たそがれオヤジのクタクタ山ある記

主に北関東の山を方向音痴で歩いています。山行計画の参考にされても責任は負いかねます。深慮せず軽く読み流してください。

目的は東吾妻町温川の氷壁見物だった。これだけでは何だなと加えた吾嬬山は今の自分にはきつく、余裕があればの薬師岳はあっけなく消えた。

2023年02月13日 | 近所じゃない群馬県の山
◎2023年2月8日(水)

 もう一週間前になろうか、新聞に東吾妻山の温川の氷壁が見頃とあった。去年、梨木の氷柱見物に行き、これもまた新聞記事を見て行ったのだが、規模はこじんまりしたものでがっかりした。「見頃」と記した記事の大方は、すぐに行っても終わりかけだったり、こんなものかと裏切られたりもする。今回は落胆の繰り返しにならないように、まして遠方だ。ついでの山行を用意した。東吾妻町の<吾嬬山>。初めての山だ。この山の読みは「あがつまやま」と思っていたが、行く数日前に「かづまやま」と知った。山名事典には「かずまやま」とある。これは間違いだろう。「吾」をどうやって「か」と読むのかは不詳だが、「嬬」は「つま」とも読む。嬬恋村がよい例だ。「妻」とは違って、「嬬」には本妻以外の女性も含めての意味合いがあるようだ。具体的には「そばめ」。差別用語になるかもしれないが、側室、めかけといったところになるか。同じような読みの吾妻山、四阿山、吾妻耶山はどうなのだ? 「妻」ではなく「嬬」としたのはそれなりのいわれはあるのだろう。疑問は増す。吾妻町にあるのに吾嬬山とはこれいかに。これ以上はやめておこう。
 一か月ほど山歩きはしていなかった。休みの日は電気工事、水道工事、車検、友人の葬儀…と用事が続き、ようやく空いた5日の午前中に慌ただしく地元の金山を周回し、あっけなくも一時間歩きで終わったが、息切れもせずに歩けてほっとし、今回の吾嬬山は自分には手頃な山かと思って決めた。同じ未踏の芦鞍山では物足りない感じがした。この時点では、体調次第では吾嬬山先の薬師岳も視野に入れていて、結果として、これは恥ずかしながら…で終わりになった。
 車で林道を登山口近くまで行きたかったが、どうも林道配置がよくわからない。『東吾妻山歩来』という、役場と観光協会発行のパンフレットによれば、林道姉山線と吾嬬山線がぶつかったところに駐車場があって<P5台>と記されてはいるが、肝心のカーナビ地図にはこれらの林道が記されていなかった。どうにもならないかと思っているところに、吾妻線の岩島駅に駐車して吾嬬山に登った方の記事を見かけた。岩島駅には無料の駐車場があるらしい。パンフレットを確認すると、駅から<P5台>までは30分少々のようだ。これにしよう。

(岩島駅。右はトイレ。帰ってからお世話になった)


(駅構内の標識)


(トレッキングマップ。役場で作ったものと同じだった)


 岩島駅は人気のない寂しい駅で、駅舎そのものは新しいが、小さな待合室とトイレがあるだけの無人駅だった。驚いたことに、「当駅ではSuicaはご利用いただけません」の看板があった。JRなのにスイカが使えないのか。券売機すらない。「切符入れ」の箱があるだけ。バスのように車内精算なのだろうか。そもそも、渋川駅での吾妻線乗り場がどうなっているのか知らない。岩島駅では停車しないだろうが、草津まで上野から直通の特急電車も通っている。別に電車を利用するわけではないから詮索するのはやめる。
 駐車場には車が一台だけ。定期利用と「臨時区画(日帰り等利用者用)」のスペースがそれぞれ5台くらいずつある。定期利用スペースには名前の書かれた板が2枚あるだけで、月極めいくらなのかの表示はない。駐車していた一台は臨時区画の方で、これなら、毎日の通勤、通学で臨時区画に入れても無料になる。土日とて満杯になるとは思えない。

(右に行けばいいのだが、標識に気づかずに左に行った)


(余計な歩きをした。右にチラリと見えるオッサンは犬散歩。フン拾いもせずに散歩を続けたが、そんなことにはあまり苦情も出ない土地柄なのだろう)


(石仏が続く。年代を見れば江戸期だ。この先は巡視路になってはいるが、北の中之条に続く古道があるのかもしれない、)


 ここから吾嬬山まで登るハイカーもいるようで、構内にはトレッキングマップの看板と<吾嬬山 山頂まで4.3km 約2時間>の標識があった。2時間なら、それ未満で行けるかもと思いながら10時ちょうどに出発。ご丁寧に、しばらくは標識が誘ってくれるということだったが、駅から離れると標識を一枚見かけただけで、その続きがない。道を早々に間違っていた。帰路で確認すると、線路を渡ったところに次の標識があり、これを見落としていた。それには右に行くように指示があるのに、確認もせず、先入観で左に行ったから、標識があるはずはない。おかしいなと思いながら、その先で大回りして右に向かうと標識があった。岩島駅は自分の歩いて来たのとは反対方向に記されていた。5分はロスとした。
 結局は林道歩き。この舗装林道が姉山線らしい。人家もまばらになる。古道なのか、石仏が林道沿いに点在し、晴れていて風もない中では、気分も和む。標識が見えた。三方に向けている。<岩島駅0.9km 約15分>。これは下りの距離・タイムであって、道間違いをしながらも、ここまでの上りは13分で来ている。分岐林道に向いた<吾嬬山 3.3km 約1時間40分>はまだしも、このまま姉山林道を行くと、登山口の吾嬬山林道との合流までは<車で7分>とある。姉山林道はくねくねのようだから、そんなものだろうと思いながら、<吾嬬山 3.3km>の方に向かう。この辺から舗装ながらも別林道は細くなる。人家らしきものはまだぽつりぽつりとある。だから舗装なのだろう。地図を見てもGPSでも、こんなところに道の表示はない。どこに出るのか知らないが、見晴らしの良い風景の中をぼんやり歩いて、もしかしたら、姉山林道にまた合流するのではないのかと思ったところで、標識はないものの、左に山道が見えたのでそこに入った。北に向かえば、いずれは林道に出て登山口に出るはずだ。

(ハイキングコースは、ここから別林道に入るようだ)


(林道歩き)


(標識はないが、踏み跡があったのでここから山道に入ってみる)


(電線かもしれないので慎重にまたいだ)


(林道に出た)


 杉の植林を抜けると自然林。針金を3本、横にずっと通しで通電されているらしい害獣除けフェンス?を超えると道は消え、その先は落葉たっぷりで踏み跡すら確認できない。歩きやすいところを北上した。ちょっときつくなったのでストックを2本出して登ると、やはり林道に出た。さっきの別林道か。あまり意味のない、きついショートカットをしただけのようだ。

(車でここまで来られれば、ここが登山口ということになる。左の黄色の杭でわかるが、東電巡視路になっていて、向かう方向には「13」とあった。反対方向は「14」になっている)


(気分よく歩ける巡視路)


(改めて13に向かっている)


(溝状の巡視路)


(これが13号鉄塔らしい)


 この先、どちらに行けばいいのか迷っていると、吾嬬山の標識があった。その下には<岩島駅 15m先右、小道へ>とある。確かに小道らしいのはある。帰りはそれを通るとしよう。さて、ここがパンフレットに書かれた<巡視路入口>かと思われる。標識の向かいには鉄塔番号らしき数字の記された黄色い杭が置かれている。ここからしばらくは巡視路歩きになる。
 明朗な巡視路ではあるが、巡視路はあちこちで分岐するものの山頂への標識はない。どうも、巡視路区間はテープを拾って歩くしかないようだ。間もなく左<13>と右<14>に分かれた。根拠もなく<13>方向を選ぶと、先にテープが見えた。巡視路は明瞭だが、かなり入り組んでいるようだ。はっきりした尾根や沢歩きでもないので、テープなしでは迷いそうだ。

(また林道)


(ここが登山口ということか)


(登山口の標識)


 13番鉄塔脇を通過すると、また林道に出た。10時50分。トレッキングマップ看板が立ち、ここに<P5台>とあり、<吾嬬山登山口>ともある。標識には岩島駅までは下りで<2.2km 約40分>とあるから、上りにかけた50分は妥当かもしれないが、当初予定の「30分少々」というのはかなり甘かった。数字のお遊びになってしまうが、<吾嬬山 2.2km 約1時間20分>ともあるから、駅にあった<約2時間>表記の標識に基づいたかなりのこだわりを感じる。それでいて、距離的にはここが中間点になるようだが、駅標識には<4.3km>とあった。いずれにせよ、この先は、時間的にここまでの2倍はかかるということで、そうなると、自分の歩きペースではあと1時間40分。つまりは12時半着ということになるか。2時間未満の期待は2時間半にオーバーしそうだ。薬師岳は無理だな。肝心の氷壁が見られなくなる。ところで、5台分の駐車地はどこにあるのか。ここからでは視界に入らない。

(巡視路を歩いて)


(姉山口)


(林道を少し歩いて正面コース登山口。この先に巡視路や林道はない)


(あやふやな踏み跡も明瞭になってくれた)


(ようやく尾根に取りついた)


 まだ巡視路歩きが続く。スギの植林帯に入った。そろそろ花粉症の季節で、スギ花粉に弱い方にはつらいだろう。植林は長くは続かずに明るい雑木に変わった。送電線鉄塔では<12>に向かって登っている。送電線は何とか群馬幹線というらしい。「何とか」は読めない。
 三度目の林道に出た。標識があった。先は林道を歩かせるらしい。ということは、ここはマップ上の<姉山口>というところか。帰路は林道を歩いてここに戻ることになるはずだ。暑くなり、汗をかきはじめている。ペラペラのウインドブレーカーを脱いだ。
 この林道は現役のようだ。未舗装だが、轍がある。すぐに右手に上がる標識。マップ上の<正面コース登山口>。巡視路は林道合流からいつの間にか離れたようだ。ここからがきつかった。
 踏み跡は薄く、どこをどう登ればよいのか迷ったが、いずれにしても左上の尾根に上がらないといけない。この辺から、テープとともにペンキが出てくる。広葉樹の雑木が続いているから、植林がらみの目印ではあるまい。やがて踏み跡が出てきて、しっかりした道になった。落葉に埋もれていただけのことだったのだろう。ゼイゼイしながら登って行くとようやく尾根に出た。

(吾嬬山?)


(949m標高点付近)


 左手先にピークが見える。あれが吾嬬山だろうか。まだ遠い。実はこの見えたピーク、吾嬬山ではなく、その手前のピークだったことを後で知る。岩が現れる。岩場が続くのかなと思ったらそこだけだった。立ち休みをしては登る。結構急だ。そのうちに右手からの尾根を合わせて949m標高点あたり。ほっとはしても、山頂まではまだ230mの標高差がある。すでに11時半を過ぎている。230mを30分で登れるわけがない。ここで薬師岳は見限ることにした。ネット記事の皆さんは、<P5台>からいとも容易く吾嬬山と薬師岳を歩かれているが、この腑抜けの体力では無理。<P5台>から登ったとしても果たして歩けるものやら疑わしい。

(緩そうだが意外に急だ)


(きつい)


(吾嬬山に到着かと思ったが)


(まだ先があった)


 地図を確認する。等高線の間隔からして、しばらくは緩そうだが、その先が狭くなっている。むしろ、ここまでが緩いくらいだ。そこをゼイゼイしていた。
 尾根幅は狭くなり、前方にピークが見えた。ようやく吾嬬山かと思ったが、どうも違う。右手に別ピークがある。あれが吾嬬山だったようだ。本日ラストの登りとばかりに思っていた。ここまで、見上げれば空が広がっていたので、二回ほどだまされている。このピーク、トラバースもできたが、せっかくだからと狭いピークに登った瞬間に町の方から正午を知らせるメロディが流れてきた。ここでようやくというか、残り雪が溜まったままいるのを見かけたが、歩道で雪に影響されることはなく、持参したチェーンスパイクを使うことは最後までなかった。

(ラストの登り)


(山頂が見える)


(山頂真下の標識)


 向かいのピーク。つまりは吾嬬山山頂だが、さしての登り作業でもなかった。途中、山頂直下の右手に向けてのトラバース道と標識があり、それを行けば薬師岳方面なのだろう。標識は欠けていて、<●●原 大竹>とある。薬師岳の文字はないが、下りはこれだろう。吾嬬山到着は12時10分。落胆予想の12時半までは至らずにほっとしたがくたびれた。ずっと歩行タイムのことばかりを記してきたが、先月の加入道山歩きでコースタイムをかなりオーバーして大室山には行けなかった。その日の体調はやはりコースタイムとの比較になってくるというか、一人歩きではどうしてもそうなる。致し方ない。自意識としては、10分オーバーは許容だろう。気持ちとしては2時間未満だったから、意気込みだけは体力から離れて一人歩きをしていることになる。あがいてもどうにもなるまい。若い頃は体力ともに一致していて、むしろ気力が追いつかなかった。ここのところ、山頂に至ってため息をつくことが多くなった。

(吾嬬山山頂)


(山頂の標識)


(東側)


(西側の展望はすっきり見えない)


(ここを行けば中之条側の登山口になるのだろうか)


 細長い山頂だった。三角点と標識があるだけ。展望は東側が開けていて、西側の上越方面は樹間の眺めになる。途中まで晴れていたのが、949m標高点あたりから曇りはじめ、今は陽が完全に隠れてどんよりし、冷たい風が汗をかいた身体を震えさせる。落葉の地べたに腰をおろして水を飲み、タバコを吸った。食欲はまったくない。無理に笑顔にしてセルフで写真を撮ったあとはぼんやりとしていた。寒いが、脱いだウインドブレーカーを着なおすのは面倒くさいし、どうせ途中で脱ぐことになる。今日は南側から登ったが、接する北の中之条町側から登れば、石祠をいくつか見られたようだ。南側からでは里の石仏しかなかった。あにねこさんの記事を拝見し、オレも同じような歩きをしたいなと思ったりした。その辺は残念だが、目的が氷壁だったから南側から登るしかなかった。いずれまた…と思っても、あり得るのやら。

(ここから下る。後でわかったが、●●原は「寺社原」のようで、中之条側の登山口はこの先で分岐するようだ)


(結構なトラバース)


(中之条側登山口への分岐はここだった)


(落葉が厚くて踏み跡が薄い。しかも急)


(防火線に見えなくもない)


(送電線鉄塔を通過)


(10号への分岐)


(東鉄塔コースかと思われる)


 12時30分、下りにかかる。さっきの分岐に戻って大竹方面にトラバースして尾根を下る。こちらも落葉で踏み跡は不鮮明だが、ペンキでどうにか下れる。すぐに、こちらからの登りは嫌だなと思った。長い急坂だ。感覚としてそんなものだろう。登って来た方に下れば、同じように、そちらの下りを上りに使えば嫌らしく感じるだろう。ただ、尾根伝いの下りであるから、道間違いの余計な心配をする必要はないのが幸いだ。
 どんどん下ると送電鉄塔に出た。何号鉄塔かは確認できないが、マップでは、この辺に<鉄塔下分岐>があって、<東鉄塔コース登山口>に出られるらしく記されている。ここから巡視路経由で林道に下るのも安直なのでさらに先に下ったが、鉄塔下に北向きに<→10>の巡視路標識を見たから、この鉄塔は11号かと思われる。

(巡視路歩きになった)


(写真でははっきりしないが、右下に林道が見えている)


(林道に出る)


(薬師岳方面。さして未練はなかった)


 尾根伝いの下りとはいっても、やはり巡視路とダブっていて、すぐに右に下る巡視路があり、東電の標識には<12 西群馬幹線>とある。なるほど。ここがマップでの<鉄塔下分岐>で、先で林道に出て<東鉄塔コース登山口>ということになるらしい。吾嬬山歩きの半分近くは、この西群馬幹線の巡視路歩きということになるようだ。<12>はパスしてそのまま下る。一応、薬師岳分岐は確認しておきたい。
 やはり、ここもまた巡視路の延長らしく、それ特有な硬質ゴムのステップがある。どんどん下ると林道に出た。ここに黄色の巡視路標識<11→>とともに、左右に向けて<吾嬬山 薬師岳>の標識があった。林道方向に向けた標識はない。ここがマップでの<林道峠>なのだろう。13時。ここで天気も回復しぽかぽか陽気に戻ったので、菓子パンを食べてタバコを吸った。氷壁見物がなければこのまま薬師岳を往復してもいいが、ここから薬師岳までは片道75分。さらに、パンフには薬師岳方面は「この先危険」ともある。たいした危険とは思えないが、コースタイムで歩いていたら、ここに戻るのは2時間半後になる。薄暗い氷壁を見物するわけにもいかない。すでにあきらめていたから、別に悔しい思いはなかった。

(林道歩き)


(カーブが多い)


(姉山口に戻った)


 林道歩きになる。この吾嬬山歩きで記事を探すと、山中でカモシカに出会うことが多いようだったが、期待しながらも、タイミングが悪かったのか、最後まで出会うことはなく、人を見たのも里を歩いている犬散歩の一人だけで、余計なことだが、フンを片付けることもせずに散歩していたが、それをとがめる人もいないところなのだろう。
 犬のフンの関係ではないが、腹に物を入れれば、どうしても胃腸が動く。出発時は昨日分を出し切っていない状況だった。自然の理で、残り分が下に押される。林道を歩きながら便意をもよおし、しばらくはガスの放出でカバーできたが、いきなり差し込んだ。こうなるともはやダメ。だれもいないのはわかっていながらも、ザックを前にガードしてしゃがんだ。一発だった。すっきりした。こんなことはよくあるが、コース歩きが主体になっている現状では、慢性化しなけりゃいいがと気になった。
 姉山口に到着。13時35分。何も考えずに歩いていたから随分と長く感じた。ここで地図を見て、忘れ物に気づいた。林道沿いに853.8m三角点があって、それを確認するつもりでいた。今さら戻るほどのこだわりはない。標識を見れば、下りで使ったコースで吾嬬山までは2.8kmあって、ここから岩島駅までは同距離で55分。戻ってからの氷壁見物タイムを考えれば忙しい。

(往路では気づかなかった)


(<P5台>で巡視路に入る)


(13番通過)


 登って来たところをそのまま下り、駅近くになって大回りにならないように注意すればよいだけのことだが、次の林道、つまりは<P5台>の吾嬬山登山口までは難なく下れ、その間に上りで気づかなかった樹皮を剥いで書き込んだ『萌える緑に映える吾妻』も目にした。上毛かるたの句かと思ったが、「も」は『紅葉に映える妙義山』だった。そんなことよりも、この林道から先で手間どった。

(林道に出て)


(巡視路歩き。飽きた)


(標識の指示どおりに15m先の小道を行くとしよう。これがつまずきのもと)


(最初はこうだったが)


(こんなところが続く。テープはいつの間にか消えた。どこかで間違ったようだ)


(14番に向かってみる)


(14番)


(もう適当に下っている)


(踏み跡も消えたのでフェンス沿いに下った)


(ようやく林道に出られた)


 ショートカット歩きはやめようと、標識に合わせて巡視路に入り、鉄塔の脇を通過。ややこしいが、林道を歩いて巡視路に入ると、また林道。ここに<岩島駅 15m先右、小道へ>の標識がある。その通りに歩いて行くと、倒木だらけの巡視路に入り込んだ。いつの間にかテープは消えた。どうもコースを見失ったようだ。巡視路をそのまま行くと、フェンスを越えて通るはずもない14番鉄塔に出てしまった。その先の巡視路は間もなく消えた。つまりは、15m先小道を行くとあやふやになり、そのまま林道を歩いて駅に向かえばよかったということになる。駅から歩くハイカーは珍しいわけで、<P5台>からのコースは明瞭なものの、下は適当に歩けということか。ここまで来たら戻るわけにもいかず、フェンスに沿ってヤブを下るとまた巡視路。15番鉄塔の標識が置かれている。このまま15番に向かえば駅から離れてしまう。どうしようかと迷って歩いているうちに下に舗装林道が見え、緩い斜面を下って林道に出た。やれやれだ。傍らの倒木に腰掛けてタバコを吸った。

(往路では右から来た。正解は左だった)


(踏切を渡って)


(お疲れさん)


 林道を下る。出だしの失敗もあったので、標識に注意しながら歩いた。岩島駅が見えてくる。特急らしい白い電車が長野原方面に向かって行った。踏切を渡って岩島駅。14時35分。4時間半の歩きか。もっと歩いていたような気がする。気分的に長かった。片付けをしていると高崎行きの電車がやって来た。降りる乗客はいなかった。それを確認してトイレに行った。個室はシャワートイレだったのでその気配もないのに個室に入った。当たり前に暖房便座とばかりに思っていたら、腰掛けた瞬間に飛び上がった。冷房になっていた。山での用足しと汗を清めようとシャワーを当てると、今度は冷水がほとばしった。コードを抜いているわけではない。しっかりとランプが3つ灯っていた。

(歩きルート。往復ともに乱れていて、自分でもどう歩いたのかわかりづらい。送電線鉄塔の番号を入れられればわかりやすいが、普通、送電線のカーブに鉄塔があるものだが、ここは直線になっているので、地図上に書き込みはできなかった)

この地図は電子地形図25000(国土地理院)を加工して使用しています(令和元年手続改正により申請適用外)

※山行写真をやたらと出したが、さして特徴づいた風景に出会うことはなかった。凡な写真ばかりになり、同じような写真を何枚か出してしまった。

【観音山不動滝】
 車に戻って観光地図を広げる。時間的に温川の氷壁は難しいかもしれない。近くに見どころはないかと探すと、観音山不動滝があった。去年の1月30日にも行っていて、氷瀑になっていた。また行くのもなぁと思ったが、どうせ帰り道だ。寄ってから帰ろう。
 平日だし、だれもいなかった。不動滝の氷瀑はしっかりと水流があって、脇に氷がへばりついた状態だった。氷瀑としては去年の方がまだ見ごたえがあった。まだ半端だ。

(その1)


(その2)


(その3)


【温川の氷壁】
 もう3時15分になっているが、やはり温川の氷壁を見に行こう。逆方向だし、時間もかかる。薄暗くなっているかもしれないが、それが目的で来たのだから、やはり行こう。
 車で30分かかった。幸いにも陽はまだ残っている。温川の氷壁は町として観光PRしてはいるが、見物できるところは私有地で、車は県道だか市道沿いにある専用の駐車場に置いて、あとは歩かないといけない。距離としてはたかが400mで、往路は下り一方で楽そうだが、吾嬬山歩きで足がくたびれていたためか歩くのがきつい。帰りはつらいだろうなと思いながら車道をとぼとぼ行くと、左に氷壁が見えた。車道から離れて河原に下る。観光客はだれもいない。梨木の氷柱どころではなかった。壁は100m以上はあるか。薄暗くなりかけてはいたが楽しめた。今日は気温が高い。10日は雪が降るようだ。雪をかぶった氷壁もすごいだろうが、終日、日陰になっているせいか、崩れかけもない。満足して、風が出てきて寒くなった車道を戻った。やはりきつかった。

(看板が立っていた)


(見えた)


(その1)


(その2)


(その3)


(その4)


(その5)


(その6)


(その7)


(その8)


(もう4時を過ぎていた)


 車のナビはバカとしかいえない。自宅にセットしてそのままに帰路に就くと、なぜか倉渕を経由して高崎に入り、その後は旧354号線になっていた。高速を使わぬなら、渋川経由の上武国道が早いに決まっている。犬の散歩もあったので、早く帰りたかったのだが、これでは2時間で済むのが3時間近くかかりそうだ。雨上がりだったのか、高崎に入ると路面が雨で濡れていた。幸いにも東吾妻で雨にあたることはなく、山歩きも含め、今の自分の下り坂の状況では、後で思えば、満足な一日だったともいえようか。それにしても、氷瀑、氷壁も含め、だれにも会うことはなかった。こんなことも珍しい。

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