今、ここでがんばっている。
わたし自身のために。
カバーを開いたところにある文です。講談社の「YA!」は、中学生から高校生に人気のあるシリーズです。そこで作品を発表している売れっ子作家さん5人によるアンソロジーというぜいたくな一冊。〈5人の作家がYA世代に贈る、読むと元気になるアンソロジー〉。これは帯文です。「応援してるよ!」という大きな文字も。そう、本を書くということは、基本はこれなんだなあとも思いました。
「わたしの青」(濱野京子)は、『レガッタ!』というボート部を舞台にした3作のシリーズのスピンオフ。登場人物の一人である琴美の遠距離恋愛を描いています。といっても社会派作家(と私が呼んでいる)濱野さんですから、福島の原発事故はまだ終わっていない、続いているという背景がきっちりと描かれています。それでいて等身大の高校生の恋愛小説になっているのですから、さすが。
他には、はやみねかおるさん、石川宏千花さん、風野潮さん、香坂直さん。すごいです。石川さんの「次元の友」、さすがでした。はやみねかおるさん、ポジション「駄菓子屋前」に参りました。