ダーリン三浦の愛の花園

音楽や映画など徒然なるままに書いてゆきます。

明日のためにその352-カメラを止めるな

2019年07月03日 | 邦画
映画とは、脚本に沿い、順撮りかまたは乱撮りかで進めていくものである。
監督は、それぞれにロケーション等にあわせてカメラを回す。
そして「カット」がかかり、その都度俳優に助言したり、ダメ出しをして作っていくものである。
細かくビルドしていく映画製作、そんなところを映画ファンは見てみたいと思わないだろうか。
今回紹介する映画は「カメラを止めるな」時期を失して観たが、なかなかの出来。
いつもはここでストーリーを紹介するのだが、それをすると「ネタバレ」になってしまうので、今回は割愛させていただく。
読者の皆様には、失敬なこととなるが、他のサイトであらすじを確認願いたい。

この映画の優れたところは「計算」である。
全てのシーン、シークエンスが緻密な計算で成り立っている。
そして作りが丁寧である。
これほどの「完成度」の高い映画は近年では稀であろう。
下手な監督が、このような映画を撮ると、観るに堪えられない映画になってしまう。
この映画にはそのような部分の欠片もない。実に見事である。
前半の30分、後半の60分、作りが全く違うのを、とてもスムーズに流れを作っている。
百聞は一見に如かず、まずはこの作品を観ていただきたい。
いつもより強烈にそれを思う。

2018年、日本製作、カラー、96分、監督:上田慎一郎