とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

2019南アルプス山小屋点検:4日目 聖平小屋~聖沢登山口

2019-09-05 18:57:36 | 山登り
最終日は、ひたすら下山するだけだ。井川観光協会の送迎バスは、聖沢登山口に10時と13時の2便があり、当初は13時のバスに乗る予定だったが、地図のコースタイムを見ると4時間くらいで下りられそうだったので、10時のバスにぎりぎり間に合うだろうと予定を変更して早めに下りることにした。

4時半の朝食を済ませ、5:15頃聖平小屋を出発する。小屋番の話では、5時間くらいかかると脅かされていたが、何とか間に合うだろうと高をくくって下山する。幸い最終日は雨も止み晴れそうな天気になっていた。

1時間も樹林帯の中を歩くと、見晴らしがいい場所に出た。大きな岩が展望台となり、下方を覗くと沢が流れている。周りは深い森に覆われ、南アルプスの奥深さを感じさせてくれる。


東側には、山並みがはっきり見えだし、青空も見えてきた。


立派なキノコ。でも食べるとヤバそう。南アルプスにはこんなキノコが生えているのをよく見かける。


7:34。クマ出没注意の看板前で休憩する。標柱の裏は、何やらクマの爪痕らしき傷がついている。また、このコースは、登山口から聖平小屋まで7分割され1/7毎に標柱も建っている。この場所は、“3/7”だったので聖平小屋からは半分以上来たことになる。


8:14。聖沢吊橋を渡る。


その後、2/7がなかなか見つからず、大丈夫だろうかと気になっていたら、いつの間にかヤマップの地図と外れていた。しかし、登山道の印は間違いなく付いており、信じて案内通りのコースを進む。どうやら、従来からの登山道は、崩落して通行不能となっていたらしく、いったん登り返してグッと下るコースに変わっていたようだ。本当ならグングン下っていけばよかったのが、かなり登り返すことになったので最後の最後がキツかった。この登り返しがあったからこそ5時間近くかかるという事だったのだと、改めて思い当たった。

9:42。聖沢登山口にやっと到着する。5時間はかからなかったものの、4時間半近くかかり、小屋を早めに出ていてよかった。


登山口の先には、井川観光協会のバスが既に来ていて我々を待っていてくれた。


バスに乗り、林道を1時間ほど走ると、夏季臨時駐車場に到着する。雲を見ると、秋の雰囲気だったが、やはり残暑は厳しい。


夏季臨時駐車場から少し下ったところにある赤石温泉白樺荘に寄り、温泉に入ってさっぱりしてから昼食を済ませて帰路に着いた。静岡市内に戻ると、相変わらず厳しい暑さが続いており、山の涼しさが恋しかった。

参考1.4日目のコースマップ


参考2.4日目の高低図とコースタイム

2019南アルプス山小屋点検:3日目 茶臼小屋~聖平小屋

2019-09-04 20:03:57 | 山登り
3日目は、聖平小屋まで行く予定でコースタイムは4時間弱となっており、かなり楽な行程だ。ただ、2日目と同様、稜線に出ると強風が吹き荒れそうな予報だったので、出発は状況を見極めてからとしてしばらくゆっくりしていた。そして、7:15過ぎに雨の中、出発することにした。

稜線に出ると、やはり強風だったが、吹き飛ばされるほどではない。茶臼小屋で一緒になった単独行の女性も途中で一緒になり、一人では不安だから同行したいという事で、4人で進む。8:45。上河内岳肩に到着する。ここから片道5分ほどで上河内岳山頂に行けるのだが、前に来た時登っているし、登っても景色は全く見えないので、そのまま通過する。


9:30。南岳山頂2702mに到着する。ここまでこれば、危険なガレ場や稜線はない。




途中のお花畑で見かけたオヤマリンドウ。


あとは、聖平へ向かう下山道だ。樹林帯の中に入り風も強くない。


聖平に到着する。


雨も上がってきて、茶臼岳や光岳方面の山並みが見えてきた。


この先をずっと登っていくと聖岳だが、この日は、聖平小屋まで直行だ。


10:49。聖平小屋に到着する。


まずは、受付を済ませ、ウエルカムフルーツポンチを頂くと、やっと人心地になった。


聖平小屋が、今回の点検登山の最後の小屋となり、12時過ぎころ無事終了する。あとは、16:30の夕食まで長いかなあと思っていたが、ストーブに当たりながら、続々と到着する登山者たちとの語らいであっという間に時間は過ぎていった。個性的な登山者がいて、話を聞いていると面白かったが、一番驚いたのが、母親と一緒に小学生の女の子2人、男の子1人の4人のパーティは6年前くらいから登り始め、既に百名山を80数座以上も登っているといい、来年あたりで全員同時に完登できそうだという。女の子の一人は、百名山が終わったら将来はトレイルランナーになりたいという。まさに恐るべき子供たちだ。

聖平小屋の夕食。どんぶりご飯とおでんのボリュームがあったが、何とか完食する。


消灯迄も、ストーブの前で山談議で盛り上がり、山小屋の楽しい時間が過ぎていった。

参考1.3日目のコースマップ


参考2.3日目の高低図とコースタイム


「2019南アルプス山小屋点検:4日目 聖平小屋~聖沢登山口」に続く。

2019南アルプス山小屋点検:2日目 茶臼小屋~光小屋~茶臼小屋

2019-09-03 21:09:52 | 山登り
前日の夜から雨が降り出し、2日目は1日中雨の予報だ。6時過ぎに茶臼小屋を出発する。10分ほどで稜線に出ると周りは白いガスで覆われ展望は全く見えない。


6:30。茶臼岳山頂2604mに到着する。今回の山行では初めてのピークだ。さすがに風が強く、のんびりしている余裕もなく、通過するだけだ。


以後は、雨風が強く、写真を撮る気力もなくひたすらアップダウンを繰り返し、希望峰、易老岳を通過し、光小屋を目指す。10:40。茶臼小屋を出て4時間40分ほどで光小屋が見えてきた。


光小屋は、昨年100名山達成の時に宿泊して以来だ。また、3ヶ所目の点検対象小屋でもある。Iさん達が点検している間、小屋番のご夫婦たちといろいろ話をしていたが、私が光岳で百名山達成したという話をしたら、奥さんの手作りだという百名山完登の記念バッジを頂くことが出来た。光小屋は9月中旬で小屋閉めするそうだが、今年をもって現在の小屋番を引退するという。小屋番を始めてから40年もの長きにわたって奥深い南アルプスの山小屋で小屋番を夫婦で務めたというのは大変なことだ。本当にお疲れ様でした。


点検が終わり時計を見るとまだ12時前だ。当初は、光小屋に宿泊する予定だったが、このまま小屋にいてももう何もすることがない。3日目の行程が長いこともあり、このまま頑張って茶臼小屋まで戻ることにした。

光小屋を出て、しばらくは雨風が止み、少し山並みが見えてきていた。


13:26。易老岳の分岐に着く。


15:12。希望峰に到着する。この辺りから雨風が酷くなり、強風で横殴りの大粒の雨に降られる。雷も鳴り響き、稜線に出るのが怖くなった。


その後は、雷が鳴ることもなく、雨も小康状態となった。何とか茶臼岳を通過して、稜線から茶臼小屋方面に下る。16:36。無事茶臼小屋に戻ることが出来た。休憩を含めた歩行時間は10時間30分で、距離16.4キロ、上り累積標高1722mと結構ハードな行程であった。1日中雨風の中を歩いたせいで、カッパの中も湿ってずいぶん体が冷えてしまったが、小屋の中の温かいストーブに当たり生き返った。ただ、頑張って歩いたおかげで、翌日の行程がずっと楽になったのは確かだ。

参考1.2日目のコースマップ


参考2.2日目の高低図とコースタイム


「2019南アルプス山小屋点検:3日目 茶臼小屋~聖平小屋」に続く。

2019南アルプス山小屋点検:1日目 畑薙大吊橋~茶臼小屋

2019-09-02 22:03:00 | 山登り
8/29~9/1にかけて、南アルプスの山々を歩いてきた。今年の夏に南アルプスに行くなんて予定はなかったのだが、直前になって知り合いのIさんから南アルプスの山小屋の点検業務という仕事を会社で受注したので、一緒に行かないかとお誘いがあったのだ。もちろん、私が点検をできる訳はないのだが、山という特殊な場所だけに、同行してくれるだけでいいという事で、ありがたくお誘いを受ける事にしたのだ。

前日の夜、静岡市内でIさんとSさんを乗せ、畑薙ダム手前の夏季臨時駐車場に車を止め仮眠する。翌朝6:45、臨時駐車場から井川観光協会の送迎車に乗る。今年、井川観光協会の送迎バスの運行は行わないという状況だったのだが、8/26から急遽運行が決まったという事で、ラッキーだった。


30分ほどで、畑薙大吊橋前の茶臼岳登山口に到着する。畑薙大吊橋は、長さ181mもあり、スリル満点な吊橋である。


吊橋を渡り切ったところ。初めてこの吊橋を渡ったが、この長さは、半端じゃない。できるだけ下を見ないようにソロソロと歩いたが、やはり怖いものは怖い。渡り切った時は、ホッとした。


その後、しばらくは沢を何度か渡る。沢の流れは、結構激しく、木橋を渡るのもヒヤヒヤものだ。


もともとは、鉄枠とワイヤーで立派な吊り橋が架けられていたようだが、激流に土台の部分が流されてしまい、無残にも残骸が残っているだけだ。


7:47。急坂を登りきるとヤレヤレ峠に到着する。ホント、ヤレヤレといった気分で小休止する。


再び、木橋を渡る。ここも、吊橋が流されて残骸が残っている。


近くの斜面は、大きく土砂崩れしていて、木の根が剥き出しになっている。


8:41。ウソッコ沢小屋に到着する。この小屋は無人小屋で、今回の点検の対象ではないそうだ。


ウソッコ沢の先にも、激しい流れの場所がある。


激しい流れの上に架かる木橋を渡る時は、最大級の緊張が強いられる。


9:56。中の段に到着する。


10:30。沢を渡ると小屋が見えてきた。今回、最初の点検対象となる横窪沢小屋だ。


この小屋は8/30で小屋閉めするという事で、ぎりぎりで間に合った。小屋番一人という小さな山小屋だ。




小屋番さんの話では、この夏は天候が悪い日が多く、登山者がかなり少なくて小屋番の仕事もあまりやることがなかったそうだ。山の中腹にあるため他の山々を仰げるような景色は無いが、水場が充実しており、小屋自体が樹林帯の中にあるため、空気がきれいで静かな隠れ家的な山小屋だ。私は、Iさん、Sさんが点検をしている間、あとから来た登山者たちと話をしながら1時間ほど休憩していた。


13:44。樺段に到着する。


今までは樹林帯ばかりだったが、やっとお花畑が出てきた。


トリカブト。


マルバダケブキ。もう終わりに近い。


南アルプスには、こんな立派なキノコも生えている。ただし食べられるかは保証の限りではない。


14:30。前方に赤い屋根の建物が見えてきた。


この日、2番目の点検対象となる茶臼小屋だ。大きな建物が、客室と食堂になっている。左側の小さな建物がトイレだ。


トイレの周りで点検作業を行っている二人。


私が小屋の周りを散策していると、雲間の切れ間から富士山が一瞬姿を現した。


1日目は、茶臼小屋でそのまま宿泊する。この日の宿泊者は、我々3人と後から登ってきた男女2名、男2名の7人だけという貸し切り状態だった。

参考1.1日目のコースマップ


参考2.1日目の高低図とコースタイム


「2019南アルプス山小屋点検:2日目 茶臼小屋~光小屋~茶臼小屋」に続く。