fromイーハトーヴ ーー児童文学(筆名おおぎやなぎちか)&俳句(俳号北柳あぶみ)

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『いとをかし! 百人一首』届け!千年のミラクル☆ラブ(光丘真理)ー集英社

2013年11月27日 | 日記

            

 シリーズ、3『天才・蝉丸がやってきた!』と2冊一気に読みました。小学4年のスズは百人一首クラブの部長ナリ先輩にあこがれ、クラブに入部。ところがふとしたきっかけで「ときの道」を通り平安時代へタイムスリップしてしまったのです。道案内はあの藤原定家。小野小町や在原業平、紫式部など平安時代の有名人と次々と出会いました。

 そして3巻では、蝉丸が逆に現代にやってきます。(写真左側のまん中で、枇杷を持っているのが、少年蝉丸)ときの道を通った蝉丸は少年の姿になっています。そしてかるた大会へ乱入! タイムスリップの道理はちゃんと通っているし、時代背景も百人一首の意味や背景もしっかり押さえられています。その上で、とにかく楽しめる。このタイムスリップ、そもそも定家の忍ぶ恋から始まったものということで、この4巻ではついにその結末が、ときの道の謎が解き明かされるのです。

 来ぬ人をまつほの浦の夕なぎに焼くや藻塩の身もこがれつつ  定家

 など、恋の歌がとてもいい具合にちりばめられているではありませんか。4巻セットで小学生にプレゼントというのがお勧めです。

 作者の光丘真理さん、もともと百人一首がお好きだったのか、それともこの本を書くために勉強したのか、軽いタッチの物語ですが、しっかりとした知識に裏付けられているから、読むほうは安心して楽しめるのだと、とにかく感心いたしました。


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