古都トレドとは?
古代ローマ時代から重要な街とされ、中世には多様な文化が交錯した歴史を持つトレド。三方を川に囲まれた街は、川が自然の要塞となり地理的にも恵まれていました。小高い丘の街にどう水を引くか、各時代の「知恵」が集約されています。迷路のような街には教会やモスクが見られ、キリスト教とイスラム教が共存し繁栄した歴史がうかがえますよ。
西ゴート王国の首都となり栄えていたトレドは、711年にイスラム勢力のウマイヤ朝が侵攻し、イスラムの支配になりました。この時代に様々な文化とや医学、天文学や数学などの学問がトレドに持ち込まれます。11世紀に入り国土再征服運動やレコンキスタにより、キリスト教の支配で現在へ。
学問的に知られているのが、12世紀から13世紀に活躍したトレド翻訳学派と呼ばれる学者たちで、古代ギリシア・ローマ時代の哲学・神学・科学の文献が、ユダヤ教徒、イスラム教徒、キリスト教徒たちによって翻訳されました。これが西ヨーロッパの12世紀ルネサンスに、大きな影響を与えたといわれています