文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
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現実主義勇者の王国再建記 1,2

2022-01-20 09:53:16 | 書評:小説(SF/ファンタジー)

 

 

 テレビの深夜アニメでもやっているこの作品。相馬一也は、祖父と二人で暮らしていたが、一也の大学合格を見届けるようにして亡くなってしまう。新たな生活に踏み出そうとした一也だが、なんと異世界にあるエルフリーデン王国に、勇者として召喚されてしまう。ちなみに、この世界には魔法があり、異世界ものではおなじみの、エルフや獣人、モンスターなどもいる。

 異世界勇者ものというと、チート能力を手にした主人公が、異世界で無双するという話か、腹黒い王様らにうまいように使われると言った話が多かった。しかし、この話は、そのどちらでもない。王様も人のいい人物として描かれており、一也は召喚早々、王の立場を押し付けられてしまう。

 そもそも勇者召喚が成功するなんて思っておらず、それでもやったのはグラン・ケイオス帝国からの外圧でしかたなくである。この世界では人間と魔族が争っており、魔族との戦争支援金を払うか、勇者を召喚してその勇者を帝国に引き渡すかせよというのだ。帝国に引き渡されたら一也はどう扱われるか分からない。ここから一也の生き残り戦略が始まる。

 つまり一也は勇者として召喚されたのだが、自分で無双などはせず、内政にその手腕を発揮するのである。おまけに前王の姫のリーシアの婚約者となってしまう。一也は、エルフリーデン王国を強国にして、帝国の要請などはねのけられるようにしようとする。しかし、エルフリーデン王国の置かれた立場はまさに内憂外患。

 エルフリーデン王国は、多種族から成り立っている国だ。歴史的な経緯もあり、陸軍はライオンの獣人ゲオルグ・カーマイン、空軍は半竜人(ドラゴニュート)のカスコール・バルガス、海軍は500年も生きている蛟龍族のエクセル・ウォルターという3人の公爵が支配していた。しかし、彼らは、一也と対立姿勢を示していた。また外にはエルフリーデン王国を狙うアドミニア公国の存在。

 お気に入りのキャラはダークエルフのアイーシャ。並々ならぬ武を持ち、美人なのだが、食いしん坊キャラがすっかり定着してしまった。それがなんとも可愛らしいのだ。

 1巻では、一也の内政における取組、2巻ではアドミニア公国との戦いが描かれているが、まだ2巻までしか読んでいない。この後どう展開していくのか楽しみだ。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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