文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

書評:思考を鍛えるメモ力

2018-12-18 20:52:54 | 書評:学術・教養(人文・社会他)
思考を鍛えるメモ力 (ちくま新書)
クリエーター情報なし
筑摩書房

・斎藤孝

 本書は「三色ボールペン」で有名な著者が、メモを取ることの効用や、メモの取り方について述べたものだ。

 まずメモを取ることにはいろいろな効用がある。本書で述べられているのは、忘却防止、伝達の行き違いや漏れの防止、考えの整理、要約力やコミュニケーション力などの能力向上など。

 本書では、まずメモを取ることの効用について述べたあと、メモ初級者から上級者や達人に至るまでの方法が述べられている。キーワードは「守りのメモ力」から「攻めのメモ力」へ。

 確かに、メモを取らずに頭の中だけで考えようとしても、いろいろと取り落としが多いのは事実だ。また頭にふと浮かんだアイディアなどを直ぐにメモしないと、ちょっと時間が経つと忘れてしまうだろう。メモを取ることは色々な場面で欠かせないのである。最近は面倒くさいのであまりメモを取らないようになったが、やはり頭の柔軟さを保持するためにはメモは必須なのだろう。反省、反省。

 また本書には、「本にメモを書き込んで読書ノートにする」ということで、メモを書き込んだ著者の本が紹介されている。(pp073-075)私も結構書き込みはする方だが、これだけ見開き2頁の中に書き込むと、かえって何を書いたか忘れてしまいそうな気がする。それよりは章末に要約でも書いた方が役に立つと思うのだが。

 もちろん本書にあることが絶対ではない。本書を参考に、各自が工夫して自分なりのメモの取り方を確立すればいいと思う。少なくとも、まったくメモを取らないよりはましだろう。

☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 書評:倭の五王 - 王位継承と... | トップ | 書評:黄色の扉は永遠の階 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

書評:学術・教養(人文・社会他)」カテゴリの最新記事