MAICOの 「 あ ら か る と 」

写真と文で綴る森羅万象と「逍遥の記(只管不歩)」など。

ヒメジョオンの花を抱きしめて眠るショウリョウバッタ。

2013年08月09日 | あらかると

とある公園の草叢を散歩していると、
やや色彩の変わったショウリョウバッタ(精霊飛蝗)が居た。

珍しい色の飛蝗なのでカメラを近づけて撮ったが、
どちらかというと警戒心の強い飛蝗なので逃げるかと思ったら、
カメラを近づけても逃げるそぶりは見せなかった。

で・・・・・観察してみると、
花をギュッと抱きしめていて動かない。
しかも手で触っても動かない・・・・・永眠していたのだ。


しかも一匹ではなく、あちこちで・・・・


中には干乾びてしまった飛蝗もいたが、
さすがにここに掲載するには酷すぎたので、
トリミングしたのが下の写真で、飛蝗の直ぐ下にも飛蝗が眠っていた。
しかも殆どの飛蝗はなぜかヒメジョオンの先端ちかくで見ることができた。


へんなのを見てしまったなぁと思いながら公園内を歩いていると、
緑の腕章をし、大きな捕虫網を手にした公園の職員(学芸員さん)に出会ったので、
思わず「精霊飛蝗の件について」聴いてしまった。


学芸員さんはすでにご承知のようで、
その原因は「黴」のように思われるとのことだった。
ということだったので、
ネット検索してみると、その事例はあちこちで報告されていて、
次のような研究報告があるという。

バッタカビ:昆虫疫病菌の1種。
バッタ、イナゴなど直翅目昆虫に寄生し、
感染した昆虫は植物の茎の上方に登り午後遅くから夕方にかけて死ぬ。
死後1時間ほどで本菌の分生子が死体表面に形成され周囲に飛散する。
そのため、夜間に植物体に集まってきた健全な飛蝗も感染する。
このようにして、その個体群を短期間に全滅させるほどの流行性を示すことで有名な菌である。
『北海道大学大学院農学院 生物資源科学専攻 応用分子昆虫学分野改訂昆虫病理用語集』より

菌に感染すると茎の上方に登るということは・・・・・
感染直後から菌が飛蝗をコントロールしていたということであり、
しかも落ちないようにしっかりと抱き付かせていたのである。
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