ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

『がんの3分の1は、CTスキャンが原因』35歳から54歳までの男女で調査 の嘘

2015年10月09日 | インチキ・疑似科学
CTスキャン と 癌リスク で検索すると
「『がんの3分の1は、CTスキャンが原因』35歳から54歳までの男女で調査」
というタイトルのブログが最初にヒットする。これは結構拡散しているようで、私のFBにもシェアで回ってきた。

これはどう考えてもトンデモだろう。CTスキャンを禁止するだけで癌は2/3に減少することになる。
ということでちょっと調べてみたら以下の通り。

このサイトが引用している元サイトの、さらに元となっている英文サイト
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20008689?dopt=Abstract

要約すると
・米国では年間約70百万人がCTスキャンを受けている。
 approximately 70 million scans annually.

・国家研究機関による「放射線の生体に対する影響」レポートをベースに試算すると、
 2007年に米国で行われたCTスキャンに起因して発生する可能性がある癌は約29000件。(CTスキャンに対して0.04%)

・その予想させる癌の3分の1は35歳から54歳で受けたCTスキャンに起因する一方、15%が18歳未満でスキャンを受けたケース。また66%は女性。
One-third of the projected cancers were due to scans performed at the ages of 35 to 54 years compared with 15% due to scans performed at ages younger than 18 years, and 66% were in females.

実は、このサイトが引用しているがん情報サイト「Cancer information japan」には以下のように正しい訳文が記載されている。
「(CTスキャン由来と)推定されたがんの3分の1は、35~54歳の人に対して実施されるCTスキャンを原因としていた」

それを誤解か曲解し「『がんの3分の1は、CTスキャンが原因』35歳から54歳までの男女で調査」というタイトルで掲載しているわけだが、これが結果としてデマの拡散になっている。これを信じてCTスキャンを拒否し、病気の発見を遅らせ、手遅れになる人が出てくるかもしれない。

常識で考えておかしいことは大抵間違っている。安易な拡散はやめましょう。


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