とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

『プリンセス・トヨトミ』万城目学(まきめ まなぶ)著

2011-08-21 18:16:41 | 読書
プリンセス・トヨトミ
クリエーター情報なし
文藝春秋


ひところ映画館の予告編で何度も見ていて、ちょっと気になっていた映画だったが何時の間にか終わってしまい見そびれていた。しかし、映画を見る前に原作を読んでおくのもいいかなと思い図書館で予約だけしておいた。人気があるようで予約数もかなりあったが、回転がいいのか意外と思ったより早く借りることが出来、先日一気に読んでしまった。

この作家の作品では、映画版「鴨川ホルモー」を見たことがある。京都を舞台にした一風変わった話で、大学同士で「ホルモー」という怪しげな競技大会を行うというものだ。しかも人間が鬼や式神を操って相手の部隊を殲滅させるという摩訶不思議でありえないような話だった。そんな作品を書いた人だから、こちらもありえないような怪しい話だろうと半ば期待して読み出した。

大まかなあらすじは下記のとおり(ウィキペディアより)

5月31日の木曜日、午後4時。突如として大阪府で一切の営業活動、商業活動が一斉に停止した。物語はそこからさかのぼること10日前、東京から訪れた会計検査院の調査官3人と、空堀商店街に住む2人の中学生の、一見何の関わりもない行動を中心に描かれる。
会計検査院第六局所属の松平・鳥居・旭の3人は実地検査のため大阪を訪れる。そのリストの中には謎の団体「社団法人OJO」が入っていたが、期間中にOJOの検査をできないまま一旦帰京する。一方、空堀中学校に通う大輔と茶子は幼馴染。長い間女の子になりたいと思っていた大輔はセーラー服姿で登校することを夢に見て、実行に移す。しかし、彼を待っていたのは壮絶ないじめであった。
週が明けて火曜日、ある理由で大阪に残っていた松平はOJOの実地検査ができることを知り、現地へと向かう。一方の大輔はその日、担任教師に早退を命じられ、父親とともにある場所へと行くことになる。松平と大輔の2人が見たものは地下に眠る「大阪国」であり、大輔は父が大阪国の総理大臣であることを告げられる。
「大阪国」は35年間で日本国政府から175億円もの補助金を受けていたが、肝心なことを国との条約を盾に語らない。松平はこの「大阪国」の不正を明るみにするために対決することに。そんな中、大輔へのいじめがエスカレートし、茶子はいじめた相手への襲撃を決行するが、そのことが思いもよらぬ事態へと発展する。
それぞれの思惑と誤解が交錯したとき、長く閉ざされていた歴史の扉が開かれる。

日本国の中に「大阪国」という別の国家が存在していたという、これまた荒唐無稽といわんばかりの話だ。大阪人は、日本人でありながらいざという時は大阪人として決起して立ち上がるという。いざという時とは、彼らが信奉する豊臣家の末裔である王女に危機が迫った時なのである。この事実は、日本政府の中枢と大阪人の男しか知らないことであり、王女自身も知らないことなのだ。日本国と大阪国は条約を結び、年間5億円を日本国が大阪国のダミー法人OJOに寄付をしている。国家から独立している会計検査院はこのことについて疑問を抱き検査官が調査に入るというのが物語の発端である。まあ、こんな面白そうな話を真面目に書かれているので結構読み進んでしまう。

話の骨格は400年にわたりあるものを守り続けてきた大阪の男たちと、それを知らずに大阪へやってきた会計検査院との攻防を軸に描かれるが、結局は親子の絆を描いた人情話でもある。「プリンセス・トヨトミ」に危機が迫った時、大阪が停止してしまうあたりの件は、何が起こっていくのだろうという期待と面白さにワクワクした。だが、意外と結末はあっけない。結果的に会計検査院と大阪国の話合いは合意にいたり、翌日には大阪国は表面上消え去り、もとの大阪府民に戻っていく。大阪出身の作者は、荒唐無稽なファンタジーではなく、中央への反骨精神を持つ大阪人の気質と親子の絆を一番描きたかったようだ。

最後の辺りは、真面目すぎて面白みがなくなってしまったが、こんな奇想天外なストーリーを良く考えついたものだと感心した。そして、笑えるオチとしては、「大阪国」のことは大阪の男だけでなく、女もみんな知っていたという事だ。大阪の女(とくにオバチャン)は何もかもお見通しで、男たちを黙って見守っていたという。さすが、大阪のオバチャンは強しである。

原作者は、遊心が豊富なようだ。東京側の会計検査院の職員が松平とか旭、鳥居という名前で徳川を意識するのに対して、大阪側は真田とか橋場、島、蜂須賀という豊臣を意識した名前になっている。この辺りを注意して読むと時代物が好きな人には面白いかもしれない。そして、映画と原作が違う点はいくつかあるようだが、一番の違いは会計検査院の旭 ゲーンズブール(女)と鳥居 忠(男)が、映画では旭 ゲーンズブール(男)と鳥居 忠子(女)になって男女が入れ替わっていることだ。原作では旭 ゲーンズブールは日本人とフランス人のハーフで、すれ違った男性のほとんどが振り返る程の長身で美貌の持ち主となっている。映画は男性の 岡田将生が演じ、鳥居 忠子を綾瀬はるかが演じていたようだ。さすがに綾瀬はるかは原作どおりの旭 ゲーンズブールを演じることは無理だったろう。しかし、映画も旭 ゲーンズブールは女に演じて欲しかった気がする(映画を見てないので断定はできないが…)。

測るアプリ「Smart Tools - ツールボックス」

2011-08-20 20:25:56 | グッズ
またまた、Androidスマートフォン向けの面白いアプリを見つけた。
「Smart Tools - ツールボックス」というアプリで定規や分度器、コンパスなど、さまざまな「測る」機能を搭載している。

機能の内容はこれだけある。
①小さい定規&分度器:画面タッチタイプを利用して、長さや角度を測る。3種類の分度器と水準器もある。


②距離と高さ測定器:1~50mの距離を想定し、高さ、幅、面積を測定する。


③コンパス:コンパス、金属探知機能を持つ磁場測定。


④騒音と振動測定器:端末のマイクで周辺の騒音の大きさをキャッチし、加速度センサーで振動を測定する。


ホームセンターに買い物に行った時など、ちょっとした物のサイズが気になって測りたいのだがメジャーを忘れてしまい困ったこと等がある。このアプリがあれば、そんな時でも簡単に測る事ができる。また、分度器も付いているのがありがたい。分度器なんてめったに使うことがないので、必要な時探しても見当たらないことが多い。そんな時でも、これがあるので心配ない。そして、水準器まで付いてるなんて素晴らしい。

カメラを使っての建物の高さや距離を測るのも楽しい機能である。ある程度の誤差はあるようだが、おおまかな数字がわかれば参考にはなる。できるだけ正確に測定するのは、事前にスマートフォンの高さや水平を調べて設定しておくといいようだ。

その他、面白い機能としてはコンパス機能に金属探知機能を持つ磁場測定機能が付いていることだ。探知機に反応しそうな金属をハンカチの下などにおいていくつか並べ、どこに入ってるか探すなどのゲームに使ってみるのも面白いようだ。また、簡単な騒音計や振動計として使えるのも面白い。騒音計では、「80dB:地下鉄の騒音、掃除機」や「20dB:木の葉の擦れる音」など、レベルを分かりやすく表示している。

このアプリは、それぞれの機能ごとに78円などでバラ売りもされているが、14種類のセット購入なら196円である。これだけの質の高い機能が付いているので無料というわけにはいかないが全機能を含んでも196円なら安いものだ。さっそく全セットで購入して使ってみている。なかなかの優れものアプリである。

スイカ、今度はバッチリ!

2011-08-19 00:02:33 | 
しばらく前に、我が家の畑で採れたスイカはまだ白かった。
そこで、じっと我慢して10日ほど経った。
スイカの前後のツルが枯れた様子をしっかり確認して3個ほど採ってみた。


スイカは細長く「小玉スイカ」と呼ばれるものだ。
ペットボトルくらいの大きさなので二人で食べるには丁度いい。
早速一つ切ってみた。


中身を見てビックリ。
真っ赤に熟れ、皮の直ぐ近くまでビッシリ詰っていた。
まさに最高の出来である。
冷やして食べてみたが、味も甘くてバッチリだった。


初めて作ったスイカだが、こんなに上手くできるとは思わなかった。
その後も、畑に行く度に小さなスイカが成っているのを見つける。
カラスに突っつかれ、泣く泣く処分したのもあるが
一軒で食べるのは、有り余るくらいの収穫になりそうである。
既に何軒かに分けたが、まだまだ他の家に分けてあげられそうだ。

2011扇沢~針ノ木雪渓~針ノ木岳~種池~扇沢縦走 3日目

2011-08-18 00:02:28 | 山登り
3日目の朝もいい天気だった。5時の朝食前に外に出てみると、山の上に満月が輝いていた。


日の出が見えるかと東の方向を見てみたが、東側は岩小屋沢岳に隠れ、日の出は残念ながら見えない。空が赤みを帯びてきていたので多分日が昇っていたことだろう。


南側の山の上に、大きなレンズ雲が浮かんでいた。まるでハンバーガーのようだ。


6時頃、新越山荘を出発する。


開けた尾根の上に出ると、立山連峰、剱岳がこの日もしっかり見えた。このコースは、本当に立山、剱の絶好の展望コースである。


こちらは、これから登る岩小屋沢岳、爺ヶ岳、鹿島槍等だ。


後ろを振り返ると、昨日登ってきた鳴沢岳、赤沢岳などが見え、鞍部には新越山荘の建物も見える。


更に進んでいくと、またもやサルの群れに出会う。この山域はサルが結構生息しているようだ。

岩の上に佇む一匹のサル。景色を楽しんでいるのだろうか?


斜面に立ち並ぶ四つの影。人影ではなくみんなサルである。


口には、木の実らしき物をくわえている。


サルを刺激しないようそっと通り過ぎる。前方には、鹿島槍が大きく見えてきた。


6:54岩小屋沢岳2630mの山頂に到着する。針ノ木岳、スバリ岳、赤沢岳、鳴沢岳はそれぞれ厳しいアップダウンがあったが、岩小屋沢岳だけはそれほどきつい登りはなく、景色を楽しんでいるうちに簡単に到着した感じだった。


あとは、種池まで下るだけである。この辺りから、花が多くなってきた。みんなで花の写真をとりまくる。

マルバダケブキ


イブキジャコウソウ


ハクサンフウロ


ハクサンフウロが一面に咲いている。これほど多いと壮観である。


トリカブト


ミヤマナデシコ


いろんな花を見ているうちに、種池に着いた。


種池の先には種池山荘がある。時間は8:37である。新越山荘からは約2時間半ほどで着いた。ほぼコースタイムどおりだ。


種池からは、kazukawaさんと別れる。Kazukawaさんは数十年前に登ったが、もうほとんど記憶がないので、もう一度爺ヶ岳に行ってみたいとの事だった。我々夫婦は、以前鹿島槍に登った時爺ヶ岳も通過しているので今回はそのまま柏原新道を下山することにした。柏原新道は種池山荘オーナーの柏原正泰氏が昭和30年代後半から昭和41年頃にかけて自らツルハシやスッコプを手に持ち、独力で開けた登山道だ。今では代表的な北アルプス入門コースの一つになっている。


ほとんど樹林帯の中を歩くコースだが、一部こんなガレ場もある。


コース上も最も危険な場所だ。落石の危険があるので慎重に一人づつ通過する。


2時間ほど歩いた頃、「駅見岬」の看板があるところにでた。何だろうと思って前を見ると扇沢バスターミナルと駐車場が見えた。駐車場は、ほぼ満車状態だ。相変わらず多くの登山者が入山していることがわかった。それにしても、まだまだ遠く見える。妻は、大分疲れてきたことと、同じような道に飽きてしまったようだ。


休憩を何度も入れながら、さらに1時間ほど歩くとやっと柏原新道の終点が見えてきた。もう少しである。


やっと登山道の終点である。記念写真を撮ろうとカメラを構えたところ後方から見覚えのある人の姿が見えた。なんと爺ヶ岳往復後、休憩もなしで追いついてきたkazukawaさんだった。爺ヶ岳は空荷で登ったとはいえ往復1時間半はかかるはずである。そのハンディを乗り越え、最後に我々夫婦に追いついてしまったとは、なんという健脚であろう。さすがベテランの山男である。


その後は、車道を15分ほど歩き扇沢の駐車場に戻った。


3日間の山行で体中汗臭くなっていた。靴を履き替えると直ぐにでも温泉に入りたい。片付けもそこそこに大町温泉郷の「薬師の湯」に直行である。山行の後は温泉が待ち遠しい。温泉で汗を流しサッパリして帰宅となった。今回は3日間ともいい天気で、カッパを着る必要がなかった。まさに最高の条件で北アルプスを堪能できた3日間でもあった。

2011扇沢~針ノ木雪渓~針ノ木岳~種池~扇沢縦走 2日目

2011-08-17 00:02:40 | 山登り
2日目も早朝からいい天気だった。朝食前に針ノ木小屋前からご来光を拝みたかったが、蓮華岳が影になって小屋からは見ることができない。しかし、小屋から見える山々がアルペングリューエンに染まり、雲がモルゲンロートに染まる様もいいものである。

左が白馬岳、中央の双耳峰は鹿島槍、右が爺ヶ岳


左から槍ヶ岳、野口五郎岳、水晶岳、赤牛岳


中央に穂高連峰と槍ヶ岳


6:10針ノ木小屋を出発する。


針ノ木岳へ向かう途中、ライチョウを見かける。こんな天気がいい日にライチョウを見られるなんて珍しいことだ。




針ノ木岳への稜線には、奇岩をいくつも見かける。しかし、空の色は呆れるほど濃い青だ。


さらに山頂目指してガレ場を進む。


眼下に目を落とすと、まばゆいばかりの太陽の光に照らされた雲海が広がっている。


登山道沿いには、お花畑が広がっておりウサギギクの黄色い花がたくさん咲いている。


尾根のコルから剱岳が見える。


7:23針ノ木岳2820mの山頂に到着する。槍、穂高が一望である。


立山連峰、剱岳も一望だ。眼下には、黒部湖のコバルトブルーが目にしみる。


針ノ木岳からの展望を充分楽しみ、次のピークを目指し下り始める。


後ろを振り返ると、針ノ木岳の荒々しい姿が良くわかる。


次のピークであるスバリ岳への稜線だ。


岩場の間を、スバリ岳へ向けて進む。


スバリ岳山頂が見えてきた。小さな岩がゴロゴロした不安定な急斜面が続く。


8:44スバリ岳2752mの山頂に到着する。ここからも立山連峰、剱岳、黒部湖などの景色が素晴らしい。


赤沢岳への鞍部まではいくつかのコブを越えながらの緩やかな下りが続く。


東側の谷からガスが沸きあがってくる。


赤沢岳山頂の黄色い標識が見えてきた。


11:11赤沢岳2677mの山頂に到着する。全体的に雲が多くなってきた。


赤沢岳からの下りは、東側が真っ白けになってきた。


トウヤクリンドウを多く見かけるようになった。トウヤク(当薬)とはセンブリのことで、胃薬として利用できることによる。


12:46鳴沢岳2641mの山頂に到着する。もう辺りは真っ白けだ。


鳴沢岳山頂でもライチョウの親子を発見する。一日に何度もライチョウを見かけるのも珍しいことだ。




驚くことに赤い肉冠(にっかん)が特徴的なオスのライチョウも出現する。


鳴沢岳を下り始める。ガスで覆われた前方のピークの斜面に二人の登山者のシルエットが映る。


更に下っていくと、サルの集団に出会う。何やら木の実を熱心に食べていたようだ。


これは、ベニバナイチヤクソウ。「一薬草」の名は、一番よく効く薬草の意味で、強心・抗菌などの作用があり、切り傷や虫刺されには、生の葉をもんで汁をつけると効果があるという。


14時頃、今夜の宿の新越山荘に到着する。あと2時間半ほど歩けば種池までいけるが、無理はしないで新越で良しとする。新越山荘は13年ほど前建替えしたそうで、きれいな山小屋だ。多くの登山者は種池山荘や針ノ木小屋に行ってしまうので、この小屋は比較的空いているようだ。おかげで部屋は余裕で使うことができる。

夕食後時間があったので、夕焼けを期待して小屋から10分ほど登った尾根まで歩く。だが、あいにく雲が多く夕焼けもよく見えない。剱岳のまわりも雲で覆われてしまった。




暗くなった登山道をゆっくり引き返し小屋に戻った。この小屋の消灯は午後8時だ。8時ちょうどに照明が消え寝る事にした。隣室の人のいびきが酷く眠れない人が何人かいたようだ。

3日目に続く。

2011扇沢~針ノ木雪渓~針ノ木岳~種池~扇沢縦走 1日目

2011-08-16 18:28:48 | 山登り
8/12夜から8/15にかけて北アルプスの針ノ木岳、蓮華岳、スバリ岳等の6つの山々を縦走する目的で夏山登山に行って来た。今回は、我々夫婦と山友達でもありマラソン友達でもあるkazukawaさんの3人だ。

まずは、長野道豊科ICを降りて立山黒部アルペンルートの扇沢バスターミナルに向かう。深夜1時過ぎに扇沢の公共無料駐車場に着く。深夜というのに。駐車場はほぼ満車状態だ。広い駐車場の中をぐるぐる回り、やっと路肩に1台だけ泊まれるスペースを発見して何とか車を滑り込ませる。有料駐車場は空いていたが、1日千円のお金をだすのはもったいないので無料スペースに止めることができて一安心。トイレもそれほど遠くないのでラッキーだった。

数時間、車中で仮眠して5時に起きる。朝食と身支度を整え6:15に歩き出す。バスターミナルにはアルペンルートの乗車チケットを求める観光客が長蛇の列を作っていた。


我々は、長蛇の列を尻目に左側の登山口に向かう。入口で登山届を書いていよいよ入山だ。


登山道から車道を何度も横断しながら進み、1時間ほどで最初の水場に到着する。雪解け水が流れる沢の水は冷たく透き通っている。乾いた喉に水を流し込むと体全体に染み込むように潤っていく気分になる。太陽の光でキラキラしている水面が眩しい。


山道には、シモツケソウなどの花も咲いてお花畑が続く。


水場から20分ほどで、大沢小屋に到着する。


大沢小屋の入口前には、大正から昭和にかけての歌人であり登山家でもある百瀬慎太郎のレリーフが飾られている。レリーフには、多くの登山家に親しまれた「山を想へば人恋し、人を想へば山恋し」のフレーズが刻まれている。また、大沢小屋、針ノ木小屋とも百瀬慎太郎が創設した小屋である。


大沢小屋を出ると、いよいよ針ノ木雪渓が見えてくる。針ノ木雪渓は白馬大雪渓、劔沢雪渓と共に日本3大雪渓に数えられ、夏の季節は人気の登山コースである。


しばらくは、花を見ながら沢沿いを進む。


オオバギボウシ


斜面には、ニッコウキスゲ、シモツケソウ、オオバギボウシ等が咲き乱れている。


沢を越えると、いよいよ雪渓のとりつけ口となる。


雪渓手前で、アイゼンを取り付ける。


青空を見上げると、沸き立つ雲と一筋に伸びた飛行機雲が見える。


雪渓を歩き出す。時折体に感じる風は、ひんやりとして気持ちいい。


見上げると、上まで雪渓が続いている。


激しい雪解け水の流れを渡る。上手くわたらないと、足元が水でずぶ濡れになってしまいそうだ。


沢を渡りきったところで、雪渓を登らず右手岩場のなかの高巻き道を通ることにする。この辺りの上部を『ノド』と呼ぶらしいが、小屋の情報によると4月末の雪崩で下部に雪が溜まったことによるのか『ノド』近辺の雪渓が例年より早く崩落しているという。安全の為、『ノド』部分は雪渓に乗らずに高巻き道を通って下さいと聞いていたので雪渓歩きはここまでだ。


高巻き道は、いきなりの岩場でクサリのある急坂が続く。


四つん這いになっての登りがしばらく続く。


岩場がなくなっても、滑りやすい砂礫の道が続く。


雪渓を覗くと、雪解けで大きな空洞ができている。たしかに雪渓を歩いていたら、空洞に落ちてしまう危険性がかなりありそうだ。


途中で、大好きなミヤマダイモンジソウを見つける。


後半は、整備された登山道となりジグザグに登っていくと針ノ木峠2536mに到着する。時間は11:55である。なんとか12時前に到着できた。針ノ木峠には、戦国武将富山城主佐々成正が豊臣秀吉に追われ、徳川家康に援軍を請う為冬の雪山越えをしたという伝説が残っているそうだ。そして、すぐ近くには今夜の宿の針ノ木小屋が建っている。


針ノ木小屋で宿泊手続きを済ませ、荷物を置いて蓮華岳に行くことにする。しばらく登ると針ノ木小屋が小さく見える。


蓮華岳へと向かう稜線。


蓮華岳は北アルプス隋一のコマクサ大群落で有名な山だ。






チングルマはもう花が終わっている。


オンタデもコマクサと共に群落となっている。


大町市の繁栄を願って祀られた若一王子神社の奥宮が蓮華岳山頂手前にある。


奥宮から1分ほどで蓮華岳2799mの山頂である。


山頂で展望を楽しみたかったが、あいにくガスが立ち込め思ったほどよく見えない。しばらく休憩してもと来た道を戻る。


時折青空がでたりするが、一瞬だ。帰りもコマクサの群落を楽しみながらの下山となる。


帰り道で小鳥を発見するが、名前は判らない。


針ノ木小屋から蓮華岳の往復は約2時間くらいだ。蓮華岳下山後は、生ビールを飲んでしばらく昼寝する。夕食は6時で、この日のメニューはこんな感じだ。


夕食後は、夕日がきれいに見えるか気になって小屋の外で西を眺めていた。しかし、残念ながらガスがかかり展望はイマイチだ。それでも、雲が刻々と色を変えていく様は、いつ見てもいいものだ。




部屋に戻って翌日の歩きに備えて就寝する。翌日は、針ノ木岳、スバリ岳、赤沢岳、鳴沢岳の四つのピークを越える予定だ.。

2日目に続く。

太陽光発電導入決めた!

2011-08-15 21:57:19 | 太陽光発電
再生エネルギー利用が叫ばれている昨今、我が家でも太陽光発電を導入することを決断した。まだまだシステム全体の費用はかなりかかるのだが、シュミレーションした結果ではほぼ10年から11年で投資した費用がペイできることがわかった。

今後もシステムが安くなることは考えられるが、それと同時に国や県からの補助金の交付も下がるといわれている。また、余剰電力の固定買い取り額も今年は48円から42円に下がっている。固定買い取り額は、太陽光発電の普及がすすめばますます下がっていくだろう。結局、待っていても得にはならないという。

自宅で発電できるということは、電気代の節約と売電収入が純粋なメリットとして積み重なって行くことであり損することはないのである。したがって、太陽光発電を導入するつもりなら今すぐ設置することが間違いないと思った。先日契約を済ませ、近いうちに工事に入ってもらうことになっている。

そして、太陽光発電自体が環境に優しいのは当然だが、経済的なメリットも生まれる副産物的現象もあるという。それは、太陽光パネルを屋根に設置することで建物が熱せられることはなくなり、夏でも涼しいのでエアコンなどの冷房代も節約できるようになるという。エアコンはもとから設置していないが、今より夏が涼しくなるのは確実である。

『下町ロケット』池井戸潤著

2011-08-14 22:58:53 | 読書
下町ロケット
池井戸 潤
小学館


しばらく前に、妻が珍しく自分の金で本を買った。何を買ったのか見たら池井戸潤の『下町ロケット』という本だった。以前WOWOWのドラマで同じく池井戸潤の『空飛ぶタイヤ』を見ていたこともあり、何故か興味を惹いた作家だったらしい。そして購入から数日後、この作品が第145回直木賞を受賞したことを知った。まさに妻の先見の明があったようだ。以後この本は爆発的に売れているらしい。

私も読んでみたいと思っていたが、なかなか読み終わらないので、待ちきれず妻がいない時間に一気に読んでしまった。

内容はこんな感じだ。
今回の受賞作『下町ロケット』は、高い技術を持つが経営に苦しむ小さな製作所が舞台。主人公・佃航平は、かつてロケット開発の研究者だった中年男性。佃は、実家の事業を受け継いで下町の製作所の社長を務めている。社長でありながら、技術研究者としての腕は確かで、夢であるロケットエンジンに関わる技術開発をこつこつと続けていた。ところがある日、資金繰りにあえぐ佃のもとに、ロケットエンジン開発の技術を買いたいという超大手企業からの申し出が舞い込んでくる。しかし佃が夢見ていたのは、自身の作った部品でロケットを飛ばすこと。佃は特許を売るのか、それとも自分たちでの製作にこだわるのか…。

話の筋としては、いわゆるNHKのプロジェクトXで取り上げられそうな話である。巨大なプロジェクトのロケット打ち上げの鍵が、ロケットそのものではなく、その一部品であるということだ。大きな夢を支える小さな技術は下町の中小企業にあった。ただ、その部品がロケットの部品として採用されるまでには、大企業からの嫌がらせや企業買収、経営不安、銀行からの融資拒否など数多くの苦難があった。その苦難を乗り越えていく社長や従業員の苦労が本作ではうまく描かれていた。そして、大企業からの特許侵害訴訟等を逆手にとって大企業をやり込めてしまうあたりは痛快である。

震災や、その後の原発事故で日本人の未来が見えなくなっている今、この本で書かれたような人たちがいることは確かである。“ものづくり日本”の復興への力になりそうな話ともいえる。直木賞の選考委員からも「読後感が非常にそう快であり、震災で少し落ち込んでいる中小企業を救済する良い作品」と評価されているそうだ。

400ページにもわたる長編作であったが、読み出したら止められなくなって一気に一日で読んでしまった。何の為に仕事をするのか、大事なことって何だろうとかちょっと考えさせられた作品である。そして、直木賞の選考委員ではないが、確かに読後感も爽快ですっきりした気分で読み終えることができた。お勧めの一冊である。

そして、この作品は8月21日よりWOWOW「ドラマW」で三上博史主演によるドラマ化も決定しているという。今後は、ドラマを見る楽しみもできた。





ミニヒマワリが咲き出した

2011-08-13 12:29:14 | 
2ヶ月ほど前、ホームセンターで買って来たミニヒマワリの種を鉢に一粒ずつ植えた。芽が出た時はほんとに小さかったが、その後畑に定植後、グングン育ってきた。ほぼ2ヶ月くらいだが、これだけ大きくなると感激もひとしおだ。黄色い大輪の花がもう少しで咲き並びそうだ。畑一杯のヒマワリというわけにはいかないが、数十本のヒマワリが咲き並んだ様子はなかなかいい。植物の生命力というか、自然ってすごいなと思う。






そして、ポーチュラカも以前よりも更に増えて全面、赤黄白ピンクなどの鮮やかな色に覆われてきた。雑草をもっと採っておきたいのだが結構鮮やかな色に隠され目だないようだ。それでも時間があったらこの辺りの草取りもしておかねばならない。まさに草との戦いがこれからも続いていく。




今夜から北アルプスへ

2011-08-12 17:40:22 | 山登り
いよいよ夏休み、今夜から久々に北アルプス縦走に行ってきます。
縦走といっても三日間だけですが、あんまり人が来なくてメジャーじゃないけど
連続するピークを越えていく充実感たっぷりのラウンドコースです。
黒部立山アルペンルートの扇沢から針ノ木岳、蓮華岳、スバリ岳、赤沢岳、鳴沢岳、
岩小屋沢岳と実に6つのピークを越えてきます。
なんといっても、立山、剱岳を眺めながらの展望コースであり
お花畑や、岩稜、雪渓と変化に富むコースなので、いまからワクワクしてます。

山の様子は、16日以降にアップする予定です。