写真は田舎の農道からの筑波山の風景である。
筑波山は古来から和歌に歌われており、万葉集には、「衣」の方言で「にの」という古語を使った東歌がある。その「にの」を使って詠んでみた。
万葉集巻14、国歌大観番号3351
筑波祢尓 由伎可母布良留 伊奈乎可母 加奈思吉皃呂我 尓努保佐流加母
つくはねに ゆきかもふらる いなをかも かなしきころが にのほさるかも
解釈には諸説あるが要約すると、防人として傭兵され、田舎を発った時に筑波山を見たら、妻(恋人)が布を干しているのが見えた。という意味の東歌であり相聞歌でもある。
写真の田圃の向こうの家々の中には昔の同級生の家が2,3件あるが、殆どが新しく建て替えられていた。この写真を撮っているうちに中学時代の淡い想いが蘇ってきた。