fromイーハトーヴ ーー児童文学(筆名おおぎやなぎちか)&俳句(俳号北柳あぶみ)

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『走れトラック、ねがいをのせて』森埜こみち作・小松良佳絵(講談社)

2022年02月03日 | 本の紹介
 おはなしSDGsシリーズの一冊。
 テーマは、「飢餓をゼロに」です。

         

 このシリーズは、現代の第一線で活躍している児童文学作家さんがずらり書かれてらっしゃいます。あの方も、この方も!
 その一冊。これまでも何冊か読ませていただいていますが、感心するのは、よくテーマを調べて、それを物語の中に取り入れていることです。

 この作品では、小学生男子一家の食卓シーンから、始まります。
 すき焼きの肉をたらふく食べたあと、大学生の姉が「今度からすき焼きの肉はこの半分以下にしよう」と提案します。そして「2050年には地球の人口が約百億人になるといわれている食べ物が足りなくなる。もっと農地を広げて作物を作らなくてはならなくなる。森林を伐採して農地は作れない・・」と力説。樹(たつき)の一家はこうして、食について考えながら、実践をはじめる。
 そこに青森のおじいちゃんから、大根がどどーんと送られてくる。なんと、大根が採れすぎて、値がつかず廃棄処分にしなくてはならないというのだった。
 樹は、姉や近所の方、そして、その関連で大根を届けた子ども食堂で知り合った女の子、未希とつながってゆく。

 このシリーズ、とにかくテーマありきで、現在の社会の状況を提示し、これからを考えていく。それを物語の中に組み込むのですから、作者は大変です。まずは調べることからでしょう。資料を読み、物語をどう設定するか・・。うーんすごいです。
 樹のキャラが、しっかり現代っこなところ、とても好感が持てました。肉、いっぱい食べたいよねえ笑。
 学校図書館必須の一冊です! 

 


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