MAICOの 「 あ ら か る と 」

写真と文で綴る森羅万象と「逍遥の記(只管不歩)」など。

画像を加工する

2010年10月21日 | 写真

人の目の働きはいわばカメラの自動露出のようなもので、
明るい場所を見る時は瞳孔が閉じられ、暗いところを見る時は開かれて
入ってくる光を調整している。

たとえば「夕焼け」の写真を撮る時には、
空にレンズを向けて露出を計る(中央重点測光がおすすめ)と
綺麗な夕焼けを撮ることができる。

しかし、人の目は夕焼けを見ながらも瞬時に暗いところ見られるため、
感覚的には巻頭のような夕日に輝く前景をも見ているため、
思ったような写真になっていないことが多い。

下の写真は、夕焼け雲にカメラを向け露出オートで撮ったものだが、
前景の畑は暗くて何があるかがわからない。

下の写真は畑に露出を併せて撮ったものだが、
美しい夕景は消えてしまった。


ならば目に見えたものに近づけてみようと、上の2枚を合成したものが巻頭の写真である。


同じように下の写真も合成で、
「天使の梯子(このように太陽が雲に隠れているとき、雲の切れ間あるいは端から光が漏れ、光線の柱が放射状に地上へ降り注いで見える現象を薄明光線という)」に露出を併せると前景のススキが消え、
手前の輝く薄に併せると薄明光線が消えてしまう。
両方ともこの景色ではなくてはならないものなので合成と言う手法をとったのである。


なぜこのようなことが必要かといえば、
風景画創作の資料として「前景・中景・後景」を現実に近い形で捕らえたいからである。
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