fromイーハトーヴ ーー児童文学(筆名おおぎやなぎちか)&俳句(俳号北柳あぶみ)

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句集『だだすこ』の二十一九句 「荻の声」 (抄出・佐藤明彦)

2014年05月08日 | 自作紹介

 先日の朗読会で、「童子」編集長佐藤明彦氏が、朗読してくださったものです。光栄という以外、ありません。

北柳あぶみ句集
『だだすこ』の二十一句

 荻の声
                       抄出・佐藤明彦
雪解けてイーハトーヴの現はるる
ふるさとや春泥かくもねちつこく
麦踏みをしつつこちらへ近づき来
牡丹雪ことに巨きな一枚が
ひたすらにおたまじやくしにならんとす
まだだれも遊びにこない蝶々かな
ドアノブの向かうドアノブ春の闇
霾や空ろな家に鍵かけて
いつまでも岸を離れず花筏
行く春の胴体を切る手品かな
包帯のうすき汚れも聖母月
水底にをればぼんやり錦鯉
箱眼鏡生まれる前のなつかしき
紙魚走る伊勢騒動の顛末記
賢治忌や猫の足跡塀に消え
  

dah-dah-dah-dah-dah-sko-dah-dah/dah-dah-sko-dah

だだすこと口で囃して踊りけり
精神歌荻の声とも聞こえたる
星合やからくり箱に灯が点り
青みどろ透かし凍つるや神の沼
えんえんとつづく枯野や津波跡
終生を熱く青くと炭継げり ※悼後藤竜二先生

 岩手は、百花繚乱です。近所にはライラックも咲いていましす。