3日付けの日経新聞に「交通事故死7.6%減」「51年ぶり6000人台前半」という記事が掲載されている。
その理由について警察庁は「シートベルト着用率が向上しているほか、飲酒運転取締りの効果もあったのではないか」としている。
ちょっとまって欲しい。これは「~ではないか」などというあいまいなコメントで済ませて良い問題ではないだろう。
51年前といったら、「3丁目の夕日」の世界だ。ミゼットがまばらに走っていた頃と同じ事故死者ということは、大変なことなのだ。その理由をきっちり分析し、それをもとにさらに改善していくことが必要じゃないのか?
統計をみると、事故死者は1990年から減少に転じているが、ここ5年の減少率はさらに大きい。
一方、シートベルト着用規制が強化されてから随分たつ。それ以降の装着率(高速道路90%以上、一般道80%以上、後席10%程度)は毎年若干上昇を続けているが概ね高止まり状態であり、特に直近5年間に関して言えば毎年対前年を下回って減少する理由としては弱い。
飲酒運転規制強化は最近のことだ。
事故死減少はそれ以前からのトレンドであり、これも説明になっていない。
私が考える交通事故死減少の理由は以下の通りだ。
1)車の安全性能が上がっている
図表を見ればわかるとおり、事故件数は1980年以降、増えている。事故が増えているにもかかわらず死者が減るということは「事故があっても死に至らない」ということに他ならない。これは、車の安全性能が上がったか、個々の事故の大きさが小さくなったかのどちらかだろう。
事故の大きさに傾向的変化がおきる理由も見当たらないので、これは車の安全性能が上がったと見るべきだろう。(ABS装備が進めば衝突時の速度が減少する、ということもある)
大雑把に言えば、1995年以降の車には運転席・助手席エアバッグとABSが標準装備されている。また、衝突安全性能は年々向上している。
保有台数がだんだんとこれらの安全性能が高い車に入れ替わっているのだ。
「年々」事故死者が減少する理由はこれ以外に説明がつかない。
2)若者の車離れ
もうひとつ大きな理由は、若者の車離れだ。
実際に統計結果をみると、若者の事故死はこの10年でなんと1/3に減少しているのだ。
車に対する興味がなければ運転もしないし、レースまがいの運転もしない。
この傾向が全国的に拡大している。これが「走る棺おけ型」死亡事故を劇的に減少させている。
初日の出暴走はやはりまったく行われなかったようだ。
これは分散化したわけでも、取締りを怖れたからでもない。(警察は取り締まりの成果だと発表するだろうけど)
単にもう「そんなの時代遅れ」なのだ。
(若者の車離れについては、私の過去のエントリーを参照ください)
その理由について警察庁は「シートベルト着用率が向上しているほか、飲酒運転取締りの効果もあったのではないか」としている。
ちょっとまって欲しい。これは「~ではないか」などというあいまいなコメントで済ませて良い問題ではないだろう。
51年前といったら、「3丁目の夕日」の世界だ。ミゼットがまばらに走っていた頃と同じ事故死者ということは、大変なことなのだ。その理由をきっちり分析し、それをもとにさらに改善していくことが必要じゃないのか?
統計をみると、事故死者は1990年から減少に転じているが、ここ5年の減少率はさらに大きい。
一方、シートベルト着用規制が強化されてから随分たつ。それ以降の装着率(高速道路90%以上、一般道80%以上、後席10%程度)は毎年若干上昇を続けているが概ね高止まり状態であり、特に直近5年間に関して言えば毎年対前年を下回って減少する理由としては弱い。
飲酒運転規制強化は最近のことだ。
事故死減少はそれ以前からのトレンドであり、これも説明になっていない。
私が考える交通事故死減少の理由は以下の通りだ。
1)車の安全性能が上がっている
図表を見ればわかるとおり、事故件数は1980年以降、増えている。事故が増えているにもかかわらず死者が減るということは「事故があっても死に至らない」ということに他ならない。これは、車の安全性能が上がったか、個々の事故の大きさが小さくなったかのどちらかだろう。
事故の大きさに傾向的変化がおきる理由も見当たらないので、これは車の安全性能が上がったと見るべきだろう。(ABS装備が進めば衝突時の速度が減少する、ということもある)
大雑把に言えば、1995年以降の車には運転席・助手席エアバッグとABSが標準装備されている。また、衝突安全性能は年々向上している。
保有台数がだんだんとこれらの安全性能が高い車に入れ替わっているのだ。
「年々」事故死者が減少する理由はこれ以外に説明がつかない。
2)若者の車離れ
もうひとつ大きな理由は、若者の車離れだ。
実際に統計結果をみると、若者の事故死はこの10年でなんと1/3に減少しているのだ。
車に対する興味がなければ運転もしないし、レースまがいの運転もしない。
この傾向が全国的に拡大している。これが「走る棺おけ型」死亡事故を劇的に減少させている。
初日の出暴走はやはりまったく行われなかったようだ。
これは分散化したわけでも、取締りを怖れたからでもない。(警察は取り締まりの成果だと発表するだろうけど)
単にもう「そんなの時代遅れ」なのだ。
(若者の車離れについては、私の過去のエントリーを参照ください)