ビールを飲みながら考えてみた…

日常の中でふっと感じたことを、テーマもなく、つれづれなるままに断片を切り取っていく作業です。

Yahoo!×MS×Googleの三つ巴!デスクトップ検索で何を狙うのか

2004年12月16日 | 検索・ポータル
デスクトップ検索をめぐる争いが激しさを増している。まだほとんど市場が立ち上がっていないにも関わらず、Google、Yahoo、マイクロソフトといった検索界の中心勢力が次々に参画。とりあえず形でも参戦しなければ、と考えているソフトウェアベンダーも多いのではないだろうか。

デスクトップ検索競争本格化--MSもまもなくテストバージョン発表へ


最近、ほとんどネットニュースを追えていないので、ここにきて何故これほど注目されているのか、細かい状況や何が狙いなのかを理解できていないのだけれど、デスクトップ検索への夢想は決して新しいものではないだろう。「ザナドゥ」計画の原点というのは、ネットワーク上にあらゆる情報や知識を配置し、誰もがネットワークを通じて利用できるようにするというものに他ならず、知識や情報の所在がローカルファイル上に存在するのか、ネットワークを通じた他人のサーバ上にあるのかを問うものではないし、MSにしてもローカルファイルを閲覧するための「エクスプローラー」とインターネットブラウザ「IE」を統合したのは、何も開発効率のためだけてはなく、情報へアクセスするためのインターフェースは統合されるべきだという信念に基づくものだろう。

確かに現状のOSのファイル検索は反応も遅く、融通も利かないしろものだ。PCのハイスペック化、大容量化、ネットワークのブロードバンド化、検索技術の発達というものを考えてみれば、「デスクトップ検索」もっといえば、ローカルファイル/イントラネット/インターネットの区分に関係なく、ユーザーが必要な時に必要な情報に容易にアクセスできる環境への夢想を現実化できる期待を煽ってくれる。しかしだ、この拝金主義が大手を振るう世の中で、金鉱もないのに掘り起こす人が入るはずもない。果たして各社がどのようなビジネスモデル描いているのだろうか。

「デスクトップ検索」という単体を考えるならば、一番単純なモデルはソフトウェアもしくはライセンスの販売ということになるだろう。しかしこれはよほど画期的な技術開発がなされ、かつMSなどの別な思惑が働く企業に対して販売するというのならわかるが、一般のコンシューマーに対しての販売には期待できない。人が本当に見つからなくて困る情報(ファイル)というものは意外と少ないものだ。

ではWEB検索などの囲い込みとしては同だろう。とりあえずこのツールがあれば、必要な単語を入れればローカルファイルやLAN上のファイルだろうが情報の所在を示してくれる。またちょっと切り替えれば(もしくは同時に)、インターネット上も検索してくれる。当然、その精度や反応速度などの問題はあるとしても、1つのインターフェースで情報へのアクセスが可能となるのであれば、ユーザーから指示されるであろう。結果、当然、インターネット検索のクエリー数は増え、広告ビジネスを展開する検索サイトにとってはそこでの収入増が期待できる。

もっと野心的に考えることだって可能だ。日本企業の苦手な領域かも知れないが、現状のPCの利用形態そのものを転換させるためのトリガーとして、戦略的に「デスクトップ検索」を位置づけるのだ。

現在、事実上デスクトップ環境を支配しているのはMSだ。Wordなどのオフィスソフトはともかく、OSとメーラー、IE、IMなどのコミュニケーションツールを提供し、事実上、PCでの作業時間の多くをMSによって握られ、MSは常にユーザーとの対話できる環境を持っているといえる。しかしOSを除くこれらのツールのうち、MSが提供しなければいけない理由はあるだろうか。ましてPCのハイスペック化、ブロードバンド化、ユビキタス化が進んでいく中で、特定の端末でしか見えなくなるにも関わらず、メーラーにメールを落とし閲覧する必要がある人間などどれだけいるだろうか。あるいは極端な話、社内の内線電話さえも不要にできるIMをMSに握らせていく必要はあるのだろうか。各ポータルがネット上で、しかも携帯電話からも利用できるフリーメールを提供していることを考えると、PCのデスクトップ環境をバーチャルな世界中心に切り替えるチャンスでもある。

こう考えた時に、ローカルとネットとの境界を限りなく曖昧にするためのツールとして「デスクトップ検索」というのは大きな可能性をもつ。この「デスクトップ検索」を含むツールに様々なコミュニケーションツールを組み合わせて提供する。メールもIMもファイル管理も情報収集も…トータルでデスクトップ環境を提供するための可能性を生み出してくれる。いったんデェフェクとスタンダードになってしまえば、収益源はどこにでも転がっている。

検索サイト・ポータルサイトなどユーザーのフロントに立つ立場であれば、どのように収益を上げていくか野心的な戦略や仕掛け作りを踏まえた上で開発やM&Aを行っていく必要があるだろうし、機能の開発に特化するのではあれば、徹底した利便性やユーザーの満足殿高い機能の開発を行い、フロント側にたつ企業に提供しなければならない。日本の場合、「漢字/カナ/かな」「助詞・助動詞」「曖昧性」など日本語特有の問題があり、必ずしもアメリカ企業の製品が最高のサービスを提供できるわけではないだろう。何とか日本企業からこうした技術を生み出して欲しいと思う。



2 コメント

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ほんとに (JOHNY)
2004-12-16 20:34:59
ほしい情報とはいったいどれくらいあるのか。ポータルサイトは何を目指すのか。

勉強になりました。

また来たいと思います
Fortune (Estevan Groff)
2007-06-22 05:14:10
TV host Oprah Winfrey gives audience members $1,000 (26) each to donate to a charitable cause.

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