青い花

読書感想とか日々思う事、飼っている柴犬と猫について。

宮沢賢治の星空と火星大接近

2016-08-03 08:16:22 | 日記
平塚市博物館のプラネタリウムに行ってきました。


7月16日から9月25日までの一般投影は、『賢治がつづった星空』です。プログラムと一緒に宮沢賢治作詞作曲「星めぐりのうた」の楽譜ももらいました。
『銀河鉄道の夜』に出てくる星座・恒星・球状星団・散開星団・ガス星雲・星間物質などについて語られましたよ。

銀河系の中心は射手座の方向にあり、太陽系から約三万光年の距離です。
銀河系はここを中心にして回転します。白鳥座、射手座、蠍座のあたりは、他のどの部分よりも圧倒的に星団や星雲が密集しています。この銀河系の構造が、賢治の心を捉え、『銀河鉄道の夜』を執筆する動機の一つとなったのではないでしょうか。
そういえば、蠍座は賢治が最も好きな星座と言われていますね。

帰宅後、『銀河鉄道の夜』を再読しました。
北の十字から南の十字を通り越して、どこまでも、どこまでも―――。カムパネルラと一緒に青白い金剛石をひっくり返したような銀河を旅することが出来たなら、もう帰って来られなくても良いと思う。

“けれどもほんとうのさいわいはいったいなんだろう”

『賢治がつづった星空』のほかは、お約束の季節の星座についての講義、それから旬の話題として火星大接近について語られました。

火星は、地球のひとつ外側をまわっているので、外惑星といいます。
火星が太陽の周りを1周する間に地球は約2周します。この公転周期の違いから、2つの惑星は約2年2か月ごとに隣り合わせとなり、距離が近づくのです。
その中でも15年に1回は大接近になります。
地球の軌道は円に近い形ですが、火星の軌道はつぶれた楕円形をしています。このため、火星と地球が接近する位置は毎回ずれ、距離も大きく変わるのです。

5月から6月ごろは、日が暮れたばかりのころに南東の空、深夜に南の空に火星、蠍座の1等星アンタレス、土星の3つの明るい星が集まりました。
火星は惑星なので、星座の中を動いていきます。4月の中ごろまでは西から東へ動き、その後は6月末まで東から西へと反対に動きます。そして、5月31日に地球と最接近しました。
7月からはまた、西から東へ動き、8月24日ごろにアンタレスに最接近します。
火星・アンタレスの2つの赤い星が並んで輝いているさまは、天体ファンでなくても心躍る光景ではないでしょうか?また、今年の夏だけは、火星・アンタレス・土星の小さな三角形を見ることが出来ます。

火星は、地球と似ています。
四季もあり、1日の長さも24時間37分22秒と、地球とほぼ同じです。昔は火星 にも大気や海があったと考えられています。火山活動が起きた時に、地下の氷がとけて流れだして、川のようなあとが残っていたり、雨のようなあともあったりします。火星は、名前に反して水のイメージの強い星です。江戸川乱歩の『火星の運河』を思い出しました。
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