fromイーハトーヴ ーー児童文学(筆名おおぎやなぎちか)&俳句(俳号北柳あぶみ)

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「浦島太郎」辻桃子

2016年06月26日 | 日記
 辻桃子さんが、今年「俳句界」1月号に発表した「浦島太郎」50句は、すばらしかった。
 これが、文学の森社より、限定の和綴じ豪華本として出版されました。

 先日、童子句会へ出かけたときにおっしゃっていたのは、「一生をかけて歌仙を巻いているつもり」ということ。

 初夢の珊瑚の門をくぐりけり
 くぐりゆく水の厚さも春の潮
 見上げれば水面は遠く水温む
 水底に濡れてとどくや夏の月
 月光に抱けばつめたき裸かな
 泳ぎきしお茶碗ほどの乳房にて
 くびれにはくびれ巻きつけ海の蛇 「 浦島太郎」辻桃子(「俳句界」2016・1月号)


 全部ここに書くわけにはいきません。
 
 季節は正月からの一年間、浦島太郎と乙姫の悲恋がなまめかしく、かつ写生の手法で描かれています。この境地、すごい。

御岳山 神代欅