とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

2017伊南川100キロウルトラ遠足:大会当日

2017-10-24 22:52:48 | マラソン
大会当日の朝、宿を4:10頃出発して大会会場に向かう。天気予報では、当日の天気は曇りとどうやら雨は降らないようだ。荷物などを預け、スタートゲート近くに向かう。会場周辺は、白い霧に包まれている。


この大会は、スタート時間が年によって多少前後するらしい。公式には5時スタートとなっていたが、カウントダウンが急に始まり、3分前の4:57がスタートになった。トイレなどに寄っていた人は、ランナーがいなくなったので慌てて走ってきたという。


1時間もすると明るくなり、伊南川沿いの道を進んでいく。


伊南川は尾瀬を源流とする。美しい水の流れと両岸の紅葉が素晴らしい。


7:05。17キロ地点を通過する。我々が泊まった“花木の宿”の前だ。


絹糸を垂らしたような滝と紅葉が見事だ。


山の斜面も、赤や黄色、緑の錦模様に色づいている。


伊南川の急流によって長い歳月をかけて形づくられた怪岩が天を突くようにそそり立つ屏風岩。


7:46。檜枝岐村に入る。檜枝岐村は、村の面積のうち約98%を林野が占めていて、福島県内で人口が最も少く、日本一人口密度の低い市町村である。そして、日本有数の豪雪地帯でもあり、冬は雪に閉ざされてしまう。5年前、会津駒ケ岳に登った際、檜枝岐村に泊まったことがあり、村の名前を見て懐かしかった。


山間高冷地で農作物の収穫に恵まれず、凶作の年などに間引きされた赤ん坊たちと母の嘆きを慰めるために建立された六地蔵。これも見覚えのある風景だった。


国の重要有形民俗文化財に指定されている檜枝岐歌舞伎が行われる舞台がこの奥にある。時間に余裕があれば、見に行きたかった場所だ。


赤く色付いた並木の横を進んでいく。


いよいよ尾瀬国立公園に入っていく。看板が水芭蕉をあしらっているのが良く分かる。


30キロのエイドを過ぎると、沼山峠への登山道に入っていく。ここからは、国立公園内という事で、走ってはいけないことになっている。距離にして6.4キロ、標高差600mの長い登山道だ。




登山道では、沢に架かった木橋を何度も渡る。


沢の流れが美しい。奥入瀬渓流のような雰囲気だ。


落ち葉で埋め尽くされた登山道。


この辺りは、黄色のグラデーション。曇りながら、緑から黄色に微妙に変化している様が素晴らしい。欲を言えば、光がもっと射していれば最高だったのだが…。




橋から足を踏み外さないよう慎重に渡る。長い山道の登りで、足もふらつき気味になる。


山道はさらに続く。


10:03。やっと35キロ地点を通過する。5キロ近くも山道を登り続けてきたので、いい加減休みたくなってきていた。


10:30。36.5キロの沼山峠に到着する。最初のヤマ場はここでやっと終わりである。エイドでおにぎりなどを食べて一休みする。そして、次のエイドまでの10キロの区間は、人家も自販機も何もない。ペットボトル1本を受け取って、ひたすら下って行くのだ。ちょうど、伊南川ウルトラ遠足を何度も走っているAさんと出会い、以後一緒に走って行く。

沼山峠から御池まで下って行くコースは、伊南川ウルトラ遠足のなかでは、一番のハイライトコースだ。黄色のグラデーションに染まった山並みは圧巻である。


12:26。“橅坂の清水”を通過する。流れ落ちてくる冷たくて美味しい清水を掬い取り、ペットボトルにつぎ足す。


12:50。53キロのエイドに到着する。30キロのエイドでもあり、沼山峠からぐるっと回って戻ってきたのである。ちょうどここで、一緒に参加した仲間たちと偶然合流することが出来た。


以後、Aさんを含めて5人で一緒に走る。


62キロから70キロまでは、嫌らしいくらいの長~い上り坂である。前半の山登りで疲れてしまっていたので、2度目となると全く走れない。我々以外にも数人の女性ランナーが同じくらいのペースとなり、いつの間にか8人ほどの集団になっていた。

80キロを越えたあたりから、陽が沈み、真っ暗い道をヘッドランプの灯りだけを頼りに走って行く。

95キロまで来ると、すぐ横にゴール地点となる南会津町伊南総合支所の灯りが見えるのだが、コースは更に北に進む。どんどんゴールから離れていくのが恨めしいくらいだ。

町の外れまで来ると、もう灯りは何もない。残り2キロになったところで、最後のお楽しみというのか、ちょっとした山道に入っていく。ライトがなければ、前にも後にも進めないような道だ。

残り200メートルくらいのあたりでやっとゴール会場の灯りが見えてきた。

20:22。前後して一緒に走っていたN山さんと一緒にゴール。走行時間は、15時間22分と今までの100キロのワーストタイムだったが、1ヶ月半前に腰を痛めていたこともあり、完走できただけで充分満足だった。大会関係者の話によると、1/3のランナーはリタイアしていたらしく、やはりキツイコースだったのは間違いない。


翌日は、台風が接近していたこともあり、何処にも寄らずまっすぐ帰路につく。道路渋滞はなく、午後3時には家に着いていた。その後、東名高速道路が高波で通行止めになったニュースも知り、間一髪であったようだ。