ITSを疑う

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カローラが韓国で惨敗

2011年05月05日 | 雑記
ソウルモーターショーでトヨタが発表したカローラが、年間販売目標1800台に対して発売後1ヶ月で15台しか売れなかったという。
これについて韓国のメディアでは「世界のトヨタの看板モデルでさえも、韓国車に勝てなかった」というありがちな記事が掲載されている。

しかし、これは明らかにマーケティングの失敗だろう。
昔、円高を利用してクライスラーが小型車「ネオン」を日本に導入して大失敗したのと似ている。
当時クライスラーは「道が狭い日本市場では小型車が一番売れている」としてネオンを投入した。

韓国車は基本的に日本車を手本に作られており、今ではその品質も一定レベルに達している。
国産で概ね同じような車が存在し、ブランドイメージもトヨタブランドの中では高くなく、それでも韓国国産で相当の競合車であるソナタなどと比べると1000万ウォンも高い。

カローラというブランドは、輸入車としての価値感はかなり低い。
日本に輸入されている車で例えれば、全く売れてないオペルや欧州フォードの小型車と同じ。
国産車(韓国では韓国車)との差別感やブランド保有の満足度は高くない。それに余計な1000万ウォンを払う人はいないだろう。

韓国市場にコモディティ化した大衆車で勝負しても、絶対に勝てない。それは彼らの得意商品であり、激戦区なのだ。
韓国車にないセグメントか、もしくはレクサスなどの差別化された高級ブランドしか売れないと思う。

----以下 アジア経済の記事の和訳引用-----

トヨタが看板モデル「カローラ」を国内で発売したが体面を台無しにした。発売初月は「15台」というみすぼらしい成績を残したため超非常事態を取った。

 4日、韓国輸入自動車協会と輸入車業界によれば、今年4月韓国トヨタ自動車が発売したカローラの新車登録台数は計15台と集計された。
「2011ソウルモーターショー」で初公開した後に販売を始めたカローラは、全世界累積販売台数3700万台を記録し単一車種基準で「自動車産業史上、最も売れた車」として知られている。
今回国内にリリースしたカローラは10世代モデルで、過去1966年に第1世代が初めて開発されて以降、トヨタの代表的な世界ベストセラーモデルとして君臨してきた車だ。

 だが、国内消費者の反応は冷たかった。業界では韓国トヨタのカローラ国内発売が惨敗した件について、消費者のニーズを適切に反映していない不必要な仕様とこれによる高価格などを背景に挙げた。
カローラの国内販売価格は2590万~2990万ウォン(約194万円~約224万円)で、同クラスの現代車アバンテと比較すると1000万ウォン(約75万円)程度高い。

 競争車の輸入関係者は「1800ccクラス車両のカローラが国内で反響を起こすと期待する見方が多かったが意外な結果が出た」と伝えた。