maidoの”やたけた”(ブログ版)

ジジイの身辺雑記。今日も生きてまっせ!

正直者探し 又は嘘つき探し 一旦終り

2015-02-03 16:14:14 | 支離滅裂-迷想迷夢-正直者探し

のまま行ったら何処まで漂流するか止め処が無い。
無理を承知で何とか捻じ伏せてしまわんと・・・

「イカン、何処へ行っても臭い!」
「そらお頭、ハナと三寸と離れてない所に臭いの元があるねんから、元を取らんとあきまへんがな。
臭いにおいは元から絶たなきゃ駄目!」
「オイ、何ぞ拭くもんは無いかいな?その紙よこせ!」
「アッ、それは・・」
止める間もなく、折角書いた手紙で拭いてクチャクチャポイ。
水瓶から汲んだ水で、デコを洗うて、やっと人心地ついた。
「ナニをそないに騒いでますねん、大仰な」
丸めて放られた手紙の皺を伸ばしながらアホは平気な顔。
「これこれ、そんな汚い臭い手紙、皺を伸ばしてどうともなるもんや無い。
もう一回書いたらエエがな」
「せっかく書いたのに勿体無い、汚れてるのは端だけやから此処をこう破って、」
「お前、臭さいことないのんかいな?」
「皆目」
「どれ、貸してみ、ワッ、臭さ~っ」
「さよか?いや大して匂わんなぁ」
「お前、鼻が悪いのと違うか」
「さすがはお頭、よう言い当てた、瑕(キズ)が無いのが玉に瑕、何処も彼処もエエとこずくめ、様(サマ)が良すぎて憎たらしい、と言われてるワタイでも、鼻だけ働きが今一、形はエエのに惜しいこっちゃ」

「もう逆らわんとこ。
さいぜんからゴジャゴジャいうてる嘘か真か言うのはな、お前、この事からも判るやろ」
「何です?」
「他のものにとって、その手紙が臭いのんは真実。
ところがお前には匂わん、となればお前にとっては臭うないのが真実。
ところが臭う無いのはお前一人、そうなると皆んなの真実はお前の真実とは違うと言う事になる。
かと言うて、お前は嘘を言うては無い。
しかし鼻が悪い事を知らん人はお前を嘘つきと思うわなぁ」
「ヨッ、哲学者!チョウ、チョウ、チョワヨ~、ア、チョッタ!」
「止めんかい!ワシ等は見てのとおりの追剥、世間では悪いとされてるやろ」
「そらもう悪いどころや無い。
追剥、山賊なんてな奴は、磔、獄門サラシ首にしてもまだ足らんぐらいの極悪人」
「お前なぁ、もうチョット周り見て物言え。
お前以外は皆んな追剥やねんど!」
「すんまへん、それをころっと忘れてた」
「わしらの仲間では、盗れば盗るほど、腕利きや、エライ奴っちゃと誉められる」
「しかし悪い事は悪おまっせ」
「ほんなら、何か、慶長の役で、別にこっちへチョッカイも出して無い韓国(カラクニ)に殴りこんで、人から虎まで殺しまくって、財宝だけや無しに、陶工、機織、学者まで盗んでかどわかしてきた大名が、英雄豪傑と言うのはどないなる?
あれは大掛かりな押し込み強盗、誘拐やで。
追剥よりも性質(タチ)が悪うないか?」
「う~、それは時代が・・・」
「時代が変れば正邪、善悪、真偽が変わるのかぇ?」
「う~・・・」
「日本では英雄豪傑も、海の向こうでは人殺し盗人やないか?
一人二人殺せば人殺し、何百人何千人殺せば英雄、その境目は何人や?
立場、見方で、嘘と真は裏表、裏と表の境は何処やと思う?
こちらの親切、あちらの迷惑、良かれと思うてやったのなら、どんなこどでも許されるというのは通るかぇ?」
「く~」
「人間、世間と言うのは、紙に書いた絵やないで、幅も有れば奥行きもある。
当たる光で景色も変る、違う目玉には違う模様が映る。
一人一人の思いも違えば、好みも違う。

切羽詰って、ホンマニどうもならんようになるまで、自分で道を切り開こうと頑張る者もおれば、カラスがカァーと啼くように、自分でやるより先に、口を開けたら『助けてくれ』と簡単に人を頼る人もいてる。
どっちがエエとか、悪いとか言うのや無いで、どっちも良うて、どっちも悪い。
嘘は悪い、正直は善と割り切れるもんでもなかろう。
自分の物差しで人を測って、合わんからと非難したり、怒ったりしてはイカンのとちゃうか。
生きんがために嘘もつくかもしれん、欲得に駆られての嘘も有るやろ。
しかしそれを皆んな悪やときめつけられるかぇ?

嘘で助かる人も居れば、真で落ち込む人も居てる。今日の嘘が何時本当になるかも判らん。
見方を変えたら、嘘は真実で、真実は嘘。
皆んなそれぞれ、自分の真実を信じて生きてるねんで」

「お頭、お願いワタイを弟子にして!」
「いや、いや、追剥、山賊の癖して、ついつい、偉そうに知った風な説教がましいことを言うてしもたなぁ。
さりとて、あんたに弟子になられたんでは、食前食後に泡を吹かんとイカンから、神経が持たん。
放してやるから、おとなしゅうに親元へお帰り。
ほら、早よ縄解いたれ。
解けたか、よし、そんならトットと帰りなはれ、シッ、シッ」

「そない邪険に、ノラネコ追うようにせんでもよろしいやろ」
「何を言うてるんや、もうおまはんに用事は無い、ハイ、行った、行った」
「以後気をつけますよって、どうぞお願い」
「そればっかりは、獄門曝し首にされようとも願い下げ、ど~ぞお引取りを」
「それではワタイの気がすまん、せめて身代金を取ってお渡ししてから」
「お願い、そういう聞き分けの無い事言わんと、帰ってちょうだい、ね、お願い」
「イ~ヤ、こうなったら男の意地」

「困ったなぁ、そうやワシ等が追剥、山賊やから、身代金がどうこうと話がややこしいのや。
オイ、手下共、聞いてのとおりや、このアホと縁を切るにはワシ等がアシを洗うしかない。
解散してしもたら身代金を渡す相手が無くなる。
相手が無ければ意地の立てよがない。
そうなりゃ何ぼこいつでも、意地が立たんのなんのとは言わんじゃろう。
どやこれを切所(キッショ)に自主解散するか?」
「お頭、よう言いなはった、最近取り締まりがキツイし、不景気で貧乏人ばっかりが通る。
営業努力に見合う稼ぎが出せまへん。
これではジリ貧、何れは倒産、そろそろ転職する潮時かいな?とは思てましてん」
「エライ難しい事考えてるねんなぁ!
皆も依存は無いか」
「ヘ~ィ」
「ホワァ~ィ」
「ワタイは反対・・・」
「お前は関係ないがな、ほんならエエなぁ?
ヨ~シ!ヒノ、フノ、ミィ、で
 解~散~ん!
「バンザ~イ」「バンザ~イ」「バンザ~イ」
パチ、パチ、パチ

「ちょっと待って、待ちなはれ!藪から棒に何んですねん?
そんな薄情な、ワタイは一体どうしたらエエねんな?」
さぁ、そうと決まれば長居は無用、一刻も早う選挙区に戻って、
(それは国会か?)
嫌がらせに出した解散動議が通ってしもた野党みたいに、オロオロしてるアホを一人残して、土地鑑のある連中はワラワラっと闇に散ってしもた。

一人取り残されて、どうにもこうにも仕様が無い。
此処で一人で追剥ぎを開業するにも、度胸は無しの、力もなし。
返り討ちに遭うて、追剥が身ぐるみ剥がれてたんでは生活が成り立たん。
情けも面目も無いが親元に帰るかと、半日かけて帰ってくれば、いくらアホでも可愛い息子、心配してただけに小言もキツイ。
少しは殊勝な気持になったアホが「すんまへん」と頭を下げた拍子に、かぶってた手拭がハラリ。
「アッ、判った、皆まで言うな。
そうか、頭を丸めてまで反省してるんか。
ヨッシャ、早よ風呂へなと入って、ゴハン食べ、おなか減ってるやろ。
これ、これ、あんさんらも泣いてんと、なんぞ美味しいもん用意したりなはれ」

これから先は言わずもがな、追剥は足を洗って堅気になるは、アホもちょっとは世間の機微、裏表を垣間見て、

 

めでたし、めでたし。
出し抜けですなぁ・・・。いや~、終わった、終わった!

【蛇足】
く~、無理やりの力技でこじ付けましたねぇ。
まぁ、何ですわ、十人十色、色んな人が居てはります。
気の合う奴、合わん奴、ケッタクソの悪い奴にも「好きや」いうて夫婦になろか言うのんがいてるのが不思議。
向うから見たらコッチが不思議。
鬼か悪魔かと思うようなオッサンにも懐くマゴがいてる。
事ほど左様に人生色々、島倉千代子。
その色々雑多な人間、思惑、価値観がゴッタ混ぜになって渦巻いてるのが世の中。
キッチリ、ハッキリ理屈で割り切れんところが、面白いでんなぁ、飽きまへんなぁ。
目に角立ててキャンキャンいうも良し、我関せずと高みの見物してる気になるも良し、真面目結構、不真面目結構。
ただ、それを人様に押付けるのは傍迷惑。
人間弱うて当たり前、恥にもならんが、自慢にもならん。
混沌こそが真実、不確実性こそが不変の真理。
判らんことを何んぼかでも解き明かそうと、釈迦もイエスも孔子に老氏、法然、親鸞、デカルト、カント皆んな悩んで、それぞれが理論、理屈を捏ね上げた。
ぶっちゃけて言うたら「人間て何やねん?どう生きるのがエエのんかいな?」が出発点やと思うんですわ。
ホンで宗教やら哲学が生まれて、それが元で又揉め事が起こって殺し合い。
本末転倒、支離滅裂、余計何が何やら判れへん。
何が何やら判らんのを楽しむ人も有れば、辛抱出来んお方もある。
自分の物差しを持てんで、既製品に頼るお方も有ります。
そこで宗教を看板にした商売が成り立つんですなぁ。
無信心も良かろう、信心も結構、何処ぞの誰ぞの飯のタネになってるだけでも人助け。

オンコロコロオンコロコロセンダリマトウギソハカ、
オンコロコロオンコロコロセンダリマトウギソハカ
(何のこっちゃ?ジュンサイにも程があるやろうに・・)

ワ~イ、ホンマに終わりでっせ♪
一時はホンマに、どうなる事かと思たなぁ。

ヨシ、これで気分一新、例の奴と組討しょうか・・。

2003/07/18(16)


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