■ウェーデンのカロリンスカ研究所は2013年10月7日、2013年のノーベル医学生理学賞を、ジェームズ・ロスマン米エール大教授(62)ら三人に授与すると発表した。
■授賞理由は、細胞の内部で小器官の「小胞」が、物質を運ぶ仕組みの解明。
この仕組みが働かないと糖尿病や免疫疾患などの病気につながる。
生存に重要な役割を果たすメカニズムの解明が高く評価された。
他の二人はランディ・シェクマン米カリフォルニア大バークリー校教授(64)と、ドイツ生まれのトーマス・スードフ米スタンフォード大教授(57)。
■小胞による輸送は、人間を含む多くの生物が持つ細胞内輸送の主要な仕組み。
膜に包まれた泡状の小胞で、インスリンなどのホルモンやタンパク質を包み込み、適切な場所へと運ぶ。
細胞の外から物質を取り込んだり、外へ放出したりする際にも利用される。
■シェクマン教授は、1970年代に酵母で輸送に関わる遺伝子を特定。
ロスマン教授は80~90年代、小胞が目的とする場所と融合する際に働くタンパク質を発見した。
スードフ教授は90年代に脳の神経細胞で、小胞が正しいタイミングで近くの細胞に向け神経伝達物質を放出する仕組みを明らかにした。
基礎研究分野に光 大隅良典・東京工業大特任教授の話
受賞すべき三人であり、久しぶりにベーシックな研究分野が認められたことはうれしい。
体内で物質を運ぶ仕組みは大事な機能で、うまく働かないといろんな病気に関係することが分かってきている。
生命現象として物はしかるべきところに運ばれ、そこでしか機能しない。
物がどうやって運ばれ機能する場所を見つけるのかは生物学の大問題だった。
今回の基礎研究はそこに道を開いた大きな一歩だ。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2013100802000117.html
東京新聞・朝刊 2013.10.8
■授賞理由は、細胞の内部で小器官の「小胞」が、物質を運ぶ仕組みの解明。
この仕組みが働かないと糖尿病や免疫疾患などの病気につながる。
生存に重要な役割を果たすメカニズムの解明が高く評価された。
他の二人はランディ・シェクマン米カリフォルニア大バークリー校教授(64)と、ドイツ生まれのトーマス・スードフ米スタンフォード大教授(57)。
■小胞による輸送は、人間を含む多くの生物が持つ細胞内輸送の主要な仕組み。
膜に包まれた泡状の小胞で、インスリンなどのホルモンやタンパク質を包み込み、適切な場所へと運ぶ。
細胞の外から物質を取り込んだり、外へ放出したりする際にも利用される。
■シェクマン教授は、1970年代に酵母で輸送に関わる遺伝子を特定。
ロスマン教授は80~90年代、小胞が目的とする場所と融合する際に働くタンパク質を発見した。
スードフ教授は90年代に脳の神経細胞で、小胞が正しいタイミングで近くの細胞に向け神経伝達物質を放出する仕組みを明らかにした。
基礎研究分野に光 大隅良典・東京工業大特任教授の話
受賞すべき三人であり、久しぶりにベーシックな研究分野が認められたことはうれしい。
体内で物質を運ぶ仕組みは大事な機能で、うまく働かないといろんな病気に関係することが分かってきている。
生命現象として物はしかるべきところに運ばれ、そこでしか機能しない。
物がどうやって運ばれ機能する場所を見つけるのかは生物学の大問題だった。
今回の基礎研究はそこに道を開いた大きな一歩だ。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2013100802000117.html
東京新聞・朝刊 2013.10.8