とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

2021第7回熊野古道ジャーニーマラニック:中辺路編その3-3日目(発心門王子~熊野本宮大社)

2021-06-30 22:26:12 | 熊野古道
船玉神社から、わざわざ赤城越をして湯の峰温泉まで行ったのは、約1800年前に発見されたという日本最古の温泉が湯の峰温泉(ゆのみねおんせん)と言われていたからだ。熊野へ詣でる前に、人々はここを湯垢離場(ゆごりば)として身を清め、長旅の疲れを癒したとされる由緒ある温泉だから、どうしてもみんなに泊まって欲しかった。


湯の峰温泉の宿から少し歩くと、谷合いに湧き出る天然の岩風呂「つぼ湯」がある。1日に7度も色が変化すると言われている風呂だ。平成16年7月には、世界遺産としては唯一の入浴できる温泉として登録されている。




また、「つぼ湯」は、餓鬼病となった小栗判官がこの湯に浸かり、死の淵から息を吹き返したという有名な伝説が「小栗判官照手姫物語」として、今でも歌舞伎の世界で語りつがれている。


さて、我々は、湯の峰温泉からバスで発心門王子に向かう。前日、赤城越の分岐で途切れた続きを始めるためだ。30分ほどで、発心門王子に到着して、船玉神社から上がってきたところの鳥居まで歩く。


発心門王子から熊野本宮大社までの古道は、熊野古道中辺路のクライマックスである。熊野本宮大社の神域の入口とされる別格の「発心門王子」から、中辺路の完踏を目指してスタートする。


まずは、舗装された歩きやすい道を進む。


道案内の八咫烏の指示に従って熊野古道を進む。


水呑王子は古い歴史のある王子社のひとつで、平安末期の藤原宗忠参詣記(中右記)に「内水飲王子 新王子」と記載があり、もとは「内水飲」といわれていた。中辺路町高原の熊野道に古くから参詣人の宿になっている場所の「水飲」という場所と区別する為に、それよりも本宮に近いこの地を「内水飲」と呼んだといわれている。江戸時代になって「水呑王子」と表記されるようになったという。


水吞王子だけあって、近くにある湧水を飲んで行く。


次の伏拝王子に向かって進む。


世界遺産に登録された熊野古道小辺路が通る果無山脈。天空の里ともいわれる果無集落もあり、次回に行くであろう未踏の地に思いをはせる。


伏拝王子跡。長く厳しい参詣道を歩いてきた参詣者が、熊野本宮大社(旧社地大斎原)を、はじめて望むことができたため、遠く望んで伏し拝んだとされる場所。


伏拝王子前にはきれいなトイレと休憩所がある。


三軒茶屋跡前にある九鬼ケ口関所。ここは、小辺路と中辺路の分岐点だ。次回予定している小辺路ルートを下ってくると、ここに出るようだ。


熊野本宮大社は、もうわずかだ。シダの生い茂る道を進んで行く。


祓殿王子跡。本宮大社への最後の王子社で、大社と近接する大樹の陰にあり、石造の小祠が祀られている。この王子は、長かった道中の汚れ穢れを払い、身を浄めて本宮大社に参拝するための禊場であった。


本宮大社の裏鳥居から境内に入る。


本宮大社に無事到着。発心門王子から約2時間。7.1キロの道のりだった。


その後、路線バス、高速バス、JRを乗り継いで帰路についた。残りは、小辺路と紀伊路のみとなった。

参考1.3日目の高低図&コースタイム


参考2.3日目のコースマップ