とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

NHK朝ドラ「おひさま 」

2011-07-07 22:21:37 | ドラマ
NHKの朝ドラを見るのが習慣になっている。朝ドラと言っても、実際見るのはビデオに録って夜見ているから夜ドラではある。過去においては、「ゲゲゲの女房」とか「ちりとてちん」等が特に良かった印象が強い。そんな中、現在放映されている「おひさま」も近年まれに見る秀作だと思っている。

ドラマでは、戦前から戦時中、戦後にかけての一人の女性の人生が描かれる。特別凄い生き方をしたわけではないごく普通の女性が主人公である。ドラマのテーマとして「戦争とは何だったのか」といったことを特別訴えたいわけではなく、その時代を生きた女性の視点から、その時感じた喜びや悲しみを肩肘張らずにさらっと描いている印象が強い。主人公の名前が陽子という事から「私は陽子。太陽の“陽子”です!」というキャッチコピーが耳に残る。おひさまというタイトルからしても明るい気分になるシーンが多く、安心してみていられるドラマだ。

主人公の須藤(丸山)陽子は井上真央が演じる。目がぱっちりしていて、笑顔が可愛い女優である。朝ドラで見るまでは、CMや映画「ダーリンは外国人」で見たくらいであったが名前が真央ということで名前は良く知っていた。このところのドラマの展開の中では、戦争から帰ってきた夫と新婚のような仲むつまじい様子が見ていて微笑ましい。夫が突然帰還してきた時、驚きのあまり腰を抜かしてしまったシーンなどは笑えるが、その気持ちを察する上では最良の演出であろう。そして夫におんぶされて家に入り家族から冷やかされる様子も可愛らしい。こんな嫁さんだったら夫もデレデレしてしまうだろうと思いながらも楽しく見ていた。

陽子の夫:丸山和成は高良健吾が演じている。最近見た映画「白夜行」やドラマ「マークスの山」等の暗いイメージが強かったが、このドラマでは、陽子が「いい男」と寝顔をみて惚れ直すほどのいい役どころである。役者っていうのは、役柄でこんなにもイメージをひっくり返すことができるものだと感心する。凛とした姿勢と優しい言葉遣いに「陽子」ならずとも誰もが惚れてしまいそうな気がする。

陽子の父親:須藤良一は寺脇康文である。『相棒』シリーズで、水谷豊と共演した亀山薫役の印象が強かったが、「おひさま」では、頼りがいがあって妻亡き後も子供たちの成長をしっかり見守り筋が一本通った父親役が好印象である。

陽木の母親:須藤紘子は原田知世が演じた。残念ながら、彼女は早いうちに病気で死んでしまうので、ときおり写真で登場するだけだ。原田知世といったら、一昔前は角川映画のドル箱スターであった。私も大ファンであったが久しぶりに母親役で登場したのは感慨深かった。年をとっても美しい女優さんである。

陽子の兄(長男):須藤春樹は田中圭、陽子の兄(次男):須藤茂樹は永山絢斗が演じている。春樹は戦死してしまうが、茂樹は無事帰還できたが戦争の苦悩を引きずっている。陽子と二人の兄たちが一緒に将来の夢を語り合っていたシーンが良かったのを思い出す。

和成の母:丸山徳子は樋口可南子である。さすがに大女優である。ソフトバンクのCMでもいい味出しているが、嫁入りした陽子を実の娘のように思い、大事にする様子も板についている。こんな姑だったら嫁に出すほうも安心だろう。

陽子の友人:筒井育子は満島ひかりである。映画『プライド』での自分の目的の達成のためには手段を選ばないという女性役の印象が強い。他の作品でも悪役や脇役、感情を爆発させる不良少女などの役を幅広くこなす個性派女優として注目していた。このドラマでも、そんなイメージにあったちょっと不良っぽいけど行動力があって頼りになる強い女性を演じている。

陽子のもう一人の友人:相馬真知子はマイコ。山のあなた~徳市の恋~で魅力的な女性役を演じていたが、このドラマでも資産家の娘としてお嬢様役が板についている。モデル出身なので背が高くハーフっぽい顔立ちだが日本人みたいだ。真知子と春樹との切ない恋の行方には泣けた。マイコの凛とした女らしさが昭和初期の女性の強さを感じさせられる。

他にも、たくさんのすばらしい脇役が登場してドラマを盛り上げている。また、このドラマでは旧きよき時代の習慣をきちんと描いているのがいい。親子の間でも、礼儀正しい言葉使いが行なわれ見ていて気持ちがいい。特に陽子が親や兄と話していてもタメ口ではなく、しっかり「はい」という言葉を返しているのが素晴らしい。ドラマは、まだ半分を折り返したところだが、後半の展開も楽しみである。