ビールを飲みながら考えてみた…

日常の中でふっと感じたことを、テーマもなく、つれづれなるままに断片を切り取っていく作業です。

ドコモのクレカ「iD」が国際ブランドである理由

2005年11月14日 | 貨幣、ポイント
先日、ドコモがFelicaをベースとしたケータイクレジットブランド「iD」を発表した。基本的にはドコモがポストペイド型の決済サービスへの参入は大賛成なのだけれど、この発表の記事を見たとき、幾つか引っかかる点があったのでそのあたりについて。

 おサイフケータイでクレジット--ドコモが決済サービス「iD」提供開始

まず今回のサービス「iD」の特徴としては、1)小額決済についてはサインレス(パスワードレス)で決済が可能であること、2)セキュリティ面でのネットワークを通じたコントロールが可能であること、3)VISAなどと同様の国際クレジットサービスであることが挙げられる。

クレジットカードである以上、当然、ポストペイド型のサービスであり、その上で小額決済についてはサインレスというのは非常に魅力的だろう。はっきりいえば、このサービスで1番痛いのは利用前に事前にチャージが必要となる電子マネーの「Edy」ではないか。「suica」の方はJRの電車利用を前提にチャージを行う人が多いからまだ何とかなるが、こうなるとあえて「Edy」を選ぶ人は、クレジットカードの利用ができない層といったところか。しかもクレジットカードの方がポイント制を徹底している以上、「Edy」を積極的に利用する意味が薄れてしまった。

セキュリティ面については、流石はネットワーク型サービスといったところ。銀行のATMのところにさえ偽カメラがつけられていても気付かないようなお国柄なので、これからは他者に不正に利用されることを防ぐだけではなく、利用された場合にも素早く対応できることが求められるだろう。いつどこでどれだけ利用されたかのlogが残るこのようなネットワーク型のサービスは、もちろんプライバシーの問題はあるにしても、今後ますます価値があるのだろう。

で、今回の発表で1番気になったのが、VISAなどと同様の国際ブランドの位置付けだという点。通常、国際カードというと、日本国内だけではなく、世界中で利用できる国際ブランドのことを指す。いくらドコモが儲けているといっても、所詮、日本国内の会社だ。少なくとも世界中のあちこちで使えるようになるというのは、まぁ、絶対ないとはいわないけれど、かなり遠い先のことだろう。では何故、国際ブランドなのか。

これ、実は「国際ブランド」といっても基本的には国内での提供が前提であり、「国際ブランド」の果たしている役割、つまりクレジットカードのプラットフォームの提供を意味しているのではないだろうか。「三井住友iDカード」が第1号といっているとおり、クレジットカードのサービスを提供主体というのはあくまで「三井住友カード」であるが、そのプラットフォームを提供しているという意味で「国際ブランド」と名乗っているのだろう。

今回の「iD」というサービスの場合、加盟店に設置される端末というのは、通常のクレジットカード加盟点が使う「CAFIS」ネットワークを使った端末とは異なりFelica対応の端末になると考えられる。「CAFIS(Credit And Finance Information Switching system)」というのは、NTTデータが提供するオンラインクレジット情報サービスで、クレジット会社と加盟店とを通信回線で結び、利用限度額やカードの有効性のチェックなどを行なうサービスのこと。国内の殆どのクレジットカードの加盟店がこのサービスを利用している。

通常、加盟店に設置する端末はクレジットカードのサービス提供主体が負担することになるが、既に多くの店舗ではCAFIS用の端末が提供されており、当面はFelicaベースの端末との両方を設置する必要がある。となると、実際にはFelicaベースの端末については、ドコモ側で負担せざろうえないのだろう。「iD」ブランドが国際ブランドであるというのは、実際は海外でも使えるという意味ではなく、各クレジットサービスの提供事業者と店舗側にプラットフォームを提供するという意味合いなのだろう。

しかしこう考えると、今回のドコモのクレジット事業にあたっての目的の1つが、単なるクレジットカードの手数料収入や顧客の囲い込みというだけではなく、CAFISに取って代わる新しいネットワークの提供にあったのではないか。そう考えるとこれはかなり戦略的な意図をもってのことになる。確かに1件1件のトランザクションにかかるパケット量などはしれているであろうが、CAFISの代替としてのネットワーク収入(トラヒック収入)がえられるのだとすれば、これは大きい。

このあたりについては、ニュース記事を見てももう1つ明確にかかれていない。しかしとすれば、このクレジット事業を始めるにあたって、ドコモが他キャリアの端末に対してもオープンなスタンスをとったというのも理解できる。例え、顧客が他キャリアの端末であっても、クレジットの与信情報などのトラヒック収入はドコモに入るというわけだ。

このあたりについては、今後もいろいろ見ていきたいと思う。



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