂としての姿であった。もう二度と生きて娘に会えないことを知った父親の魂の前に現れた蝶が父親と娘に大きな奇蹟を宿す。

(以上ウィキペディより引用。)

全体的に映画は綺麗な作りとなっている、ただ、タイトルにもなっている「エンジェルサイン」の使い方がわざとらしい。
そして、何故この映画をサイレントで撮ったのかも疑問が残る、いや、サイレントとしての撮り方とも言える。
音楽や、街の雑踏などは、音として収録されているのだが、セリフが無い。いや、有ることはあるのだが、そのセリフの音が収録されていないのだ。
何故ここまで、このような作りに拘ったたのか、その意味が不明である。
監督は漫画家の北条司。キャッツアイ等で有名な漫画家である。
ウィキペディによると「国際漫画賞」である「サイレント・マンガ・オーディション」で選ばれた5作を今回映画化したと言う。
果たしてこの映画の出来に、それぞれの漫画作家は満足しているのだろうか。

最終話では、この映画の主役級の俳優が日本の北海道の空港に集まる。
このあたりの作りがどうも私にはでき過ぎで、面白くないところである。
この映画は現在公開中である、もし興味を持たれた方いたら、観ていただきたいと思う。

2019年、日本、ベトナム、インドネシア合作、カラー、105分、監督(総監督):北条司