文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

勝間和代氏とマクロ経済学

2009-11-07 12:43:33 | オピニオン
 勝間和代氏が「まず、デフレを止めよう」と題したプレゼンテーションを行なったことについて池田信夫氏が彼のブログ「池田信夫blog」に、「勝間和代氏のためのマクロ経済学入門」という記事で、「出来の悪い学生の答案みたい」と批判していた。

 私は、あまり池田氏の意見に共感することは少ないのだが、勝間氏のプレゼン資料を見て、今回は彼に賛同したい。

 まずプレゼン資料に、「日本はデフレスパイラルの真只中にあることを再認識して下さい」として、「極端なお金不足により、モノの値段が下がるデフレが続いています」としているが、まずこの部分でぶっとんだ。

 確かに、今はデフレと言える状況かもしれないが、このデフレは、お金不足ではなく、需要と供給のアンバランスによるものではないか。企業は設備投資を控え、国民は将来への不安から、できるだけ目先の支出を控えようとする。需要が不足しているときに物の価格が下がるのは当然のことだ。しかし、これが「極端なお金不足」が原因であるというのはどうだろう。異常ともいえるゼロ金利政策が続いて、マネーの供給側からはじゃぶじゃぶに近い状態であったのではないか。しかし、マネー需要は増えず、いわゆる「流動性の罠」の状態に陥り、行き場のなくなったマネーがサブプライム問題にも加担したことを考えると、「極端なお金不足」という大前提はおかしいのではないだろうか。大前提となる認識がおかしい以上、後に続く主張はあまり意味のあるものとは言えないだろう。

 もうひとつ池田氏が指摘していないことを言っておきたい。フィリップスカーブによって、デフレの問題点を指摘しようとしていることの意味が分からないのだ。もともと、フィリップスカーブは、インフレ率と失業率の間にはトレードオフの関係があるため、どちらかを改善しようとすると、どちらかが悪くなるので、そこそこのところで満足する必要があるということを示しているものだ。景気が悪くなりデフレ状態に陥れば、失業率が高くなるというのはトレードオフの関係でも何でもなくむしり当たり前とも言え、ここで説明されている内容を考えると、わざわざフィリップスカーブを出して言うようなことでもない。自分の主張の権威付けのために、持ち出しているのかもしれないが、意味のない使い方をしても仕方がない。

 私のような経済学の素人にも突っこまれる位だから、菅直人副総理は納得しなかったというのも当然のことだろう。

 (役に立ちましたか?) ⇒ 人気ブログランキング 

 「時空の流離人(風と雲の郷 本館)」はこちら 

 「本の宇宙(そら)」(風と雲の郷 貴賓館)はこちら 

○関係ブログ記事
誇りはどこにある
若だんなの新宿通信
2033年を幸せに迎えるためのプログレッシヴ投資Blog
巴里のデタラメ雑記
個人発明家blog
非専門地域
金融日記
コメント (4)   この記事についてブログを書く
« 消費できないものに対価は不要か | トップ | ビジネス著作権検定の受験票... »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
はじめまして (寝たろう)
2009-11-08 20:44:24
TBありがとうございました。
文理両道、僕も目指しています。
僕の場合は、文系人間から始まって、発明をやり初めて、理系の知識をいろいろ仕入れています。
10年くらい前、立花隆などが文理学会とか始めて、そのまま終わっちゃいましたね。
文系と理系とでは、多くの人で、事実として、発想が違うのか面白いですね。
Re:はじめまして (寝たろうさん) (風竜胆)
2009-11-08 20:57:10
こちらこそありがとうございます。
私の場合、もともとは、理工系なのですが、色々知ることが好きなので、経済や法律なども勉強しています。

ところで、寝たろうさんのHNは、私の故郷に近い山口県の厚狭に伝わる寝太郎伝説を連想して、親しみがわきます。もしかして、山口県のご出身ですか?
そうですよ (寝たろう)
2009-11-08 21:11:35
出身は厚狭ではなく、山口市ですが。
小学校の旅行のバスの中でガイドさんから寝たろう伝説を聞きました。ああいう人間になりたいと思いましたね。
今は他の県に居ますが、将来は帰りたいですね。それまでに一旗上げて^^;
Re:そうですよ (寝たろうさん) (風竜胆)
2009-11-08 21:15:40
私は美祢市の方ですが、山口にも少しの間住んでいたこともあります。
同郷同士、これからもよろしくお願いします。

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

オピニオン」カテゴリの最新記事