ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

スマートフォン

2004年11月04日 | ITS
今日から来週いっぱいシンガポール、バンコック出張。出先からどれだけアップ出来るかわからないが、一応モバイルハイテク装備は完備したので、毎日アップを目標にやってみます。

さて、ノートPC、PHS、GMS携帯、PDA、デジカメ等々と詰め込んだ鞄はやはり重い。それぞれの充電器やら接続ケーブルなんて物も含めると相当にかさばる。

携帯がもっともっと機能アップしたら良いのにと感じる。

スマートフォンという商品がある。明確な定義はないが、携帯電話とPDAが合体したと思えばわかりやすい。

PDAの凋落で窮地に陥っていた米パームワンも、買収したハンドスプリングスのスマートフォン「Treo」が好調で、持ち直してきているらしい。

スマートフォンの売上は欧米ではかなり好調に伸びているようだ。
一方日本では、すでにi-modeがウェブ機能を持っているという事もあるが、PDAと合体したようなスマートフォンは存在しない。我が国の携帯電話流通事情から、こうした高機能電話機は登場しえないのだ、という話を随分前に聞いた事があるが、その理由は忘れてしまった。たしか付加する機能が多くOSライセンス料等もかかり、インセンティブを差し引いても実売価格が高くなるため、1円携帯と売り場で勝負にならない、というような事だったと思う。

まあそういった裏事情がなくても、我が国ではスマートフォンは売れないとされている。その理由として
・すでに携帯自体高機能である。
・スマートフォンは電話として使いづらいし、パソコンとしても不十分で中途半端である。
といわれている。まあ、携帯の高機能化が進めば携帯とスマートフォンの区別自体無意味になるかもしれないが。

しかし、電話機、メール受送信(含む添付ファイル閲覧)、パソコンと連動したスケジュール管理、文書入力、大きな画面でのウェブ閲覧、カメラ、オーディオプレーヤー、辞書、ゲームなどが一体になった携帯があれば、少なくともビジネスユーザーは絶対に便利だ。

多分、スマートフォンが日本では売れないというのは思いこみではないのだろうか?
最近では電話を電話機として使うケースは実は少なくなっており、通話時に多少持ちづらくても我慢できるとおもうのだが。もしくは、BTを搭載して通話はヘッドセットで行うという手だってある。

そして、もし仮にスマートフォンが普及したら、そのときに果たして車載機器が通信機能をもつ意味があるのか、大いに疑問だ。単純に、車外で使えない自動車電話のような事になってしまう可能性が高い。

プローブと個人情報

2004年11月03日 | ITS
先日、ITSと個人情報管理に関する危うさについて書いたばかりだが、1日付けの日刊自動車にそれに関連する記事が出ていた。
経済産業省はプローブカーに関する個人情報保護に関するガイドラインを年度内に作成するそうだ。
プローブカーとは、車をネットワークで繋ぎ、センサーに見立てて渋滞や天候情報を収集するというもので、ITSの目玉施策の一つだ。最低、位置情報をサーバーに送信する必要があり、欧州のICタグの例を見てもこうしたガイドラインの制定は不可欠であろう。

しかし、プローブは実現するのか?日刊自動車の記事自体にも矛盾がにじみ出ている。
まず、プローブによる交通情報の収集は、インフラ整備が出来ていない発展途上国にサービス輸出が期待できると書かれているが、裏を返せばすでにVICSがある程度カバーしている我が国に本当に必要なのか、という疑問につながる。
確かにVICSは完璧なシステムではないが、80点は取れている。プローブでさらに精度があがる事は間違いないが、残り20点を取るためにすべての車を通信で結ぶ必要があるのだろうか。

一方、国内では物販や故障診断など幅広い用途が見込めるというが、これも大いに疑問だ。そもそも個人情報保護と物販は対局に位置している。物販に利用されないために情報を保護するんじゃないのか?
すでにホンダがインターナビでプローブを実用化しているが、個人情報は収集していない。

それ以前に私が理解できないのは、車を運転している最中に物を買う必要があるのかという事である。ITSの経済効果で必ず語られるビジネスチャンスであるが、一生活者としてその必要性を全く感じない。

携帯使用の罰則強化スタート

2004年11月02日 | ITS
いよいよ昨日から道交法が改正され、運転中の携帯電話使用(手に持ったらアウト)は5万円の罰金となった。
昨日から早速路上取り締まりが行われたようだ。
その割に、世の中は案外騒いでいない。うちの家内に知っているかどうか聞いたら知っていた。もっとも彼女は運転中は電話が鳴っても出ない人だから関係ない。

カー用品店でも、ヘッドセットやハンズフリーは売れている事は売れているが大騒ぎという程の事もないようだ。特に、若い人がほとんど無反応らしい。彼らはメール中心になっているため、あまり関心がないという説もある。
売れ筋は前に書いたとおり、やはり3000円以下の簡易型マイク付きイヤフォン。

さて、この道交法改正は一部ではテレマティクスの追い風と見られていた。ハンズフリーの装着率が上がり、さらにブルートゥースによるワイヤレスな車載機器との連動が進めば、車載機器の通信対応にとっての基礎になる。

しかし、現実はそうは進んでいない。まず、車内に相手の通話が流れるハンズフリーは全く人気がない。まあ、当然である。イヤフォンもしくはヘッドセット方式の場合、ブルートゥースのアドバンテージは接続の手間とコードからの解放であるが、いまのところ価格がネックで爆発的に普及するという感じではない。

実際の消費者の考えはどうなんだろうか。
一般道を走っている限り、着信しても出ないで信号待ちなどで着歴を確認し、必要があれば路肩にとまり電話をするといった感じになるのではないか。

日産の新しい車載通信

2004年11月01日 | ITS
今日はきわめて専門的な話です。あしからず。
日産は名古屋の世界ITS会議で新しいマルチマルチメディア対応の車内Busを公開した。

特に名前はなく「日産マルチメディアプラットホーム」と呼ばれていたが、内容的には400Mbpsの1394高速光ネットワーク通信。いわゆるfirewire IEEE1394に準拠し、光ファイバーを用いたネットワークである。

通常、車用のBusはCANが主流で、またマルチメディア用のBUSとしては、ドイツのMOSTがあるが、これでも25Mbps。
デジタルの映像データをやりとりしようとしたら少なくともMOSTだ。しかし、今のところ車内での映像データといえば後席モニターにDVDの画像をながすといった程度で、車の通信とは関係なくDVDの画像プレーヤーとモニター間の単純なローカル接続である。
しかし、今後複数の車載カメラの映像から車両をコントロールしたり車内に複数のモニターを装備し、車載機器からコントロールするようになると、高速Busが必要になる。

液晶の低コスト化を考えれば、後席用モニターが本格的に車に入り込むのはおそらく時間の問題だろう。マルチメディア用高速Busなんていらないのかな、と思っていたのだが、どうもそうでもなさそうだ。
また、後席にモニターが装備されるようになれば、車内インターネットというものが現実味を帯びてくる。