とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

2018神戸ええとこマラニック:後半

2018-03-15 18:54:55 | マラソン
須磨海浜公園を出て山陽本線の開かずの踏切をやっと抜けると綱敷天満宮だ。菅原道真が京都から大宰府に配流の折に船が難破し、ここ高塚の浜に漂着した。その時、地元の人たちが船の綱を円座に敷いて迎えたという故事により、社殿が造営され綱敷天満宮といわれるようになったという。


綱敷天満宮には多くの縁起物がある。まずこれは、願いをかなえる「なすの腰かけ」だ。「なす」の花は一つの無駄もなく実を結び、また「成す」と語呂が同じ処より努力はむくわれ願いが叶えられるという縁起をふくむことから、願いを込めて「なす」に腰かければどんな願いも叶えられるという。


道真公がお休みになられたとされる漁網の円座を模した縁起物「綱敷の円座」。


~波乗り祈願像~サーフボードを持たれた道真公。「波乗り祈願」とは、成功を収めるために、うまく時流の波に乗ることを祈願するものらしい。綱敷天満宮の近くには、古くから風光明媚な景勝地として親しまれている須磨の浦があり、夏ともなれば、須磨海岸には、多くの若者や家族が訪れ賑わう。そこで、須磨の海でサーフボードを抱える幼少時代の菅原道真公をモチーフに制作建立したとの事だ。まさか、本当に道真公がサーフボードをしていたわけではあるまいに。


菅公母子像(菅原道真公の母君に抱かれる像)。


サーフボード型の石畳がある波乗り坂を抜けて綱敷天満宮を後にする。そこから、山側に向かって坂を上っていくと須磨寺だ。正式名は上野山福祥寺であるが、古くから「須磨寺」の通称で親しまれている。「源平ゆかりの古刹」として全国的に知られており、源平の浪漫を偲んで訪れる人が数多いという。広い境内のあちこちに句碑・歌碑が点在し、平敦盛遺愛の青葉の笛や弁慶の鐘、さらに敦盛首塚や義経腰掛の松など、多数の史跡がある。

須磨寺の山門前に、「祈りの回廊・亜細亜万神殿」という神殿がありちょっと入ってみると、白い服の女性が音楽に合わせて何やら踊り出していた。何をしているのか良く分からないが、しばらく見学していく。




亜細亜万神殿というのは、どうもネパールのお寺とアジアの石像の回廊らしい。何でも、ネパール大震災復興を記念して建てられたお堂のようだ。それにしても、須磨寺の前に、このような仏像があるというのにはビックリした。


須磨寺の山門を抜け中に入ると、騎馬武者の像が建つ庭に出る。今から八百年前の平敦盛・熊谷直実の一騎討ちの場面を再現した“源平の庭”だ。当時十六歳の無官太夫平敦盛が一の谷の浜辺において、源氏の武将熊谷直実に討たれた話は平家物語の中で最も美しく、最も悲しい物語として古来語り継がれている。


これは須磨寺の宝物館にある青葉の笛である。右の太い笛が青葉の笛で左の細い笛が高麗笛=小枝(さえだ)の笛である。平家物語の記述によれば敦盛公が持っていた横笛をさえだとぞ申しけるとあり小枝(さえだ)の笛が適切な呼び方としている。源平盛衰記でも夜深くまで冴えるということでさえだと呼ばれると記述されているそうだ。


小石人形舎。アートデザイナーの故木島武雄氏が須磨や各地の小石を集めて、自然の造型をそのまま利用して作り上げた珍しい独特の小石人形が展示されている。源平合戦などの情景が、センサーで作動して動き、見る人の心を和ませてくれる。入場無料というのがありがたい。


石の上に顔を載せ、少し手を加えただけでリアルな人形に見えるのだから面白い。


ガラスケースの前に立つと、自動的に幕が上がって小野小町が顔を出す。それにしても、いい具合に形の会う石を選んだものである。


こちらはオモロイ五猿だ。見ザル、言わザル、聞かザル、怒らザル、見てごザル。由来はこんなことが書かれている。
ためにならない態度を見ざる
ためにならない事を言わざる
ためにならない話を聞かざる
ままにならない事を怒らざる
まんまんちゃんは 善い行(おこない)も 悪い行(おこない)も 見て五猿
普通は、「見ざる、聞かざる、言わざる」の三猿であるが五猿というは面白い。猿の頭をなでると手が動いて目を覆ったり耳を塞いだりする。何でも住職がオモロイ物好きという事で、境内にはまだまだオモロイ物がたくさんあった。


敦盛の首を葬ったという「敦盛首塚」。


須磨寺を出て坂を下って行く途中にあるのが、現光寺だ。「源氏物語」の主人公光源氏の住居跡と伝えられ、もとは「源氏寺」といわれていた。境内には松尾芭蕉の三段切の名句「見渡せば 眺むれば見れば 須磨の秋」の碑や正岡子規の句碑がある。


ちょうどお寺の人がいて、中を見学させてくれた。本堂の襖絵には国宝「源氏物語絵巻」の模写や源氏香図が描かれている。


あっちこっち寄っていたらいつの間にか14時近くになっていた。お腹がペコペコになっており、須磨駅前にあるホットドッグのお店まで行く。神戸のヨーコさんお勧めの店だ。店の名前は「コペンハーゲン」、笑顔が素敵で気さくなデンマーク出身のビャーネ・リンボー・ハンセンさんが営むお店で、オリジナリティ溢れたデンマークホットドッグが絶品らしい。№1人気のクリスチャンドッグを頼もうかと思ったが、時間がかかるというのですぐできる“イナバドッグ”を頼む。


須磨駅の待合室で、さっそくホットドッグを頂く。確かに美味しい。こんな美味しいホットドッグがあったのかと目から鱗が落ちるくらいだった。時間があるときにゆっくりしながら味わいたいものだと思った。


この“イナバドッグ”。なんでこんな名前なんだろうと調べたら、この「コペンハーゲン」という店は、日本を代表する音楽ユニット「B'z」にゆかりのあるお店なのだという。ファンの間では超有名な聖地なのらしい。B'zのボーカル稲葉浩志とハンセンさんは親交があり、稲葉浩志に因んだ“イナバドッグ”やギターの松本孝弘に因んだ“まっちゃんドッグ”があるというわけだ。


ホットドッグを食べ終わると、急いで須磨駅から電車に乗って垂水駅までワープする。舞子駅に15時くらいまでにゴールしないとHAT神戸の“なぎさの湯”に16時までに集合できないからだ。

垂水駅から再び海岸に出る。明石海峡大橋がもう目の前である。


この辺りは海水浴場で、夏ともなれば多くの人で賑わいそうな美しい浜である。


明石海峡大橋と淡路島をバックに記念撮影。


大きなガラス貼りの部屋の中では、結婚式が行われていた。この日は、結婚式日和なのだろう。


こちらは孫文記念館。


明石海峡大橋のモニュメント前でマラニック最後の記念撮影だ。電車でワープした分を除くと約24.3キロのマラニックだった。


舞子から電車でHAT神戸に戻る。到着は15:54でギリギリ16時の集合時間に間に合った。


なぎさの湯に入浴後は、いつものように宴会をしてお開きだ。


宴会終了後は、タクシーで新神戸駅まで行くことにしたのだが、タクシーがなかなか捕まらない。2台はすぐ来たが、3台目がなかなか来なくて大分待たされてしまった。先に行ったメンバーはとっくに新幹線に乗ったのだろうと思っていたが、新神戸駅に着くと新幹線が大幅に遅れているとのことで、駅構内は大混雑だった。静岡~浜松間で停電があったことが原因らしい。とりあえず乗れる車両に乗って何とか浜松まで帰ることが出来てホッとする。いろいろな出来事があったが、裏コースも見どころ満載で面白く神戸ええとこマラニックを楽しむことが出来た。

参考1.今回のコースマップ(須磨駅~垂水駅ワープ5.8キロ)


参考2.今回の高低図