石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

BPエネルギー統計2018年版解説シリーズ:天然ガス篇 (16)

2018-08-24 | BP統計

 

(3) LNG貿易

(後続に追い上げられる輸入1位の日本、輸出1位のカタール!)

(3-1) 2017年のLNG貿易

(図http://bpdatabase.maeda1.jp/2-4-G02.pdf 参照)

 2017年の全世界のLNG輸出入量は3,934億㎥であった。輸入を国別でみると最も多いのは日本の1,139億㎥であり輸入全体の29%を占めており、第2位中国526億㎥、第3位韓国513億㎥(共にシェア13%)の2倍強である。中国のLNG輸入量は年々増加しており、2017年には韓国を追い越して世界2位の輸入大国になっている。一方日本のLNG輸入量は減少或はほぼ横ばい状態にあるため中国との差は年々縮まっている。因みに日中韓3か国だけで世界のLNG輸入量の55%を占めている。第4位はインドでその輸入量は257億㎥、第5位は台湾(225億㎥)とアジア、特に極東の国々が上位を占めており5カ国のシェアを合計すると7割弱である。これらアジアの国々に次ぐのはスペイン(166億㎥)、トルコ(109億㎥)である。

 

 一方国別輸出量ではカタールが最も多い1,034億㎥であり、世界の総輸出量の26%を占めている。カタールに次いで輸出量が多いのはオーストラリア(759億㎥)である。両国の順位は前年と変わりないが、カタールは前年より10億㎥減った一方、オーストラリアは前年の生産量に対して191億㎥、34%の大幅増加であり、輸出国についても輸入と同様1位と2位の差は縮まっている。第3位以下はマレーシア(341億㎥)、ナイジェリア(278億㎥)、インドネシア(217億㎥)、アルジェリア(166億㎥)、ロシア(155億㎥)、米国(152㎥)と続いている。

 

(注)ここに掲げた数値は純輸出入量であり、LNGの輸入と輸出双方がある場合は両者を相殺した数値とした。例えば米国の場合2017年のLNG輸入量は22億㎥に対して輸出量は174億㎥であり、差し引き152億㎥の輸出となる。因みに2016年の米国のLNG輸出入は輸入25億㎥、輸出44億㎥であり輸出量ベースでは2017年は130億㎥の増加であった。

 

(続く)

 

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        前田 高行         〒183-0027東京都府中市本町2-31-13-601

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                               E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

 

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