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松浦鉄道 MR-100形気動車~MRの主力車両は、何処かで見た様な…

2008-01-30 | 鉄道[九州・私鉄等]

 

長崎県と佐賀県に跨って走る第3セクター鉄道・松浦鉄道(MR)に関しては、既に「MAKIKYUのページ」でも何度かに渡って取り上げていますが、今日は現在主力の座を占めているMR-100形に関して取り上げたいと思います。

この車両はJR→松浦鉄道転換時に導入されたほか、その後も数両の増備が行われており、MRでは現在に至るまで最多勢力を占めている軽快気動車で、性能面ではMR転換時に導入された他形式と同等ですが、前面に貫通扉が設けられているのがこの形式の特徴となっています。

このスタイルの車両は新潟鉄工(現新潟トランシス)が、NDCと呼ばれる地方私鉄標準仕様として製造した車両という事もあって、MRに限らず同じ九州内を走る熊本県のくま川鉄道でも、塗装以外はほぼ同等の車両が使われており、災害で路線が莫大な被害を受け、残念ながらそのまま廃線となってしまった宮崎県の高千穂鉄道(残念ながらMAKIKYUは乗車する機会がありませんでしたが…)でもほぼ同等の車両が使われていました。

またJR西日本の閑散線区で活躍するキハ120形と呼ばれる軽快気動車も、木次(きすき)線や越美北線で使用されている鋼製車体の車両は、この車両とほぼ同等の車両ですので、MRに乗車した事がない方でも、何処かで見たことがある様な車両と感じる方は多いかと思います。

車内設備もロングシート主体ながら、ボックスシートも配置されている点は以前取り上げたMR-200形と同様で、ワンマン運転にも対応した典型的な地方ローカル線用車両と言えますが、左右でボックス席の配置位置を変えている点は特徴的で、この点はほぼ同等車両といえるJR西日本の軽快気動車などとは異なっています。

MRでは今のところ、特に狙わなくても新型車両MR-600形の限定ダイヤ(HPでも公開されています)以外では、大抵この車両がやって来る状況ですので、むしろウンザリという感がありますが、これから続々とMR-600形が導入されると運用離脱する車両が次々と発生し、あっという間に今の隆盛振りは見られなくなりますので、興味のある方は今の内に乗車・記録しておいた方が良さそうで、この車両も早くも代替になるとは、先日取り上げたMR-200形などと同様に軽快気動車の寿命が短い事を痛感させられます。

車両を長持ちさせる事で定評のあるJR西日本に所属している同形車に関しては、現時点では特に代替の話などは聞かず、むしろ最近になってトイレ取付改造などを行っている程で、MRと同じ長崎県内を走る島原鉄道の旧型車両(キハ2000形・旧国鉄キハ20形)と大差ない古参車両(エンジン数や車体の長さに違いがありますが…)を今でも使っている有様ですので、こちらはまだ暫く使いそうな気配を感じますが、今後国鉄から継承した他形式で行われた様な凄まじい更新工事を施工して使い続けるのか、それとも新形式導入でMR-100形と同じ様に淘汰の方向に進むのか気になるところで、やはり同形の車両を使用しているくま川鉄道辺りも今後代替の動きが生じるのか気になるものです。


松浦鉄道 MR-500形気動車~1両だけのレトロ調気動車

2008-01-25 | 鉄道[九州・私鉄等]
先日「MAKIKYUのページ」ではJR→松浦鉄道(MR)転換時にイベント用に登場した、松浦鉄道のMR-300形に関して取り上げましたが、MRではその後MR-500形と呼ばれるレトロ調気動車が1999年に一両だけ導入されています。

この車両はトイレなし車両が殆どのMRにおいて、唯一のトイレ装備車両となっている事が特徴で、「レトロン」と呼ばれるこの車両は、イベント用などにも大活躍している様ですが、車歴も浅い事からMR-600形導入による代替対象とはならず、やはり1両だけの虎の子的存在となっている一般型気動車・MR-400形と共に今後も活躍する様です。

第3セクター鉄道の中では車両数・列車運行本数共にそこそこの規模を誇るMRにあって1両だけの希少な存在で、現状では新型のMR-600形(この車両はブレーキ方式が他車両と異なり、他形式と併結出来ない事から運用が限定されており、運用情報はMRのHPにも掲載されています)で運行される列車を除くと、基本的にダイヤも固定されない事から、なかなか捕まえ難い存在です。
(あと何年かして車両代替が一段落すれば、限定運用で捕まえ易くなるかもしれませんが…)

そのためMAKIKYUが先月MRに乗車した際には、せめて姿を見れれば…と思っていましたが、車庫の屋内で留置されていたMR-400形(当然撮影できる状況ではありませんでした)と異なり、佐々駅で列車待ちの間に車庫内を動きはじめ、写真は幸いにもその姿を捉えたもので、車内設備も他の車両に比べて豪華な転換式クロスシート(MR-600形にも僅かながらありますが…)を装備している様ですので、MAKIKYUがまたMRに乗車する機会があれば、是非乗車してみたいものです。

松浦鉄道 MR-300形気動車~イベント対応の軽快気動車も最後は…

2008-01-23 | 鉄道[九州・私鉄等]

 

先日「MAKIKYUのページ」では西九州を走る松浦鉄道(MR)のMR-200形に関して取り上げましたが、MRではこのMR-200形とほぼ同形態でありながらも、イベント対応車として昭和末期のJR松浦線→松浦鉄道転換時に2両だけ導入された、MR-300形に関して取り上げたいと思います。

この車両は車体形状こそMR-200形と同様ですが、他のMR車両(その後導入されたレトロ調車両と、最新型のMR-600形を除く)とは異なり、白に青の濃淡、そしてオレンジ色のストライプが入った塗装となっており、外観も他の車両とは容易に識別できます。

客室内は大都市圏の通勤車両の如く、オールロングシートとなっているのが特徴
(これは製造当初からではなく、後に改造された様ですが…)で、その上MRの車両は他形式も含め殆どがトイレなしですので、利用客の過半数を占める佐世保近郊の区間(佐世保~佐々間)程度であれば、この車両でもさほど問題はなさそうですし、ラッシュ時間帯に佐世保近郊で重点的に運用すれば良さそうな車両ですが、運用は特に限定されず全線に渡って運行される事から、この車両で佐世保~伊万里間を乗り通すともなれば少々大変そうです。

先月MAKIKYUがMRに乗車した際には、この車両に乗車する機会はなかったものの、有田~伊万里間の折り返し列車で走っている姿を目撃し、写真は伊万里駅で撮影した同車の外観と車内の様子です。

伊万里駅でMR-300形を目撃した際は、車両の状態などを見る限り、素人目にはまだ暫くは活躍が…という印象も受けたのですが、イベント対応車として華々しく登場したものの、MRでは1999年にレトロ調気動車のMR-500形が登場した事もあってか、近年は地味な存在となっていたこの車両は、特に大々的なさよならイベントや装飾などが行われる事もなかった様で、この直後に新型車両MR-600形の追加導入による淘汰で、今年春に約半分の区間が廃線となる島原鉄道とは対照的に、あまり注目を浴びる事もなくひっそりと運用から外れてしまった様ですが、この様な車両が走っていた事を記憶の片隅に留めておきたいものです。

ちなみにこの時MAKIKYUはMRフリーきっぷを持っていましたので、今思えば予定を変更してこの車両に乗車していれば…と思う次第ですが、それでも遠く首都圏から足を伸ばし、希少な車両が現役で活躍する最後の姿を見られただけでも、充分幸運だったのかもしれません。
(余談ながらMAKIKYUはこの時佐世保→伊万里間でMRに乗車してようやく九州の鉄道完乗(ケーブルなどを除く現行営業路線)となり、その後JR筑肥線に乗り換えて唐津~福岡市内へと移動していました)


松浦鉄道 MR-200形気動車~廃車が進む非貫通形の軽快気動車

2008-01-15 | 鉄道[九州・私鉄等]

 

先月MAKIKYUが九州を訪問した際には、路線の約半分が3月限りで廃止となる事が確定している島原鉄道と共に、同じ長崎県内を走る長大ローカル私鉄の部類に入る松浦鉄道にも乗車しており、先月「MAKIKYUのページ」でも同社の新型車両(MR-600形)に関して取り上げていますが、この車両の導入と引き換えに在来車両は一部を除き、老朽化もあって代替される事になっており、その一つが今日取り上げるMR-200形です。

この車両は国鉄→JR松浦線が松浦鉄道に転換された昭和末期、松浦鉄道発足と共に導入されており、この時には他にほぼ同仕様ながらも、前面貫通路付きのMR-100形と呼ばれる車両も同時に導入されています。

松浦鉄道発足時でもMR-100形の方が導入数は多く、その後の増備でも前面非貫通の車両は使い勝手が悪いのか、MR-100形は増備が行われているものの、この形式は以後増備される事もなく、また最近導入された新型車両(MR-600形)導入による車両淘汰でも今の所はMR-100形は残存し、この形式ばかりが代替廃車となっている状況です。

MAKIKYUが松浦鉄道に佐世保→伊万里まで乗車した際も、この形式には乗車する機会がなかったどころか、稼動している姿には一度もすれ違う事がなく、佐々(Saza)にある車庫に停車している姿を辛うじて見る事が出来た程度でした。
(現在この形式は新型車MR-600形の追加導入によって、全車両が運用から離脱している様で、MAKIKYUが見た車両も既に運用離脱していた車両かもしれませんが…)

この状況を見ると最近首都圏で廃車が相次ぐ「某社レンズ付きフィルムによく似たあだ名で呼ばれる事が多い車両」だけでなく、昭和末期~平成初頭にかけて第3セクター鉄道を中心に導入された軽快気動車も、やはり車両寿命が短いという事を改めて感じさせられるものです。

また佐々の車庫では、早くも廃車となったこの車両と同形の車体(以前事故廃車になった車体を活用した様です)が半分に切断されて何故か水色に塗装され、その上MRとは関係ない行先まで掲げた奇妙な姿で物置(?)になっている車両もあり、この姿は佐々の駅舎を出てすぐの場所から見る事が出来ます。
(物置の設置場所は松浦鉄道の車庫敷地内で立入不可ですので、写真はズームを使用して撮影しており、東京の渋谷にある某大手私鉄車両の切断車体の様に自由に見学する事は叶いませんが…)

「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も廃線が迫る島原鉄道への乗車をはじめ、長崎県方面へ足を伸ばされる機会がありましたら、車両の入れ替えが進む松浦鉄道にも是非乗車され、新型車両と共に、置き換えとなる軽快気動車にも乗車されてみては如何でしょうか?

写真は佐々駅に停車中のMR-200形と、佐々の車庫内で物置となった同形車体です。

なおこの記事は一部修正させて頂きました(080116)


島鉄ハッピートレイン~一部区間廃線後の去就も気になりますが…

2007-12-30 | 鉄道[九州・私鉄等]

 

MAKIKYUは今月初めに一部区間(島原外港~加津佐)の廃線が迫る島原鉄道(島鉄)に乗車し、それに関連した記事も幾つか取り上げていますが、今日は島鉄ハッピートレインと呼ばれるトロッコ列車に関して取り上げたいと思います。

この列車は雲仙普賢岳噴火の影響で大きな被害を受けた島鉄が、被災区間の復興後に観光目的で走らせているトロッコ列車で、基本的には普賢岳を望む災害復旧の高架新線区間を挟んだ南島原~深江間で運行されており、MAKIKYUが島鉄を訪問した際には時間の関係などもあって、残念ながらこのトロッコ列車には乗車していないのですが、車庫のある南島原駅構内を入換中のハッピートレインに遭遇する事ができました。

観光目的に特化した列車である事から、一般列車とは異なる特別運賃が適用されるのも特徴で、最近は島原外港以遠の廃線が迫っている事もあり、通常の運転区間とは別に終点の加津佐まで運行される列車も運行されています。

列車の編成は両端の気動車(通常の定期列車でも使用される車両です)の間に、トロッコ客車2両を挟んだ編成となっており、トロッコ客車2両の他に旧型気動車1両(キハ2000形:旧国鉄キハ20形)の内1両も新型気動車(キハ2500形)と同等の黄色ベースの塗装とされて、トロッコ列車牽引用(最近は一部区間廃線が迫っている事もあり、この車両も南島原以遠の定期列車における旧型気動車特別運用に充当される事がある様です)になっています。

ただMAKIKYUが島鉄ハッピートレインの姿を目撃した際には、たまたま検査などで他の車両が代走していたのか、それとも一部区間廃線が迫っている事もあって意図的に編成を変えたのかは分かりませんが、キハ2500形と同等の黄色ベースの塗装となっているキハ2000形(この塗装のキハ2000形は1両のみです)は南島原の車庫内に留置され、代わりに加津佐方には島鉄塗装のキハ2000形が連結されていました。

また諫早方にはキハ2000形ではなく、新型のキハ2500形を連結してトロッコ客車を挟んだ編成というのもなかなかユニークで、これもまた面白いものと感じますが、現行の島鉄ハッピートレイン運行区間はその殆ど(南島原~島原外港の1駅間以外)が来年春に廃線となる区間であるだけに、この列車の一部区間廃線後の去就も気になるものです。

一部区間廃線後も残存区間(この区間内にも有明海のすぐそばにホームがある駅<九州と海を隔てた某半島(博多からJRの高速船で片道約3時間です)にあり、恐らく世界で最も海に近い駅と称している正東津駅よりは海に近いです>などがあり、島鉄の路線は廃線対象区間以外でも充分魅力的です)で運行されるか、せめてトロッコ客車は他社に移籍して第2の活躍の場を得るなど、ハッピーな結末になる事を期待したいものです。

写真は南島原駅で遭遇した島鉄ハッピートレインと、編成内に連結されているトロッコ客車です。

(追記)島鉄ハッピートレインで用いられていたトロッコ客車2両は、一部区間廃止に伴って島鉄で用途不要となった後、幸運にも北九州市に引き取られ、装いを改めて門司港地区の観光鉄道・やまぎんレトロラインの客車として新たな活躍をしています。


島原鉄道 キハ2550形気動車~2両だけの希少な存在ですが…

2007-12-17 | 鉄道[九州・私鉄等]

先日「MAKIKYUのページ」では島原鉄道(島鉄)の軽快気動車・キハ2500形に関して取り上げましたが、島鉄では主力となっているこの気動車の後に、新形式キハ2550形を名乗ると気動車が2両だけ導入されています。

この車両はブレーキ関連の保安度強化などが行われた事で、キハ2500形とは番号帯が区分されているものの、乗客の立場からすればキハ2500形と大差ない車両で、キハ2500形とは共通運用されている様ですので、実質的にはキハ2500形の一部と捉えても良い程の車両です。

またMAKIKYUは一駅だけとはいえ、キハ2550形にも乗車できましたが、この新形式では車内クロスシート部分の座席の一部が一人がけになっている事がその後乗車したキハ2500形との違いとして感じた程度ですので、外観は番号を見ない限りキハ2500形と識別できない程で、最新形式とはいっても余り目立たない存在という感があります。

ただそれでもファン心理からすれば、遭遇率の低い珍車に当たれば嬉しいと感じてしまうもので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も島鉄に乗車され、ありふれた感のある黄色い軽快気動車を見かけた際は、車両番号に注目です。


島原鉄道 キハ2500形気動車~ワンマン運転対応の主力車両

2007-12-15 | 鉄道[九州・私鉄等]

 

「MAKIKYUのページ」では先日、島原鉄道(島鉄)を走る旧型車両・キハ2000形気動車(旧国鉄キハ20形)に関して取り上げましたが、現在の島鉄を語る上では他に忘れてはならない存在と言うべき車両が、今日取り上げるキハ2500形気動車です。

キハ2500形は雲仙普賢岳の活動が活発化していた頃の1994年から導入が開始されたワンマン運転対応の軽快気動車で、その後2000年までの間に13両が就役しており、現在の島鉄では在籍車両の半数以上を占める主力車両となっていますが、ワンマン運転列車には専ら当形式が充当され、朝夕などの車掌乗務列車でも一部列車を除いてこの形式が充当されていますので、島鉄の顔とも言うべき存在となっています。

この車両は同じ九州内を走るJR九州がほぼ同時期に導入したローカル線区用気動車・キハ125形とほぼ同仕様の新潟鉄工(現在の新潟トランシス)製NDCシリーズ(新潟鉄工が地方の第3セクター向けなどに設計した標準仕様車両)となっている事が特徴です。

車内は一般型気動車では標準的な車端部にロングシート、中央部にボックスシートを配したセミクロスシートという座席配置をはじめ、非常にシックな感じの内装が特徴的(好みが大きく分かれる様ですが…)なキハ125形とは異なるものの、割合落ち着いた印象の内装や、前面貫通扉の内側が朱色一色で塗られている点などはキハ125形(一部車両)との共通点で、その上車体形状や運行エリア(九州)をはじめ、派手な印象を与える黄色を基調とした塗装までキハ125形と類似した印象を受けますので、まるでキハ125形の兄弟車であるかの様に錯覚させられ、両者の並びも見てみたい気がします。
(物理的にはキハ125形を大村線などで運用し、諫早駅で両者が並ぶ事は不可能ではないはずですが、現状の定期運用では実現しません)

ただ製造当初からトイレを設置した点は、後に改造でトイレ取り付けを行ったキハ125形との大きな違いで、JR九州お得意の派手なロゴの代わりに「島原の子守唄」にちなんだ可愛らしいイラストが描かれている事や、裾部分に有明海を表す青ラインが入っている点も島鉄のオリジナリティが感じられます。

ちなみにMAKIKYUが今月はじめに島鉄に乗車した際は、南島原以北の今後も残存する通称北目線と呼ばれる区間では、南島原以南(通称南目線:南島原~島原外港の1駅間を除いて来年3月限りで廃線予定)に比べて運行本数が格段に増える事もあって、旧型気動車から乗り換えて主力のこの形式にも乗車してみましたが、軽快気動車の走りを堪能しながら土地の生活感が溢れるワンマン列車に揺られるのは、限定運行された旧型気動車に乗車するのとはまた違った面白さがありましたし、新旧双方の気動車を乗り比べされるとなかなか面白いと思いますが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も島鉄を訪問される機会がありましたら、この軽快気動車・キハ2500形にも乗車されてみては如何でしょうか?
(まあこの形式に関しては島鉄に乗車すれば余程の事がない限り、嫌でもやって来ますが…)

写真はキハ2500形気動車の外観と車内の様子です。


島原鉄道 キハ2000形(島鉄塗装)~この塗装にもバリエーションが…

2007-12-08 | 鉄道[九州・私鉄等]

  

昨日「MAKIKYUのページ」では島原鉄道のキハ2008号車に関して取り上げましたが、MAKIKYUがこの車両に加津佐から乗車した時は、途中の南島原駅で前に2018号車が増結されたのですが、MAKIKYUは南島原で増結されたこの車両に乗り換え、隣の島鉄本社前までの1駅間だけ乗車してみました。

この車両は同じキハ2000形でありながらも、島鉄オリジナルのクリームと赤の塗装を纏っているのですが、こちらは内装も壁面の色などが昨日取り上げたキハ2008号車とは異なっているのが特徴ですが、島鉄塗装の車両は写真の塗り分けとなっている車両以外に、前面に国鉄特急車の如く3本線が入った塗装の車両も存在しており、こちらは使っている色こそ同じとはいえ、前面だけでなく側面も異なる塗り分けとなっている点が特徴的です。

また島原鉄道のキハ2000形(キハ20形)はこの他に旧国鉄のツートンカラーが復元されたものや、トロッコ列車用に新型気動車の如く黄色一色の派手な塗装に改められたものなどがあり、主力の座からは外れた車両とはいえ、8両とそれなりの数が在籍しているこの形式は彩り豊かで興味深いものがありますが、部分廃線で所要両数が減少し、キハ2000形に廃車が発生する事はほぼ確実と思われますので、この様々な彩りを楽しめるのは今の内です。

写真は島鉄本社前駅を出発するキハ2018号車とその車内、南島原駅に停車中の塗り分けが異なるキハ2006号(この車両は旅行会社のチャーターした増結車:南島原で新型から車両交換となった加津佐行ですが、一般客は後1両に乗車となっていました)です。


島原鉄道 キハ2008号(首都圏色)~この塗装のキハ20形も今では…

2007-12-07 | 鉄道[九州・私鉄等]

  
  

MAKIKYUが今月初めに九州へ出向き、一部区間(島原外港~加津佐)間の廃止が間近となっている島原鉄道(島鉄)を訪れた際は、日頃この区間の定期列車では旧型気動車(キハ2000形)は運行されていないのですが、廃線前の特別運行という事で数本の列車が旧型気動車による運行(島鉄HPに情報あり)となっており、MAKIKYUも丁度この旧型気動車によって運行される列車に乗車できたのですが、その際にやって来た車両が今日取り上げるキハ2008号です。

島鉄では旧国鉄のキハ20形と同仕様のキハ2000形という形式の車両を自社発注しており、その後国鉄~JRで使用していたキハ20形を購入した車両もこの形式に編入されているのですが、一時期は十数両に及ぶキハ2000形が運行されており、島鉄の主力となっていた事もありました。

ただ1990年代以降、キハ2500形と呼ばれるワンマン運転対応の新型軽快気動車が導入されるようになると、一部は老朽取替えによる廃車対象となり、残る車両も主にラッシュ時間帯などに使用される脇役的存在となりましたが、それでも現在も8両が在籍しており、今やJR線では全滅したキハ20形が活躍する姿が見られる希少な存在となっています。

この8両は様々な塗装のバリエーションが存在するのが特徴で、島鉄のオリジナル塗装を纏った車両や、旧国鉄時代の塗装を復元した車両など数通りの塗装が存在するのは興味深い点で、この形式が運用される列車でもどれがやって来るかはその時のお楽しみといった所です。

先日MAKIKYUが訪問した際にやって来たキハ2008号は首都圏色と呼ばれるタラコ色一色に塗られた車両で、この塗装は島鉄のキハ2000形の中でもこの1両だけですし、他の鉄道で現存するキハ20形にも存在しない希少な存在ですので、この車両に巡り合えたのは非常に幸運で、車体の検査標記も「形式名 キハ20」と書かれた辺りは旧国鉄を彷彿させるものがあり、これもなかなかいい感じでした。

またこの車両は冷房化改造などが施され、運転席仕切りも改造(これは最前部座席に座った際に展望が良くなる利点もありますので、MAKIKYUはむしろ歓迎ですが、好みが分かれると思います)されているのですが、相変わらず手動で開ける客用ドアや、網棚や丸みを帯びた座席脇手すりをはじめとした今や懐かしさを感じさせる車内の雰囲気、そして非力なエンジン音を奏でながらのんびりと走る様はなかなか味のあるものでした。

MAKIKYUも慌しい旅程ではるばる島原半島まで足を伸ばした甲斐があったと感じたもので、沿線の雰囲気もなかなか良く、来年春には島原外港以遠の部分廃線で、この区間での有明海や雲仙を望みながらの汽車旅が楽しめなくなるのは随分惜しいものです、そうなるとラッシュ用に残されているといっても過言ではなく、老朽化も進行しているであろうこの形式の数両・或いは全てが廃車になる事もほぼ確実かと思いますが、島鉄路線縮小後の動きも気になるものです。

写真はMAKIKYUが乗車したキハ2008号(加津佐駅にて)とその車内の様子、車体標記と行先表示サボです。

また島原鉄道に関してはまだまだ取り上げたい記事が色々あり、近日中に順次記事を追加したいと思います。


松浦鉄道 MR-600形気動車「肥前WEST LINER」~座席配置が特徴的なMRの新型車両

2007-12-05 | 鉄道[九州・私鉄等]

   

先日MAKIKYUは随分慌しい旅程で西九州方面へ出向き、その概要に関しては先日の記事でも記しましたが、その旅行中には島原鉄道と松浦鉄道(MR)という2つのローカル私鉄にも乗車し、その内後者で乗車した車両の一つが、今日取り上げるMR-600形気動車です。

この車両は今年に入ってから運行を開始したばかりの最新型車両で、JR松浦線から転換してMRが発足した際に導入された軽快気動車の老朽取替え(それでも車歴約20年ですが…)で導入が開始されているのですが、ゆくゆくはMR-400形(後に1両だけ増備された車両)とMR-500形(イベント兼用のレトロ調気動車で、これも1両のみの存在です)を除くMR各車両を置き換える計画となっています。

車両自体はMR従来車両と異なり日本車両で製造されているのですが、同社で近年製造され、「MAKIKYUのページ」でも以前取り上げた事がある真岡鐵道の新型気動車・モオカ14形車両(該当記事はこちら)に類似した設計しており、外観のデザインなどは同車に類似しています。

塗装はMRの従来車両とは大きく異なる水色とオレンジの帯を巻いた塗装が、従来車両とは異なる新型である事を利用客にも強くアピールしており、「肥前WEST LINER」という愛称が付けられている事や、「マックス君」と呼ばれるマスコットキャラクターまで描かれている事、そしてこの新型車両に関する特集ページを松浦鉄道HPでも設けて感想等を募っている事などは、MRのこの車両に関する意気込みを感じさせるものです。

車内は第3セクター向け標準車両ともいえる仕様の車両だけあって、真岡鐵道に導入された類似車両と同様に随分簡素な印象を受け、派手なデザインが目を引く九州内のJR車両などとは対照的な感があり、トイレが未設置となっている事や、ロングシート部分が多く取られている座席配置などは、佐世保近郊での短距離利用が多く、この区間での混雑や長距離を乗り通しての乗車が少ない事(佐世保~松浦・伊万里等へは、MRはたびら平戸口を経由して大回りするのに対し、これらの区間では西肥バスが短略ルートで路線バスを運行していますし、佐世保~伊万里間はJRとMRを有田で乗り継ぐルートもあって、これらの方が時間・運賃の両面で優位です)をなどを踏まえ、路線の特性を考慮して割り切ったものと感じられます。

ただそれでも座席配置は中央部分にクロスシートを配置しており、この部分は2+1配列で2人がけ席がボックス配置、1人がけ席が転換式クロスシートと異なるタイプの座席を配列している点はユニークで、クロスシート部分には小型のテーブルも設けられているのも特徴的ですし、トイレ未設置となっている件に関しても、大半の列車ではたびら平戸口・松浦などの主要駅で列車交換時に数分の停車時分を設けるなどのダイヤ設定がされていますので、長時間に渡る乗車でもさほど問題はなさそうに感じます。

現在はまだ数両が走っているだけで、従来車両とはブレーキ方式などが異なる事から併結不可能な事もあって、現在は一部の列車(快速を含む佐世保~佐々間を走る列車に充当される運用が多く、現段階では有田~伊万里間の運用は存在しない模様です:松浦鉄道HPにも運用列車の情報が掲載されています)に限定使用されているだけですが、これからのMRを担う存在として順次活躍の場を広げていく事は確実で、今後の活躍が期待される車両で、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も西九州方面へ出向かれる機会がありましたら、一部区間の廃線が迫っている島原鉄道と共に、車両入れ替えが進む松浦鉄道にも足を伸ばされ、この新型車両にも乗車されてみては如何でしょうか?

写真は朝のラッシュ時間帯に運行される快速列車に充当されたMR-600形とその車内、MR-600形に貼られたマスコットキャラクター「マックス君」です。


筑豊電気鉄道2000形~「黄電」の姿は見納めに

2007-10-30 | 鉄道[九州・私鉄等]

九州ではJR九州が2009年春以降に福岡、北九州の両都市圏で導入するICカード乗車券の名称を九州弁の「すごか」とかけたという「SUGOCA(スゴカ/Smart Urban Going Cardの略)」にするという発表があって話題になっていますが、九州の交通関連事業者のHPを色々見ていた所、北九州市の黒崎を基点に、直方までの間を走る西鉄系の私鉄・筑豊電気鉄道(筑鉄)において車両の塗装を順次変更していくという情報が…

これは筑鉄で現在走っている2車種のうち、2000形と呼ばれる旧型車両(もう1種類の3000形と呼ばれる車両も、車体を更新しただけで下回りは旧式ですが…)の導入30周年(西鉄から転籍:それ以前から筑鉄の路線は存在していましたが、現在は全廃となった西鉄北九州市内線からの乗り入れで賄っていました)を記念し、7編成が在籍するこの車両を1編成ずつ異なる塗装に塗り替えるというもので、既に1編成が新塗装に衣替えしてデビューしています。

7種類の塗装は虹色を構成する色を1種類ずつ用いる事から「レインボー電車」と称し、白に各編成毎の帯色を入れた塗装となりますが、2年程度で2000形全編成の塗装をこの新塗装に変更するとの事で、「黄電(きなでん)」と呼ばれる西鉄天神大牟田線の2000形や貝塚線(旧宮地岳線)各車両と同じ黄色に赤帯の塗装は見納めとなります。

この新塗装は見るからに旧型の2000形よりも、見た目はそれなりに洗練された印象の3000形(それでも下回りは昔ながらの釣掛式というのが魅力ですが…)に施した方が良さそうな気がしますし、後者の方が稼働率も高い様に見受けられ、乗客へのPRという観点でも効果がありそうですので、2000形のみ塗装変更というのは少々奇妙な感もあります。

ただこの塗装変更は2000形を今後も車体更新(載せ変え)などを行わず、現状のまま暫く使い続けるという意志の表れなのかもしれませんし、西鉄の福岡・北九州両市内線(路面電車)が全廃となった今日でも、両線の様相を色濃く残すこの車両の末永い活躍に期待したいものです。

またこの塗装変更の反響を見ながら、3000形にも同様の塗装を導入するか否かを模索するのかもしれませんが、現在の2000形「黄電」塗装を見たい、この塗装の電車に乗りたいと思われている方は早めに筑鉄を訪問された方が良さそうで、また同線は路面電車形の車両がそれなりに整備された専用軌道を快調に飛ばし、釣り掛け駆動の車両ばかりという路線は全国的にも他に類がありませんので、派手なデザインが特徴のJR九州などに比べると地味な印象があるとはいえ、なかなか面白い路線です。

とはいっても北九州は遠く、首都圏どころか京阪神よりも韓国の方が遥かに近い地ですので、MAKIKYUも筑鉄電車にはまだ一度しか乗車した事がなく、余り馴染みのない路線ですので乗車の機会もなかなかないですが、またその内機会があれば乗車したいと思っていますし、その時にはこの「レインボー電車」の姿も是非目にしたいものです。

なおこの情報に関しては筑鉄HPにも詳細が掲載されていますので、興味のある方はこちらも合わせてご覧になられると良いかと思います。

写真は以前九州を訪問した際に撮影した「黄電」です。


熊本市電・今日から運賃を均一制に~短距離利用での運賃値上げは気になる所ですが…

2007-10-12 | 鉄道[九州・私鉄等]

今日12日から、九州の熊本市内を走る熊本市交通局の路面電車(市電)の運賃が改定され、今までは初乗り130円の区間制運賃(整理券方式:最高金額200円)だったものが、150円均一に変更されます。

これは分かり易さという点では大いに評価でき、区間制運賃→均一運賃への変更事例は、近年でもカードシステム導入に伴って阪神電気鉄道の路線バスや京福電車(嵐電)などで行われていますが、今回の運賃改定は比較的乗車距離の長い利用者からすれば歓迎できる話であるものの、一方で短距離(2km以下)の利用客からすれば値上げになりますので、そのため全体としてはやや値下げになるとはいえ、今回の運賃改定に対する評価は大きく分かれそうです。

また初乗り100円・熊本駅~交通センター(市内中心部に立地しており、近くに市電の停留所もあります)まで乗車しても130円と、近距離では割安な運賃設定としており、九州産業交通(産交バス)や熊本電気鉄道(電鉄バス)をはじめ、交通局自体も同区間を運行している路線バスに比べて運賃が高くなってしまうのも気になる所です。

これは敢えて近距離客を分離する施策であれば理解できなくもない話なのですが、市電と市内を走る各事業者路線バスのいずれも熊本県内共通バスカード(To熊カード)が利用可能な状況ですし、短距離利用客の逸走が生じないのかも気になる所です。

とはいえ驚異的な安さとも言える長崎(長崎電気軌道)の100円均一には適わないものの、同じ九州の鹿児島(鹿児島市交通局)の市電運賃は160円均一となっている事などを考えると、運賃水準自体は妥当な所だと思いますし、また冷房車両やVVVFインバーター制御車、超低床路面電車などの導入で日本全国の路面電車の中では先駆け的な存在で、今後も更なる超低床車の導入や、JR豊肥本線新水前寺駅から約130m程離れた水前寺駅通電停を同駅付近に移設するなどの計画もある様ですので、MAKIKYUは遠方という事もあってまだ数度しか乗車した事がない熊本市電ですが、今後のサービスや利便性の向上にも期待したいものです。

写真は熊本市電の最新形式で象徴的存在ともいえ、ヨーロッパのLRTで普及しているタイプの車両(彼の地でも様々なタイプが存在しており、この車両はアドトランツ(現ボンバルディア)製)を日本(新潟鉄工(現新潟トランシス))でライセンス生産を行った日本初の超低床路面電車でもある9700形です。

MAKIKYUも従来車とは大きく異なり、モダンな外観と真っ白な車体が特徴的なこの形式には2回程乗車した事がありますが、導入時期により行先表示(字幕/LED)や下回りなどに差異(走行音も編成によって異なります)が見られるのが特徴ですが、外来品の車両という事もあるのか、座席の硬さが少々気になった事を記憶しています。


西鉄宮地岳線の在りし日~宮地岳まで行かなくなる日には路線名も…

2007-03-27 | 鉄道[九州・私鉄等]

   

昨年夏にMAKIKYUが各地を旅行した際には、高速船(Beetle)で韓国へ渡る前に西鉄宮地岳線にも乗車したのですが、この路線の西鉄新宮以北の区間が今月限りで廃線となり、これと共に永年親しまれた宮地岳線の名称も貝塚線に変更されてしまいますので、宮地岳線惜別記念も兼ねて、新宮以北の区間に乗車した際の写真を何枚か取り上げたいと思います。

新宮以北の廃線区間は福岡の近郊と言う事もあって、3月限りで廃線となる他の私鉄路線とは異なるそこそこ開けた地域という印象があり、列車の運行本数なども考えるととても廃線になる様な路線とは考え難く、また松林の中を駆けていく電車に揺られるのはなかなか風情があり、終点津屋崎駅の如何にも海の近くにある終着駅といったイメージも好感を持てるものですが、近年は多少離れた山側を併走するJR線で運行本数の増加や新駅開設などが行われ、運賃や所要時間の面で太刀打ちできない事や、西鉄の鉄道部門における赤字の過半数がこの区間という事もあって、残念ながら永年の歴史に幕を下ろす状況となっています。

写真は西鉄古賀駅に入線する貝塚方面行き電車、西鉄福間駅で発車待ちの様子(津屋崎方を望んだ様子)、路線名の由来にもなった宮地岳駅(この近くに宮地嶽神社があり、九州ではこの神社のお守りを車内に掲げた路線バスを良く見かけます)の駅名標、海の近くに位置する終着の津屋崎駅です。

本当は津屋崎駅の駅舎なども撮りたかったのですが、MAKIKYUの訪問時には駅前ですぐにやって来たバス(JR福間駅方面)に飛び乗る状況で、これは残念ながら…

宮地岳線に乗車した事がある方は、写真を見てその時の事を思い出して頂き、乗車した事がない方は気分だけでも味わっていただければ幸いです。


西鉄300形~宮地岳線を走る古参車両

2007-02-22 | 鉄道[九州・私鉄等]

今日は昨日「MAKIKYUのページ」で西鉄宮地岳線→貝塚線への路線名改称に関する記事を取り上げた事もありますので、宮地岳線を走る古参車両・300形に関して取り上げたいと思います。

この車両は元々大牟田線(現:天神大牟田線)用として1940年代に製造された古参車両で、70年代~80年代にかけて宮地岳線に転属していますが、元々標準軌(線路幅:1435mm)の大牟田線を走っていた車両を狭軌(1067mm)の宮地岳線に転用した事から、転用時に一部下回りの交換なども行われています。

この形式は車両によって車長などに差異があり、また幾度もの改造もあって外観も車両によって異なる事から雑形車といった印象を受けますが、前後で前面形状が異なる編成も存在する姿は見応え充分で、大半の編成は今や数少ないつりかけ式駆動のモーターを装備している事もあって、懐かしい走行音を奏でている事や、厳つい姿の台車を装備している事も魅力的です。
(ごく一部カルダン駆動に改造された編成も存在します)

また旧型ながらも現在稼動している車両は全て冷房改造が行われて夏場でも快適に過ごせますし、ワンマン運転に伴って用意された案内テープも、香椎花園前到着時と終着時に地元歌手による曲のチャイムが流れ(最近はそれ以外の駅の案内放送でも天神大牟田線と同様のチャイムが流れます)、夏場の冷房が効いた車内でつりかけ駆動のモーター音が響き、独特のチャイムが流れるワンマン放送に耳を傾けながら身を任せる様は宮地岳線ならではといった感があり、乗り応えもなかなかです。

しかしながら、宮地岳線の西鉄新宮以遠廃線と貝塚線への路線名改称に伴い、残存区間でも平日ラッシュ時間帯を中心に減便が行われますので、稼動車両数も大きく減少する事は必須で、またこの300形はかなり老朽化も進んでいる事から、残念ながら大半の編成(もしかしたら全編成?)が宮地岳線という路線名と共に現役を退く事になりそうです。

そのためこの車両が多数活躍する姿が見られる日はそう長くなく、現段階でも既に一部に廃車が発生している状況ですので、新生貝塚線での活躍は専ら後進(それでも充分古い車両ですが…)に託す事になりそうですが、宮地岳線が最後の日を迎えるまでの残された期間の活躍に期待すると共に、この様な魅力的な車両が活躍していた事を記憶に留めておきたいものです。
(貝塚線改称後も何編成か走り続けてくれれば嬉しいのですが、少なくともつりかけ駆動車はさすがに厳しいでしょうし…)

写真は305+355編成の貝塚方先頭車355号・反対側の前面(昨日の記事で画像掲載)とは様相が大きく異なるのが特徴で、如何にも改造車といった感を受けるこの前面も独特の魅力があります。


西鉄宮地岳線・路線名変更へ~新路線名は貝塚線

2007-02-21 | 鉄道[九州・私鉄等]

今年は来月末限りで廃線となる路線が3つも有り誠に残念な話ですが、その一つである西鉄宮地岳(みやちだけ)線は西鉄新宮~津屋崎(つやざき)間が部分廃線となり、この区間にある駅で終点津屋崎の一つ手前には「宮地岳」という駅も存在します。

そのため来月の部分廃線後は宮地岳まで行かないにも関わらず「宮地岳線」を名乗るのか、それとも路線名が変更されるのかが気になっていましたが、今日西鉄HPを見たところでは、昨日付のニュースリリースで廃止となる西鉄新宮以遠への代替バスに関する情報と共に、貝塚線への路線名変更に関する記事が掲載されていました。

これによると、今回の西鉄新宮以遠廃止・路線名の貝塚線変更と同時にダイヤ変更が行われ、現在昼間・土休日13分間隔で運行されているダイヤが15分間隔と若干減便されるほか、平日ラッシュ時の運行本数も10分間隔(現在は貝塚~三苫間の区間列車を含めて6.5分間隔)と減便になり、これに関連して香椎花園前駅の交換設備も撤廃となります。
(他に早朝深夜の貝塚発初電繰り下げや貝塚行き終電繰上げなども行われますが、これは実質的に出入庫列車ですのでさほど実害はなさそうです)

昼間15分間隔のダイヤは本数こそ減少するものの、貝塚で接続する福岡市営地下鉄との接続という面では現行の乗車列車によってバラバラという状況から見て大きく改善されますし、列車によっては結構な交換待ち時間が生じていた状況も改善されて所要時間も短縮されます。

現状データイムは2両編成のワンマンカーでも座席が埋まらない程度の乗車率ですので混雑が懸念される事も殆どなく、この多少の減便は殆ど実害ナシと言ってもよく、分かり易く使い易いダイヤ実現と言う意味では、一歩前進という気もします。

ただ朝ラッシュ時間帯の10分間隔への減便は、新宮以遠からの乗客が至近距離を平行して走るJRや、西鉄新宮以遠廃止に伴ってラッシュ時間帯のみ新設され、津屋崎~天神間を都市高速経由で直結する路線バスへの転移などを見込むとしても随分減少している印象を受け、現在ラッシュ帯を中心に数編成が稼動している3両編成の稼働率を上げるなり、既存車両の組み換え等で増結を行うなどの施策が行われるのか否かも気になります。

また西鉄新宮以遠廃線と共に、既存区間でも平日ラッシュ時間帯を中心に減便となりますので、現在宮地岳線を走っているつりかけ式駆動車をはじめとする旧型車両群(割合新しい600形でも首都圏私鉄で廃車になる車両よりも古い状況ですが…)もそろそろ見納めになりそうで、今後どの様な動きが生ずるのかも気になります。(写真は去就が注目され、以前MAKIKYUも宮地岳線で乗車した古豪300形です)

今後貝塚線として再出発する宮地岳線、宮地岳線という名前を聞きなれた身にはどうもピンと来ない路線名という気もしますが、今後も残存する既存区間が地域の足として親しまれて走り続けると共に、異国(貝塚線沿線から韓国・釜山までは直線距離で200km程・西鉄以外のどの大手私鉄路線よりも近いです)に最も近い大手私鉄路線としても末永く健闘する事を願いたいものです。