ビールを飲みながら考えてみた…

日常の中でふっと感じたことを、テーマもなく、つれづれなるままに断片を切り取っていく作業です。

「マニフェスト」選挙の時代は来るのか?!

2005年08月21日 | 地方政治・経済
ニュースキャスターを見ていると、あぁ、壊すだけ壊して何も改革できていない「小泉」と、買収と猿真似だけで新しい価値を何も生み出していない「ほりえもん」って何か似てるよなぁ。目立つことが好きで、とりあえず唐突に「話題性」を作り、「大義」を唱えはするけれど「具体策」は何もない。「結局、民主党も郵政民営化に賛成なんでよ」(堀江氏)という発言はまさに、今まで国会で何を議論していたのかなど知りません、ということを認めたような発言。多くの場合、政治が行き詰まりをみせているのは、問題の「軸」が錯綜している点にある。彼はそのことに気付いていない。

例えば「道路公団」の問題にしろ、「郵政民営化」の問題にしろ、「民営化」が是か非かという軸とともに、(民営化には賛成だけれど)法案が是か非か、この法案でいいのか、もっといい法案があるのか、という軸が錯綜しているのだ。

「マニフェスト」の時代といわれながら、「世界平和を目指します」というレベルのものから「世界平和のために国連の決議の下、自衛隊を積極的に海外のPKOに参加」させるというものでは、賛成/反対を選ぶにしてもレベルが違いすぎる。

しかもここに「怨念」が絡む。

その結果何が起こったか。とにかく「マニフェスト」時代にもかかわらず、例えば富山3区の状況などはただの「政争」となっている点で象徴的だ。富山3区といえば、「国民新党」という「地元民」はともかく「国民」からもっとも支持されない政党の党首・綿貫民輔元衆議院議長の地盤。この地での綿貫人気は絶大で、これまでの選挙の際には日本で最も早く「当確」が出るといわれていたほど。そんなこともあってか、小泉さんから送り込まれた「刺客」も意外と地味な萩山教厳氏。まぁ、この人は比例区からの鞍替えです。この自民党対決だけならどこにでもあるのだろうが、ここに参戦する民主党の候補が元自民党県議の「向井英二」氏。え?民主党が元自民党県議を・・・?!

この向井英二氏だが、実は5月24日の富山県高岡市の市長選に出馬したところ、同じく自民党富山県支部の実力者 橘康太郎氏の怒りをかい、その息子・橘慶一郎を擁立、保守分裂の熾烈な選挙戦の結果、落選したという過去がある。高岡市を二分しただけの「地盤」を既にもっており、かつ「対自民党」に対しては強烈な意識がある。

つまりこの富山3区というのは、小泉氏のやり方に「怨念」を持つ綿貫国民新党代表(元・自民党)と、これまで綿貫氏に圧されて「比例区」という冷や飯を食わされていた自民党公認の萩山氏(現・自民党)と、市長選で敗れた「怨念」を抱えた民主党後任の向井氏(元・自民党)が戦うのだ。この半年前まで自民党員だった3人が戦うのだ。ここには「怨念」はあっても基本的な政策の違いやスタンス、マニフェストがないのだ。

まぁ、ここまで極端な選挙区は例外かもしれないが、「マニフェスト」ではなく「怨念」がベースになっている部分はまだまだ残っているのだろう。

個人的には、このITが発達した時代に、国民の意見を集約するための「装置」としての「議会制民主主義」のあり方ってどうなの?と思う。確かに1億人がいっせいに議論するというのは現実的ではないかもしれないが、「投票」行動であれば、携帯やPCを絡めればシステム的には難しくない。

例えば「郵政民営化」に賛成か反対かは国民の投票によって決めさせ、仮に「民営化」が多ければ、そのやり方・方法論についてはそれぞれの議員や有識者に検討させればいいのではないか。そうすれば各党の「マニフェスト」の対立軸のレベルもあうし、我々も小泉的手法による「劇場型」のやり方で物事を選択することも減るのではないか。

正直、「ほりえもん」を積極的に支持する広島6区の市民と、かって「横山ノック」を大阪府知事に推した層の心性は似ていると思う。まだこの人を押すのはこの人なら「公共事業」を地元に誘致してくれて我々が仕事にありつけるから、と言ってもらった方がその人を選択する理由がわかるのだが、彼らは結局ただの「無責任」な「衆愚政治」の担い手にしか過ぎないのだろう。

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2 コメント

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Unknown (富山3区の住民)
2005-08-23 23:11:49
たしかに対立軸が錯綜していますね。マスコミも煽るような報道しかしていない気もします。

携帯やPCなど簡単に投票できる装置ってのも劇場型だとか衆愚政治を促進させるだけじゃないですか?
Unknown (beer)
2005-08-24 01:42:43
そうですね。

結局は有権者の意識と言うのが成熟しない限り、どんなやり方をやっても「衆愚政治」は変わらないのでしょうね。

ただ個人的には、IT技術の発達はかっては物理的に不可能だった「直接民主主義」を実現できること、とはいえこれだけ専門化・複雑化した社会を「官僚」や族議員を含む「専門家」を覗いては判断がくだせないことを踏まえ、今までとは違うやり方というのもあるのではないか、と思います。大まかな方向性は国民の直接選挙で行い(例えば「郵政民営化」の可否)、その具体的な方法については、官僚や政治家が詰めていくみたいな。

まぁ、やり方はいろいろあるでしょうが、今のやり方が最適ではなくなったことは確かでしょうね。

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