とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

2018長浜曳山祭

2018-04-20 19:16:08 | 観光
天女の羽衣伝説マラソンの翌日は、毎年どこかに観光して帰っているのだが、もういろんなところに行きつくしているので、今回は6年ぶりに長浜曳山祭を見物して帰ることにした。長浜曳山祭とは、滋賀県長浜市で毎年4月に開催される祭で、京都の祇園祭、高山市の高山祭と並んで日本三大山車祭の一つに数えられている。2016年には、ユネスコ無形文化遺産にも指定された山・鉾・屋台行事の一つである。

6年前に見物した時に見た子供狂言が素晴らしかったので、もう一度見たくなりみんなを誘って長浜に向かった。まだ、雨が少し降っており人出が少ないのではと思っていた。案の定、9時過ぎに長浜に着いたが、駅前周辺の駐車場はガラガラだった。目的の子供狂言は、1回目が10時~、2回目が12時~という事なので、まず長浜市曳山博物館で、長浜曳山祭の歴史や見所などを勉強していく。

長浜市曳山博物館に展示されている本物の曳山。長浜には13基の曳山が伝わっており、露台に太刀を飾る飾り山形式の曳山である長刀山1基と舞台を備えた12基のうち4基の計5基が毎年祭に出場する。展示されている曳山は、今回出場しないものだ。


顔はめを楽しむ仲間たち。


博物館を出て、通りをブラブラしているうちに一気に人が増えてきていた。仲間ともバラバラとなってしまい、何処にいるかもわからないので曳山のスタート地点である長浜八幡宮まで行ってみる。ちょうど1回目の子供狂言の後半部分をやっていたので、見物していく。




最後の場面で、曳山の先端に立って子供役者が何やら見栄を切っているのがカッコよかった。




狂言が終わり、曳山が移動を始めた。まだ、雨がパラパラ降っているので周りにはビニールシートが掛けられている。


曳山が重いので向きを変えるのも大変なようだ。


通りに曳山が無事入った。これから街の中を曳きまわし、次の場所で2回目の子供狂言が行われる予定だ。


2回目は、長浜曳山博物館前で行われるという事なので、開始予定時間の30分前くらいからいい場所を確保するために曳山が来るのを待っていた。12時を少し回ったころ、長浜八幡宮で見た曳山がやってきた。4基ある曳山の1番山で、猩々丸という曳山だ。


まず最初に演じられるのは、一番山で演じられる「三番叟」だ。三番叟とは、能の演目「翁」から派生したものである。「翁」は番付の最初に演じられため、子供狂言でもそれに倣い、幕開けに演じられているものだ。






さて、これから演じられるのは「ー谷嫰軍記 熊谷陣屋の場」という演目だ。
「あらすじ」~パンフレットより~
 源平合戦の折、一谷の熊谷陣屋に、源義経の家来熊谷次郎直実の妻相模と敵方の平敦盛の母藤の方が、それぞれ初陣である、熊谷の息子小次郎と敦盛の安否が気がかりで訪ねてくる。そこへ沈痛な面持ちの熊谷が帰ってくるが、思いがけない妻相模と藤の方の姿に驚く。実は、熊谷は藤の方の息子敦盛を討ち果たしていた。熊谷は、戦場の様子を丁寧に物語り、藤の方は涙にくれる。
 陣屋には、敦盛の首を実検するため主君義経が待っていた。首は敦盛ではなく熊谷の息子小次郎のものであったが、義経は敦盛だと断言した。実は、敦盛の本当の父親は後白河法皇であり、敦盛の命を助けよと義経は熊谷に命じていた。主命にこたえるため、熊谷は同じ年頃の息子小次郎の首を身代わりにしたのだった。相模は出立前の小次郎の笑顔を思い出し涙にくれ、事態を知った藤の方も呆然となる。
 また、この陣屋に、平家にかかわりある石屋の弥陀六がいたが、弥陀六はその昔、幼い義経の命を助けた平宗清という平家の侍だった。宗清の顔を覚えていた義経は恩に報いるように、藤の方と敦盛を弥陀六に託す。
 子を失い、生きる意味を失った熊谷は、戦乱の世の無情を感じ、息子小次郎が生まれてからの十六年の月日が夢のようだと呟きながら、出陣の太鼓鳴り響く戦場を離れ、出家し行脚の旅に出る。

熊谷次郎直実の妻相模。


熊谷次郎直実。


熊谷次郎直実は、戦場の様子を丁寧に物語り、藤の方は涙にくれる。






陣屋には、敦盛の首を実検するため主君義経が待っていた。




義経は恩に報いるように、藤の方と敦盛を石屋の弥陀六に託す。


最後に登場人物が出揃い、演目終了だ。




40分ほどの演目だったが、本当に素晴らしい。演じているのは、8歳~11歳の少年たちだ。特に熊谷次郎直実役の少年は声も張りがあり、とても子供とは思えない立派な芝居だった。6年前に見た時も、子供たちの名演技に感動したが、今回もとても良かった。日本の伝統文化を子供たちが一生懸命守っているという事が素晴らしい。早めに来ることが出来、間近で見られた事はラッキーだった。

帰り道で見かけた恐竜のフィギュア。長浜にはマニアにはたまらない海洋堂フィギュアミュージアムもある。今回は寄らなかったが、結構楽しめるミュージアムだ。