石油と中東

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全社で業績回復基調:五大国際石油企業2016年7-9月期決算速報(3)

2016-11-10 | 海外・国内石油企業の業績

 

(注)本レポートは「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。

 

http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0393OilMajor2016-3rdQtr.pdf

 

 

1.五社の7-9月期業績比較 (続き)

(4) 設備投資

(表http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/1-D-4-22.pdf参照)

(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/2-D-4-54.pdf 参照)

2016年7-9月期の各社の設備投資額はShellが53億ドルと最も多く、Chevronが52億ドでこれに続いている。第3位のTotalの投資額は51億ドルであり、これら3社はほぼ同額である。ExxonMobilはやや少ない42億ドル、BPが最も少ない34億ドルにとどまっている。前年同期と比べると各社とも減少しており、特にExxonMobilおよびChevronは2分の1或いは3分の2程度にとどまっている。Totalは9%減、Shellは18%減、BPは21%減である。低迷する石油市況を受けて各社とも設備投資には消極的な姿勢が見える。

 

(5)原油・ガス生産量
(表http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/1-D-4-22.pdf参照)

(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/2-D-4-55.pdf 参照)
 今年7-9月の原油生産量はExxonMobilが平均日産量221万バレル(以下B/D)で5社の中では最も多い。その他の4社はShell 187万B/D、Chevron 166万B/D、Total 129万B/D、BP 113万B/DでBPは5社の中では最も少なくExxonMobilの2分の1である。ExxonMobilは世界各地で万遍なく原油生産をおこなっており他社を圧倒している。前年同期と比較するとShellは22%増と際立って増加しており、他の4社の中ではBP及びTotalは増加しているのに対してChevronはわずかながら減少、ExxonMobilは5%減っている。

 

 天然ガスの生産量はShellが100億立方フィート(以下cfd)と最も多く、わずかの差でExxonMobil(96億cfd)が続いている。残る3社はTotal63億cfd、BP57億cfd、Chevron51億cfdと上位2社の5乃至6割前後である。前年同期に比べるとShellは28%増と大幅に伸びた一方、Totalは5%増、ExxonMobilは現状維持、ChevronとBPはわずかながら減少している。

 

 天然ガスを石油に換算した原油・天然ガスの合計生産量ではExxonMobilは381万B/Dでこれに次ぐのがShellの360万B/Dである。Shellは石油天然ガスともに生産量が大きく増加しており最近はExxonMobilとの差が縮まっている。その他の3社はChevronが251万B/D、Total 244万B/D、BP211万B/Dである。石油と天然ガスの比率を見ると、ExxonMobilは石油58%、天然ガス42%であり石油の比率が高い。その他の4社も同様に原油生産量が天然ガス生産量を上回っており、特にChevronは石油66%対天然ガス34%と石油が天然ガスの2倍近い。

 

(続く)

 

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        前田 高行         〒183-0027東京都府中市本町2-31-13-601

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                               E-mail;maedat@r6.dion.ne.jp

 

 

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