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大理雪梨1

2012-10-21 12:10:14 | Weblog

写真は、大理産の梨のシロップ漬け。雲南でよく食べられる小腹が空いたときの軽食・えんどう豆の麺というか豆腐「豌豆粉」の売り場の横に山のように梨が置かれていた。同じように大理の人々の元気の源になっている。
2005年1月撮影なので大理雪梨は、すでに売られてはいなかった。
ただ大理の梨の収穫期は8月下旬から10月上旬だというのに、各所にこの梨が山盛り。人々は手を加えることで、冬場の食物として大切に保存して食べつないでいた。

【乾いたのどを潤す漢方や調味料としても】
 暑さが懐かしく感じる初秋のくだものといえば梨。中国には国土が大きい分だけ、さまざまな種類の梨が砂漠地帯から温帯地域まで収穫されています。みなさんも砂漠地帯を歩いてきた仙人が喉の渇きをいやすために梨を求める中国の昔話を、一度は読んだことがあるのではないでしょうか。そして、雲南で梨といえば「大理雪梨」が有名です。

 そのままをむいてかじると、日本で40年ほど前までスタンダードだった長十郎梨のような食感。幸水や20世紀梨のようなシャクシャクとした歯ごたえではなく、やわらかくて瑞々しく、やさしい味わい。

 つまり、生で食べると、私にとっては、ぼやけた味なのです。

ではなぜ有名なのかというと、ほんとうのおいしさはしばらく置いてみる必要があります。洋なしのような細長いだ円形をした梨を、適度に涼しい環境で保存すると皮の色が緑から黄色に変わります。これがおいしさの目安。山形の特産のラ・フランスと似ています。

さらに氷砂糖を溶かした汁につけておくと、飴色のような黄色い食べ物(飲み物)に。シロップをお湯で薄めて飲むと、乾燥した雲南の気候では、痰切りによく効く最高の飲み物にも。

主産地は大理市の繁栄を支え続けたアル(「氵+耳」で一文字)海という湖の東岸。ここでは旧暦の8月8日に大理の各民族が四方八方からこの湖を船で渡ってあつまって、東岸の梨の樹の下で歌い踊る祭りがあるのだとか。ちょうど梨の熟する時期の秋祭り、近隣の街への梨の販売目的もあったのかもしれません。(日本にも、たとえば東京都府中市の大国魂神社などは栗の季節の神社の祭りには「栗祭り」、すももの季節には「スモモ祭り」と称して、たくさんの露天が出ています。)

よく熟れた大ぶりな梨は、私の経験からしても自らの重みですぐ下の方から平らになって、勝手に汁がしみ出し、場合によっては梨酒へと変化してしまいます。
 山間の梨祭りで手に入れた梨の保存法が真剣に検討されたのも無理からぬことでしょう。

(つづく)
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