とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

2020霞沢岳登山:2日目

2020-10-06 22:24:24 | 山登り
徳本峠小屋の正面にある本館は、大正時代の建物だが、後方に増築された建物が新館で、快適な山小屋だ。昭和8年に釜トンネルが竣工するまでの上高地へのアクセスは、松本市の野麦街道沿いの集落・島々から、徳本峠を経由して上高地へ行くしかなかった。所謂、「徳本峠越え」といわれるクラシックルートである。徳本峠は、近代登山を日本に伝承したウォルター・ウェストンや芥川龍之介など、数々の偉人も越えた峠だ。有名な先人たちがこの峠を越えたのだと思うと感慨深いものがある。6:30。そんな思いを胸に秘めて、徳本峠を出発して霞沢岳に向かう。


しばらくは、緩やかな登山道を登っていく。山の斜面には、黄色や赤茶けた色が目立ち、紅葉が始まっているのがよくわかる。


みんな、早速カメラを取り出し、紅葉の山々を撮影しだした。


ダケカンバだろうか?空に黄色の葉が一際目立つ。


高度が上がるにしたがって紅葉も進んできている。木々の間から、前穂高岳の姿が見えた。


素晴らしい展望に、みんな見とれている。


7:50。歩き出して1時間20分ほどで、ジャンクションピーク2428mに到着する。ジャンクションと呼ばれるだけにどこかのルートとの分岐なのかと思ったが、それらしき道はなく、霞沢岳に向かう道しかなかった。あとで、小屋番に聞いたところ、昔は近くのピークに向かう道があったらしいが、現在は、誰も行く人はなく、笹薮に覆われて分からなくなってしまったらしい。


ジャンクションピークを過ぎると、一旦下っていく。途中で、大きな崩落場所が見えてきた。青っぽい岩がくっきり見える斜面は、まだ新しい崩落個所だ。最近、上高地周辺で起きていた群発地震で崩落した場所らしい。


前方に尖がったピークが見えてきた。これから目指す、K1、K2、霞沢岳のピークらしい。


K1ピークに登るには、紅葉の森の中を一旦グングン下っていく。




北東側に目を向けると、梓川の流れを挟んで、常念山脈や奥穂高岳、明神岳などが見える。


北側には、六百山を挟んで奥穂高岳とジャンダルムが圧倒的に迫ってきている。


K1ピークの登りは、急斜面で延々とロープが続く。ほぼ直登と言っていい。


9:57。K1ピーク2567mに到着する。ここから、霞沢岳山頂に至るまでの稜線は、360度の大展望が広がり、まさに感動ものだ。


穂高連峰の山並みの後ろには、端正な円錐状の笠ヶ岳も展望できる。そして、梓川の畔に立つ赤い屋根の建物は、上高地帝国ホテルだ。


K1ピークから下って、再び登り返すと、急峻な岩場を乗り越える。


さらにひと登り。K1ピークがもうあんなに遠くなってしまった。


10:15。K2ピークに到着する。ここには、何の表示もなく、小さいケルンがあるのみで、うっかり通り過ぎてしまいそうだが、まぎれもなくK2ピークである。K1ピークのような立派な標識をつける予算がなかったというのが真相らしい。ところで、何でK1・K2という名称が付いているのか徳本峠小屋の小屋番に聞いたところ、名前を付けた人がヒマラヤのK2に憧れ、たんに霞沢のKを頭につけたという事だった。


10:35。ついに日本二百名山・霞沢岳山頂2646mに到着する。去年、計画が流れて1年越しの念願の山だったが、無事に登頂できて良かった。


女性陣も大展望の景色に見とれている。


西側には、噴煙を上げている焼岳が、こんなにも間近に見える。


ひとしきり、展望を楽しんだ後は、元来た道を戻っていく。K1ピークの下りは、ロープを伝って降りると意外と楽で、アッという間に下まで下りることが出来た。


途中で見かけた水たまり。光の加減で白く見え、雪渓かと一時は勘違いしてしまった。


霞沢岳と徳本峠の標高差は、500mほどだが、累積標高差で見ると1000m以上にもなる。それだけアップダウンが激しいという事である。前半で体力を使い切ったせいか、後半の徳本峠迄の帰り道が遠くて長く感じた。それでも、14時半過ぎには小屋に戻ることができてホッとした。

健脚の人なら、そのまま上高地まで下って帰ることもできるのだろうが、今回は徳本峠小屋に連泊してゆっくり下山の予定である。もう1泊、快適な山小屋生活を楽しむ事とした。

参考1.2日目のコースマップ


参考2.2日目の高低図&コースタイム


「2020霞沢岳登山:3日目」に続く。