石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

ニュースピックアップ:世界のメディアから(9月4日)

2015-09-04 | 今日のニュース

・シーソーゲームの原油価格:Brent$1.5高の$52、WTI$1.7高の$47.95.

 

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米国、ロシア、サウジアラビアが三強:BPエネルギー統計2015年版解説シリーズ(石油+天然ガス篇9)

2015-09-04 | その他

 

(注)本シリーズはブログ「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。

 

http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0355BpOilGas2015.pdf

 

 

3.世界の石油と天然ガスの消費量
(拮抗するアジア、北米、欧州・ユーラシアの3地域!)
(1)2014年の石油と天然ガスの地域別合計消費量
 (図http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/3-3-G01.pdf 参照)
2014年の世界の石油消費量は日量9,209万バレル(以下B/D)であり、これに対して天然ガスの消費量は年間3兆3,930億立方メートル(以下㎥)であった。天然ガスの消費量を石油に換算すると5,847万B/Dとなり、従って石油と天然ガスを合わせた1日当りの消費量は1億5,056万B/Dとなる。両者の比率は石油61%、天然ガス39%でほぼ3:2の割合である。

 消費量を地域別に見ると、アジア・大洋州が4,255万B/D、北米3,971万B/D、欧州・ユーラシア3,565万B/Dと並んでおり、これら3地域が世界に占める割合は8割弱に達する。但し各地域の石油と天然ガスの比率にはそれぞれ違いがあり、アジア・大洋州は石油の比率が73%に対して天然ガスは27%である。一方欧州・ユーラシアは石油と天然ガスの比率がそれぞれ51%と49%でほぼ均衡しており、北米の場合は石油59%に対して天然ガスは41%で世界全体の比率と同じである。世界的に見ると上述の通り石油がエネルギーの太宗を占めているが、欧州・ユーラシア地域はロシア・中央アジアなど天然ガスの生産地と西ヨーロッパの消費地が陸続きのためパイプライン網による天然ガス利用が発達したという歴史的経緯がある。ヨーロッパでは天然ガスは家庭用・発電用燃料として使われ、一方石油の用途は輸送用燃料(ガソリン、ディーゼル)或いは石油化学原料が一般的であり、天然ガスと石油の利用が相半ばしているのである。

 これら以外の3地域(中南米、中東、アフリカ)は全て併せても20%強に過ぎず、それぞれの世界消費に占めるシェアは中東11%、中南米7%、アフリカ4%である。石油及び天然ガスの消費が先進国及びアジアの新興工業地帯に集中していることがわかる。

(続く)
 
本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
 前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
   E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

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米国、ロシア、サウジアラビアが三強:BPエネルギー統計2015年版解説シリーズ(石油+天然ガス篇8)

2015-09-02 | その他

(注)本シリーズはブログ「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。

http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0355BpOilGas2015.pdf

 

(2位ロシアとの差を広げる米国!)
(4)ロシア、米国等主要国の生産量の推移
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/3-2-G03.pdf 参照)
 ここでは2014年の生産量上位4カ国(米国、ロシア、サウジアラビア、イラン)に中国、カタール及びブラジルを加えた7か国について2000年以降の生産量の推移を見ることとする。

 2000年における石油・天然ガス合計生産量は米国が1,709万B/D(内訳:石油773万B/D、天然ガス5,432億㎥、石油換算936万B/D。以下同じ)でトップであり、ロシアは1,569万B/D(658万B/D、5,285億㎥、911万B/D)であった。その後、米国は生産量が減少、一方のロシアは増加したため2002年には両国の順位が逆転した。両国の差は年々大きくなり2005年の生産量はロシアが1,959万B/D、米国は1,571万B/Dと両国の差は400万B/Dまで拡大した。しかし米国の生産が2005年を底に上向きに転じる一方、ロシアはその後横這いにとどまっている。この結果2013年には両国の順位が逆転、米国が80万B/Dの差でトップになった。2014年の生産量はロシアの2,081万B/Dに対し米国は2,419万B/Dで両国の差は広がっている。

 サウジアラビアの場合は従来から石油の比率が圧倒的に高く、2000年の生産は石油が947万B/D、天然ガスは86万B/D(石油換算)で石油はガスの11倍であった。その後同国の石油生産は常時1千万B/D前後で推移する一方、天然ガスの生産は毎年前年を上回る増加を続けている。この結果2014年の生産量は石油1,151万B/D、天然ガス187万B/Dの合計1,337万B/Dに達し、石油はガスの6.2倍となり天然ガスの比率が上がっている。

 カタールは2000年時点では石油と天然ガスの生産量はそれぞれ85万B/D、41万B/D(合計126万B/D)であり、石油が天然ガスを上回っていたが、その後天然ガスの生産が急速に拡大し、2006年には倍増、さらに2014年には石油換算で305万B/Dに達している。この結果、2014年の石油・天然ガスの合計生産量は2000年の4倍の504万B/Dを記録するとともに、石油と天然ガスの比率は石油39%に対し天然ガスは61%と逆転している。

 中国は2000年以降着実に生産量が増加しており、2000年の374万B/Dから2014年には1.8倍の656万B/Dに増えている。イランも中国同様2011年までは着実に増加し、2000年の合計生産量488万B/Dが2011年には1.5倍の713万B/Dに増加した。しかしその後、核開発疑惑をめぐる欧米諸国の禁輸制裁の結果、大幅に減少2014年の石油・天然ガスの合計生産量は659万B/Dにとどまっている。天然ガスは全量国内消費のため生産量は今後も増加すると見込まれるが、原油の生産は経済制裁解除の成否にかかっており予断を許さない。

 ブラジルの生産量は上記の国々に比べて必ずしも多くないが、2014年の生産量は2000年に比べて1.9倍である。これは6カ国の中ではカタールに次いで高い伸び率であり、米国の1.4倍に比べかなり大きく今後の生産量増加が期待される。

(石油+天然ガス篇 生産量完)

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 前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
   E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

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米国、ロシア、サウジアラビアが三強:BPエネルギー統計2015年版解説シリーズ(石油+天然ガス篇7)

2015-09-01 | その他

(注)本シリーズはブログ「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。

http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0355BpOilGas2015.pdf

 

(伸びる天然ガス、2014年の石油と天然ガスの比率は60対40!)
(3)1990年~2014年の生産量の推移
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/3-2-G02.pdf 参照)
 1990年から2014年までの世界の石油と天然ガス合計生産量の推移を追ってみると、1990年の生産量は9,956万B/Dであり、その内訳は石油6,539万B/D、天然ガス1.98兆㎥(石油換算3,418万B/D)であった。その後1992年には合計生産量が1億B/Dを突破、2008年に1億3,581万B/Dに達するまで一貫して増加している。2009年には若干減少したが、2010年から再び増勢に転じ2014年の石油と天然ガスの合計生産量は過去最高の1億4,831万B/D(内訳:石油8,867万B/D、天然ガス3.5兆㎥)を記録している。

 1990年と2014年の生産量の伸びを比較すると、合計生産量では1.49倍、石油と天然ガスのそれぞれの増加率は石油1.36倍、天然ガス1.75倍であり、天然ガスの生産が急速に伸びていることがわかる。これを比率で見ると1990年には石油と天然ガスの比率が石油66%、天然ガス34%であったものが、その後天然ガスの比率が徐々に拡大し、2014年には石油60%、天然ガス40%となっている。現在天然ガスについては米国におけるシェールガスを含め世界各地で開発生産が活発に行われており、またパイプライン、LNGによるサプライチェーンも急速に整備拡充されている。従って生産に占める天然ガスの比率は今後更に高まるものと思われる。

(続く)

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 前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
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